ラウンドアップ:「魔法の王国」に乗り込む、S・ジョブズとピクサーの仲間たち – CNET Japanを読んで。
日本がライブドア騒動で、ちょっと後ろ向きな議論にはまりかけている間にアメリカでは凄いことが起こってますね。
なにしろ、あのスティーブ・ジョブズがディズニーの筆頭株主で取締役になるわけで。
R30さんが早速レポートしているように、「DisneyのPixar買収は、まあなるべくしてなった」という感じもありますが、なんといってもあのディズニーの「筆頭株主&取締役」ですからね。
いくら今のアップルに勢いがあるとはいえ、これまでのシリコンバレーとハリウッドというのは比較的対立イメージがあった世界でしたし、2年前には「ジョブズと袂を分かったディズニー、さっそくMSと組む」なんて記事があったぐらいですから感慨深いものがあります。
アップルとディズニーといえば、シリコンバレーとハリウッドの代表企業。
それをスティーブ・ジョブズがつなぐのかと思うと、これからやってくる世界について実に想像が膨らみます。
個人的には、動画配信ビジネスは、ブロードバンド普及率が高く、映像系の機器に強いメーカーが多い日本の数少ない勝負のエリアだと信じようとしてきましたが。
どうも、これは勝負有りという印象を受けてしまいますね。
アップルは既にビデオiPodという動画配信用の端末があり、iTMSで動画配信を始めていますし、メディアパブには「ビデオiPod向けTV番組配信,収益生む事業に」なんて記事も出ていて、有料コンテンツの配信は既に軌道に乗ってきているようです。
そこにディズニーコンテンツがプラスですから、たまりませんね。
もちろん、日本もGyaoやソフトバンクなど動画配信ビジネスが動き出している感じはあります。
昨日も「Gyaoが「プロジェクトX」をはじめとしたNHK番組の配信実験」なんて記事も出てましたから、健闘している部分は出てきている感じはしますが、まだPCに対するストリーミング配信が中心ですし、グローバルに見たら存在感はまだまだほとんど無いに等しい印象があります。
おまけに、一連のライブドア騒動の反動で、日本ではネット企業にしばらく逆風が吹きそうな印象もありますから、実に心配な状況です。
そんな中、非常に共感したのがLog the Endless Worldで御手洗さんが書いていたこの部分。
何よりも今回のことで懸念しているのは、これで日本のWeb系サービスが停滞することです。楽天やライブドアばかりがテレビでは取り沙汰されて、一般にはあまりわかっている人も少ないんじゃないかと思いますが、米国のネット企業は着実に技術・事業開発で力をつけて来ています。(中略)巨大な資本と技術力、経験やノウハウを背景に、どんどんこうした企業が日本に参入してきたら、日本のネット企業なりサービスは、いつか(というか、既にでしょうが)実力の面で彼らに席巻されてしまうだろう、と一方で思っていたものです。実力でも彼らに匹敵する日本発の技術やサービスをまだまだ育てる必要があると私は思っています。
今回のアップルとディズニーの話なんかを見ていると、席巻されるのはネット企業の分野にとどまらないかもしれない気がしてきます。
早くライブドア騒動に一区切り付けて、次への一歩を踏み出したいものですね。