インターネットは個人の思い付きが、ついうっかり影響力を持つということ。

alphabloggers_logo.png 【アルファブロガー・アワード2007】デイリーポータルZ林氏講演「ネットは思いつきが力を持つ奇跡のツール」を読んで。
 本当は、先日の感謝記事の後、アルファブロガー・アワードに関する皆さんのフィードバックや感想記事をちゃんと一通りカバーした振り返りエントリーを書くつもりでいたのですが。
 想像以上に、アルファブロガー・アワードに言及されている記事が多くて追い切れていないのと、息子にノロウィルス(ロタウィルスかも?)を移されて月曜日の夜からあっさり倒れてしまって水曜日の朝まで爆睡してしまい、なんだかもうそれどころではない状態ので、一つだけ感想記事をあげておきます。
 今回のアルファブロガー・アワードでは、デイリーポータルZを運営されている林さんに基調講演をしてもらいました。
 実は、私はネットデビューが遅かったので、恥ずかしながらデイリーポータルZの背景を今回の話があるまで良く知らず。
 ニフティに依頼されて書いているプロのライターの方なのかなーと勝手に想像していたのですが、大間違い。
 実は、林さんって、ニフティという企業の中にありながら、インターネットならではの可能性を切り開いてきたブロガーの大先輩のような人だったんですよね。
 まぁ、その詳細は記事なり、ミズタマのチチさんによるアルファブロガー・アワードのサイトの詳細ログを読んでいただければと思いますが。
 そんな林さんのプレゼンでとても衝撃を受けたのが、冒頭のBroadBandWatchの記事でもピックアップされている「インターネットは個人の思い付きが、ついうっかり影響力を持つ奇跡のツール」というフレーズです。
 長くブログを書かれている方であれば、大なり小なりこの言葉に共感される人は多いと思いますが。
 当日の個人的には、これはまさに自分にたいして言われたような感覚を受けた言葉でした。
 なにしろ、アルファブロガー投票企画自体が、その典型的な事例だったわけですから。


 2004年に私がアルファブロガー投票企画を思いついたとき、私のブログのことを知っている人は、おそらくほとんどいませんでした。
 急に、やたらとイベントに顔を出し始めた、ソフトウェアベンチャーの一社員ぐらいの感じでしょう。 
 今親しくしてもらっているブロガーの方々のほとんどと、まだ私は名刺交換をしたことがあるか、全く面識がないという状態だったと思います。
 そんな私がアルファブロガー投票企画などという企画を実施したのは、正直なところ、芸能人ブログや社長日記とは異なる、個人が運営している人気ブログがどこなのか知りたい、という個人の単なる思いつき。
 今振り返ると、一サラリーマンがそんなことを勝手に企画するなんて、まぁ失礼な話ですし、無謀な企画だったと思います。
 ただ、当時、私は幸いにも、個人でブログを書いていただけでなく、既に杉本さんが2年も継続して活動していたFPNを新たにグループブログ形式で始めるという形でコミュニティの活動をしていたため、FPN経由で投票企画を実施したのが、プラスになったのだとは思います。
 FPNのメンバーの皆さんが告知を積極的に手伝ってくれたこともあり、ちょっと珍しいアプローチの企画だったせいか、まだ知り合ったばかりだったブロガーの方々も告知に快く協力してくれて、無名な個人の思いつきとは思えないレベルで多くの人に投票に参加してもらうことができ、結果として意義深い20のブログのリストができあがったと思っています。
 自分の思いつきが生み出した結果に驚いた私は、その後、せっかくなら投票に参加した人と一緒にアルファブロガーに選ばれた人にじっくり話を聞いてみようと座談会を企画してみたり。
 座談会じゃその場限りで勿体ないから、せっかくなら書籍にしようと、インタビュー本を企画してみたり。
 そのまま勢いで、ジャパンブロガーカンファレンスなる大げさなタイトルのイベントをやってみたり。と。
 深く考えずに、思いつくまま、できそうなことに次々手を出していってしまうわけですが。
 まぁ、その後の課題の話は別途書くとして。
 これって、まさに個人の思いつきが、ついうっかり影響力を持ってしまった結果なんですよね。
 先週末のような大規模なイベントをさせていただいた後に言うのも変な話かもしれませんが。
 ブログを始める前の5年前の私にとっては、こんなイベントに自分が関わっているなんて、全く想像できなかった話だったんです。
 で、そう言う意味では、この話は、今この記事を読んでくださっている皆さんにも当てはまっていると思います。
 今この瞬間は、自分がインターネットで他の人に影響を与えるような何かをやるなんて想像できなくても。
 1年後に、3年後に、それが無理かどうかなんて誰も分からないですよね。
 ということで、アルファブロガー・アワードを見て、自分ならもっとこういうものができる!とか、ブログを盛り上げるならもっとこうしなきゃ!と、思った方は、是非その思いを形にすることにチャレンジしてみることをお勧めします。
 林さんが話されていたように「とりあえず動いてみる」ので良いのではないかと思います。
 一つ一つのチャレンジは上手くいかないかもしれませんが、それに数人の人にでも気がついてもらえれば、それが次のチャレンジへの糧になります。
 ひょっとしたら、全てのチャレンジも無駄になり続けるように見えるかもしれませんが、その過程は必ず自分の役に立つのではないかと思います。
 もちろん、私自身も、アルファブロガー・アワード的なものを今後どうするかは真剣に考え続けたいと思いますが。
 これもあくまで一つのやり方に過ぎませんので。
 その選択肢は、もっともっと増えても良いのではないかと思っています。
 「インターネットは個人の思い付きが、ついうっかり影響力を持つ奇跡のツール」。
 ということを信じられる人がもっともっと増えてくれれば、きっともっとネットやブログは面白くなるのではないかなーと思えますので。
 アルファブロガー・アワード2007は終了しましたが、他にも様々な方法で日本のブログを盛り上げようと試みている方々や企画が、私が知る限りでも複数ありますので、ここでご紹介しておきます。
百式企画塾
ベストエントリー・セレクション2007
Blog of the yeah! 2007
俺が好きなブログバトン
「はてなダイアリー」交換会オフ
CNET Japan ブログアワード 2007
 (他にもあったら是非教えて下さい。)
 上記の内、CNETのもの以外は、全て「個人」が企画しているもの、というところが印象的ですよね。
 ちなみに、イベント後に、「アルファブロガー・アワード2007」という内輪のイベントという記事を書かれたPaul3さんがなぜか謝罪記事まで書かれる事態になってしまったみたいですが、Paul3さんが指摘されていた内輪さというのは、個人的にも先日のブログ記事に書いたとおり大きな反省点として残っています。
 もちろん、他の方が指摘されているようにある程度の内輪さは不可抗力だとも思いますが、主催者として様々なコミュニティの方が参加するイベントとしてABAを設計するのであれば、まだまだ打てる手はあったのではないかと公開する点は多々あります。
 おそらくPaul3さんの指摘に賛同される参加者の方もおられることと思いますので、その点は、こちらの課題として忘れないようにしたいと思っています。
 イベントの最後に皆さんに忌憚のないフィードバックをお願いしたのは私ですので、気にされないで下さいね。
 (記事に対する反響も、ブログの記事が書き手の想像を超えて、ついうっかり影響力を持った一例なのではないかと思ったりしますので、今後もブログは是非続けて下さいね。)

“インターネットは個人の思い付きが、ついうっかり影響力を持つということ。” への2件のフィードバック

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