コミュニケーションをデザインするための本 (岸 勇希)

4885531985 「コミュニケーションをデザインするための本」は、電通でコミュニケーションデザイナーをされている岸 勇希さんが書かれた書籍です。
 29manさんに勧められたので買って読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 広告代理店の今後の役割を考える上でも、ネットとマスメディアの組み合わせを考える上でも、参考になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■電通では数年前から、自らの事業領域を「広告代理業」ではなく「トータル・コミュニケーション・サービス」と定義していることをご存じでしょうか。
■コミュニケーション・デザイナー
 プロモーションやブランディングなどの広告キャンペーンから商品開発、事業企画に至るまで、企業と生活者の間に存在する、ありとあらゆるコミュニケーションを設計していく仕事
■メディア・ニュートラルな視点からみる3つの価値
・能動の価値:「検索(SEM)」と「WEB(サイト)」だけが能動的に接触するメディア
・信憑性の価値:広告に対してそもそも懐疑的である現代の生活者は、同じ生活者の立場でShareされる情報に強い信憑性を感じます。
・話題創出の価値:より多くの人に同時に”気になる(Interest)”をつくれるのはマスメディアであり、これは逆にネットメディアの弱い点といえます。
■商品ターゲット=コミュニケーション・ターゲットと決めつけず、ある特定のターゲットにコミュニケーションを集中させ、話題の火種を作る方法もある。ただしその場合には、必ずその火種を本来の商品ターゲットにまで燃え広がらせていく施策が不可欠。
■マスコミへの取り上げられ方を意識してコンテキスト・デザインする
■普段、誰もが感じていることを可視化しPRに使う。
■漢検DSで機能した考え方
・広告コミュニケーションを展開する前に”広告が効きやすくなる環境づくり”を戦略PRによって行った
・「売る」を強く意識して全ての施策を設計した
■通常「インサイト」というとターゲットを分析するという意味の「ターゲット・インサイト」を指すことが一般的ですが、それだけでは不十分です。コミュニケーション・デザインの初動は、社会の動向を分析する「ソーシャル・インサイト」、クライアントの動向を分析する「クライアント・インサイト」から始まります。
■コミュニケーション・デザイン3つの意識
・Neutral 固定概念や思い込みを捨て、問題解決の方法をニュートラルに考えられているか?
・Simple キャンペーンの構造がどんなに複雑だったとしても、生活者が広告に接触した瞬間のコミュニケーションはシンプルでわかりやすいものか?
・Faithful 課題解決に対して、誠実に臨んでいるか?単に”新しいから””面白いから”など、企画側のエゴだけになっていないか?
■コミュニケーション・デザイン5原則
・思い込まずにインサイト
・課題解決のためにありとあらゆる手法、選択肢を考える
・メディアと表現を分離しない
・仕組みではなく、気持ちをデザインする
・結果に固執する

4885531985 コミュニケーションをデザインするための本 (電通選書)
岸 勇希
電通 2008-09-03

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