クラウド時代とクール革命 (角川歴彦)

4047102261 「クラウド時代とクール革命」は、角川グループホールディングス会長兼CEOの角川歴彦さんの書籍です。
 出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 日本のメディア企業の中では異色と言っても良いほどネットに寛容な角川氏ならではの視点がまとめられており、日本や日本の企業がこれからどうあるべきか、というのを考えさせられる本だと思いますので、大企業の幹部や管理職の方々にぜひ読んでほしい本です。
【読書メモ】
■「大衆」の英知に誰もがアクセスでき、大衆が「すごい」「カッコいい」「クール」と賞賛するモノや出来事が社会を変革していく。それが「クール革命」だ。
■「ポピュラー・ミュージックから一般用電子機器、建築からファッション、食べ物から芸術にいたるまで、今日の日本は、経済大国だった1980年代よりも、はるかに大きい文化的勢力を持っている」(ダグラス・マッグレイ)
■日本のポップ・カルチャーを嗜好する「クール・ジャパン」というムーヴメントも、ガラパゴス日本の新しい表出といっていいだろう。
■ユーチューブの本質的問題は、放送の根幹にふれるコンサバティブな領域に他人が土足で入ってきたことだと次第に国民に理解されるようになった。まさに著作権者と放送業者にとって、ユーチューブは21世紀の黒船だったのである。
■日本社会が事実上、本人に事前に許可を取らないと何もできないという、世界でも珍しい「オプト・イン方式」になっている
 アメリカから上陸したヤフーにしてもユーチューブにしても、要請があればサイト上から削除するという、つまり問題が生じてから事後に対応する「オプト・アウト」方式で運営している。
■日本の企業経営者に欠けるもの
・デジタル化時代への対応が出来ていない
・一つ一つのプロダクトアウトにこだわって全体構想が描けない


■ルビコン川を渡ったグーグル、アップルそしてマイクロソフト。もう3者の共存共栄はない。しかし、その闘うパワーが情報技術産業に新たな革命を起こす。
■ブラック・スワン現象 ありえない極端な現象
 
■果ての国と月並の国
 果ての国では極端なことが起きやすく、平均値という考え方はあまり意味をなさない
 月並の国のユートピア地方では、月並が支配していて、極端な成功や失敗がほとんどない領域だ。そこでは特定の事業が単独で全体の大きな部分を占めることはない。
■果ての国では誰も安心できない
 事実、アメリカでは1957年に500種株価指数に入っていた大企業で、40年後にこの指数に残っていたのはわずか74社。
「バケモノ企業はちょっと見回すだけで、ハエみたいにばたばた落ちている。」
「社会主義の色が濃いほど、バケモノ企業が生き残りやすい。
■日の丸クラウド「東雲(しののめ)」の必要性
・国内IT産業の次世代基盤として整備
・国内企業に戦略的価格で提供
・純国産アジア圏最大規模クラウドシステム
・10年安心して使える公営環境として提供

4047102261 クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)
片方 善治
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-03-10

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