「検索連動型広告だけに頼ると市場が広がらなくなる?」を日経NMに投稿しました。

nikkeinetmarketing_logo.png 日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
 今回も、前回に引き続き、私なりのAISASの考え方の話を書いています。
 不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
検索連動型広告だけに頼ると市場が広がらなくなる?:日経ビジネスオンライン
「 前回のコラムでは、「AISAS」のステップをピラミッド型として考えた場合に、自社サイトやPR、広告などをどういう役割分担で考えるべきなのかという話を紹介しました。
 ただ、ここで気をつけていただきたいのは「広告」という単語です。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
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本日より、AMNの代表取締役社長をさせて頂くことになりました。

AMNlogo_middle.jpg 本日、AMNで新体制の開始を発表し、私、徳力が代表取締役社長をさせて頂くことになりました。
 概要についてはプレスリリースをご覧いただければと思いますが、プレスリリースでは書ききれない背景や思いなんかを、自分が忘れないためにもこちらにメモしておきたいと思います。
 設立から2年での体制変更と言うことで、一般的なオーナー社長ベンチャーからすれば滅多にないパターンなので、驚かれる方も多いかもしれませんが、すでに坂和さんにブログで書いて頂いているように、社内的には役割のスイッチというのが基本的なイメージです。
 
 この2年間、AMNの方針や戦略については、本当にいろんな試行錯誤や紆余曲折がありました。
 様々な課題も見つかりつつ、意外なところに未来が見えつつ、という2年間だったのですが、全体で見ると当初私個人が心配していたより、はるかに順調に来れたというのが正直な感想ではあります。
 ただ、その一方で課題になっていたのが、メディア事業に対する取り組みと、AMNならではの新ソリューションの開発。
 もともと、AMNは、設立時のビジョンとして、書き手の人たちの価値を重視した事業運営というのがポイントの一つとしてありました。
 これは社長の坂和さんが、もともとCNETで編集を担当されていたこともあって、最近の広告サービスがアフィリエイトとか行動ターゲティングとか、あまりにメディア自体の価値、書き手の価値を無視しているという問題意識があり、ソーシャルメディア時代に適合した新しいメディアの模索というのが、一つの重要なビジョンでもあったのです。
 ただ、立ち上がったばかりのベンチャー企業として、売上を上げるためには、まずはクライアントである企業に認知してもらうことや、クライアントのニーズに対応したサービスの提供が最優先。
 そう言う意味で、この2年間はとにもかくにも売上を上げるための活動に全社的に注力しており、営業チームや社長の坂和さんはもとより、メディア事業をやるはずの私も営業側の支援でてんてこまいだったのが正直なところです。
 おまけにメディア事業の担当が私と言っても、私自身はメディア事業の経験もないですし、どちらかというと一利用者側の視点の人間。
 会社としてメディア事業がどうしても後回しになってしまっていたというのが実情でした。
 そこで、2月でAMNも設立2周年を迎え、営業チーム体制も整ってきたこともあり、坂和さんからメディア事業に専念したいという提案を頂いて今回の新体制の議論となったわけです。
 今後は、坂和さんにメディア事業の立ち上げに注力して頂き、営業チーム側も立花さんだけでなく、上田さんにも明確に取締役として参加してもらうことでチーム体制の強化をし、私がその間に利用者視点で全体の調整をおこなうという形の今回の新体制にするという結論に至った次第です。
 実際には今までも社内的には4人でのチーム経営という意識でやっていたので、その実情に明確に体制を合わせたというイメージで、それほど4人の意識的には大きく変わらないというのが実際のところだったりしますが。
 今回の新体制で、明確に役割分担もできたことで、今後よりAMNらしい活動ができるのではないかと思っています。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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クラウド化する世界 (ニコラス・G・カー)

4798116211 「クラウド化する世界」は、インターネットによって引き起こされる変化の本質について詳細な考察をしている書籍です。
 昨年末に購入して読んでみたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、いわゆる最近日本でも注目のクラウドコンピューティングの「クラウド」がタイトルに使われていますが、現代は『The Big Switch』。
 最近よく報道されるようなクラウドコンピューティングのバラ色の未来を語っているのではなく、第三者の視点からIT産業を電力産業の歴史と並べて、冷静にこれから起こる変化について分析している点が印象的です。
 「ウィキノミクス」や、「ヒトデはクモよりなぜ強い」を読んで、未来の可能性に興奮している人が、一旦冷静になるという意味で読んでおくべき本だと思います。
【読書メモ】
■電力とコンピューティングの類似点
 電力の供給が開始されたとき、電力は制御しにくい予測不可能な力だった。
 今日のコンピュータシステムと同様、企業はどのように電力を事業に利用すべきかを考えなければならず、組織や製造工程をすべて変更することもしばしばだった。
■「ランプが光り、発電機が電流を作り出すことだけが必要なのではない」(エジソン)
 凡百の発明者と違って、エジソンは個別的に創造することはなかった。彼が造ったのは、システム全体だった。最初に全体を想像し、次に必要な部分を造り、それらの部分を継ぎ目無く適合させた。
■コンピュータのパーソナル化が複雑で無駄な現象を伴う理由
 コンピュータの処理能力は通信ネットワークの容量が拡大する以上に急速に進歩してきた。
・ムーアの法則「マイクロプロセッサの能力は1,2年毎に2倍になる」
・グローヴの法則「電気通信の帯域幅は世紀が変わるごとに2倍になる」
■「労力節約用の機器のおかげで労働を軽減できたのは主婦ではなく、それまで主婦を手助けしてた人々だった」(ルース・S・コーワン)

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