仮想コミュニティがビジネスを創りかえる (ワグナー・ジェームズ・アウ)

4822246973 「仮想コミュニティがビジネスを創りかえる」は、セカンドライフの立ち上がりからブームまでの歴史を、その渦の中心にいた方の視点から書かれた書籍です。
 監修をされた滑川さんから献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 セカンドライフブームが、一過性のバブルに過ぎなかったと思っている方には、目から鱗な非常に刺激になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■セカンドライフを特徴付ける3つの原理
・ビーバップ・リアリティ
 基本となる物理法則とアイデンティティを住人が自由に変えてしまえる世界
・感銘社会
 セカンドライフでは有機的な創造性と長期的な影響力を基準として文化的、経済的、社会的な貢献の評価が行われる。
・両面的な繁栄
 セカンドライフへ貢献すれば現実世界側の生活にもよい影響が生まれるし、その逆もまた真であるはずだという信念を表す言葉。
■モノ作りがリンデン・ワールドの中心だったわけではない。もともとは破壊的なアバターと岩食い鳥からゲームに持っていこうとしていたのだ。
■ユーザー参加型コンテンツについてのソクラテス式問答
「モネの絵と子どもが指で描いた絵を持っていたら、どっちを家に飾りますか?両方でしょう?その背景にあるものが大事なんです。」(ハンター・ウォーク)
■真のユートピアとは統一的なルールのセットによるものではなく、ユートピアに対するさまざまな考え方(対立する考え方も多い)が併存できるほどオープンな個人の自由を尊重するリバータリアン的な状態
■「労働の恩恵を労働者自身が受け取れる必要がある。つまり、所有権と金銭的報酬、両方を受け取る必要があるのだ」(ロビン・ハーパー)
■仮想通貨には奇妙な魅力があり、住人は、現実よりも高い価値をリンデンドルに見出すのだ。
■ブログをはじめとするネット系の交流と異なり、仮想世界は第四の壁を越える力を持つ。媒体と参加者を隔てる壁をなくし、今までそのような気になりにくかった媒体に参加しようという意志をもたらす。
■メタバースのグーグル化

4822246973 セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる
滑川 海彦 井口 耕二
日経BP社 2008-08-21

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