「脱広告・超PR」は、インテグレートのCOOをされている山田まさるさんの書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
インテグレートというと、先日読書メモでご紹介した「99.9%成功するしかけ」を書かれた藤田 康人さんがCEOをされている会社。
この本にも、そんなインテグレートならではの視点でのマーケティング手法がつづられています。
タイトルから見ると、広告批判、PR礼賛的な本に見えるかもしれませんが、PRの弱点も踏まえた上でのマーケティングのアプローチが書かれているのが印象的です。
先にご紹介した「「戦略PR」の仕掛け方」や「WebPRのしかけ方」に比べると、より広告と組み合わせた大規模なアプローチが中心になっている印象もありますので、PRをマーケティングに組み合わせようと思っている大企業の方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■ホットケーキづくりの再注目
一人のマーケッターが、自分が担当する商品と顧客との関係をじっくりと見つめて、確信を持って「提案」を試みたこと
■私はPR出身のIMCプランナーですが、だからといって「広告が効かなくなったいま、PRの時代ですよ!」と短絡的にPRをすすめたりするつもりはありません。
■この10年あまりで日本国内で流通する情報量は530倍になったそうです
(総務省「平成18年度情報流通センサス報告書)
■この10年ではっきりしたことは、どの戦術を用いても、これまでの広告(特に、テレビコマーシャル)に代わるような決定打はなかったということ
■ブログを単独で使ってもあまり有効ではなく、マスPRを使った話題づくりとの組み合わせがあってこそのブログであると言えます。
■従来型(刷り込み型)から連鎖型・対話型への発想転換
・ゴールイメージを「伝える」から「動かす」へ
・メッセージは「お知らせ」から「提案」へ
・伝達のアプローチは「one to n」から「n to n」へ
■マーケティング・コミュニケーションの4つのステップ
・徹底した「洞察」から提案の糸口を見出す
・+nの発想で「説得」のインフラを整備する
・「拡声」で話題を喚起する
・情報が伝わる「連鎖」の仕組みをつくる
■現代においては情報の鮮度が失われ、「すでに知っている」「昔の話」と認識されていることは致命傷になりかねないのです。
■ファクト調査で集まった情報の中から、方針に見合うデータや事象を少なくとも3つ、4つ選んで、ストーリーを形成し社会現象として切り出します。
■PRの弱点は、多くの企業のマーケティング担当者がすでに痛感してきたように、安定的にコントロールができないという点です
■「クチコミ」とは、言いたいこと、伝えたいことを次へ次へと伝える「伝言ゲーム」ではないと私は思います。強制でもされない限り、人は「他人が言いたい」ことを誰かに進んで伝言することはありません。
人が思わず言いたくなるのは、自分が受け止めた感想や感情です。
脱広告・超PR―広告を信じなくなった消費者を動かす「連鎖型」IMC ダイヤモンド社 2009-07-03 by G-Tools |