「生命保険のカラクリ」は、ライフネット生命の副社長として有名な岩瀬大輔さんの書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
AMNでもライフネット生命さんのイベントを担当させて頂いたことがありましたが、その際にも教えてもらった独特な日本の生命保険業界の慣習や仕組みが、実に赤裸々に書かれています。
イベント直後には、実は妻を説得できず生命保険を切り替えていなかったのですが、この本を読んで改めて生命保険を見直して、ライフネット生命に切り替えてしまいました。
私のように何となく生命保険の担当者の方のセールストークで、いわれるままに生命保険を契約してしまっていたという方には、参考になる点が多々あると思います。
【読書メモ】
■生命保険会社を立ち上げることを聞いた際の友人の反応
米国の友人「insurance(保険)? 日本のバフェットを目指すんだね!」
日本の友人「え、セイホ?なんでまた?」
■新しい生命保険会社が社会を変革する大きな可能性がある3つの理由
・市場が非常に大きい (年間40兆。保険料を1%下げることができれば、毎年4000億円の還元になる)
・市場がとても非効率である (日本の生命保険は、商品によっては英米の二~三倍の高水準にある)
・巨大で非効率な市場にも、変革の波が訪れている (2006年4月には保険業法施行規則が改正)
■日本人が元来「生保好き」だったというわけではない。よりたくさんの手数料を取りたいと考える保険会社の販売戦略が、そうさせたのである
■生命保険の基礎
・定期保険:純粋に死亡保障機能だけを提供する
・養老保険:多めに保険料を徴収し、差額を保険期間中積み立てていき、満期が来たら返す
・終身保険:死亡保険と貯蓄を合体させた商品(超長期の養老保険)
■実際には、ほとんどのケースにおいて、医療費の自己負担額はそれほど大きくない。「高額療養費制度」という制度のおかげである
■保険料を決める要因
・死亡や入院などの発生確率
・運用の利回り
・手数料
■保険会社の3つの収益源
・死差益(危険差益):当初の発生確率と比べて、実際の支払いが少なかったことにより得られる利益
・利差益(利差損):保険料などの運用が、織り込まれた利率よりも高い利回りを出すことにより得られる利益
・費差益:保険料に織り込まれているコストを、経営努力を通じて下回ったことによる利益
■保険にかしこく入るための七ヶ条
・死亡・医療・貯金の三つに分けて考えよう
・加入は必要最小限、を心がけよう
・まずは中核の死亡保障を、安い定期保険で確保する
・医療保険はコスト・リターンを冷静に把握して、好みにあったものを選ぶ
・貯蓄は金利が上がるまで、生保で長期の資金を塩漬けにしてしまうのは避けよう
・すでに入っていても「解約したら損」とは限らない。見直そう。
・必ず複数の商品(営業マンではない)を比較して選ぼう
生命保険のカラクリ (文春新書) 文藝春秋 2009-10-17 by G-Tools |
【書評】生命保険のカラクリ
日本ではおよそ9割の世帯が加入しているという「生命保険」。
統計的に言っても、当ブログの読者の中で「生命保険」に加入していない人はほとんどいないのではな…