広告会社は変われるか (藤原 治)

4478550212 「広告会社は変われるか」は、電通総研社長をされていた藤原 治さんが書かれた書籍です。
 かなり前に買って読んでいたのですが、読書メモを公開していなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 広告代理店や広告業界の未来が気になる方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■電通の本質とは「スペース・ブローカー」
 「スペース(空間)」を埋めるのが仕事
 ただし、単なるスペース・ブローカーではなく、売るべきスペースに「味付け」、つまり付加価値を施していた。
■広告の構成要素の変化
・大衆から分衆へ
・マスメディアからクラスメディアへ
・少品種大量生産から多品種少量生産へ
■インターネットの特性はマスメディアとことごとく相違している
・グローバル性
・双方向性
・制限がない
・eコマースが可能となる
■eプラットフォーム(マス媒体とネットが融合して生じる新しい媒体)
 
■経営企画室に出入りできるか
 従来の広告を含むマーケティングは、経営企画室の所管する経営戦略に組み込まれる
 R&Dやブランド管理はまさしくその戦略の中核となり、そこへの提案能力なくして、広告会社の存在意義はない。
■これまでの広告の制約条件
・情報が一方通行であるから、企業側から声をかけざるを得ない。
・情報は一方通行であるから、消費者側のニーズは把握しにくい
・消費者は不特定であるから、振り向くか振り向かないかはわからない
■4P理論から4C理論へ(ローターボーン教授 ノースカロライナ大学)
・ProcutからConsumerへ
 売れるか売れないかわからない見込み生産から、消費者ニーズ・ウォンツを把握した生産へ
・PriceからCostへ
 生産コストだけでなく、消費者の購入コストや時間コストも勘案する
・PlaceからConvenienceへ
 販促の要点は売る場所の重視から、消費者の購買利便性に移る
・PromotionからCommunicationへ
 「売りつける」から「買いたい」へ
■CRMでどこまで消費者を理解できるか
 CRMはインターネットの申し子である。インターネットのインタラクティブ性を前提とすれば、顧客とのより高度なリレーションが成立する。
■コミッション制からフィー制やインセンティブ制に
・コスト・プラス制:労働時間に間接費と一定の利益率を上乗せする
・固定フィー制:サービス料を見積もり、あらかじめ一定の報酬額を取り決める
・ミックス制:媒体購入、制作などにはコミッション制を適用し、直接人件費などにはフィー制に移行

4478550212 広告会社は変われるか―マスメディア依存体質からの脱却シナリオ
藤原 治
ダイヤモンド社 2007-02-17

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