「情報選択の時代」は、「情報を理解する」ことを人生のテーマとした情報建築家(インフォメーション・アーキテクト)として知られるリチャード・S・ワーマンが書かれた書籍です。
ADTech Tokyoの前夜祭の際に、高広さんに読むように勧められたので買って読んでいたのですが、読書メモを書いていなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
私たちが情報社会に生きていることは間違いなく、私たちも日々「情報」というキーワードを気軽に使っていますが、そもそも「情報」とは何かということについて考えることはあまり無いように思います。
この本では、その「情報とは何か」ということについて、様々な視点から考察がされていますので、自分が情報を扱う職業についているという認識がある方は、是非読んでおくべき本だと思います。
【読書メモ】
■情報と私たちが考えるものの大半は、現実には単なるデータ、あるいはそれ以下のものでしかない。
この偉大な情報化時代とは、本当は「情報に非ざるもの」の爆発、すなわち、データの爆発の時代なのである。
■5つの輪
・内部情報:人間の内部をかけめぐり、身体を機能させているメッセージの集まり
・会話情報:情報の送り手としても受け手としても、もっとも制御可能な情報源
・参照情報:量子物理学の教科書から、電話帳や辞書にいたるまでいろいろ
・ニュース情報:現在の出来事が含まれる
・文化情報:もっとも数量化しにくい社会全体の質を決める総体的情報
■情報の学習全般に適用する原則
・自分の無知を受容すること
・答えよりも問いにずっと多くの注意を向けること
・解決にたどりつくために、反対方向に進むのも厭わないこと
■情報を組織化する方法
・カテゴリー
・時間
・位置
・アルファベット
・連続量
■日本の社会は硬直しているといわれるが、同時に、きわめて正確で効率がよい。日本語もそうである。日本語の文法は、順序の入れ替えが非常に容易にできている。
■何かをいったん知ってしまうと、私たちは知らなかったときのことを思い出せなくなる
■行動に実質的な影響を与える学習とは、「自分の手で発見した、自分にふさわしい」学習だけだ(カール・ロジャーズ)
■一連の仮想的な教育コースのリスト
・学習についての学習
・質問とその問いかけ方法
・自分が望むこと
■何を知らないかは、何をするかと同じくらい大事である
「年々、私たちに使える情報が減ってきています。一方では情報の爆発がありながら、それと同時に私たちの情報活用能力が落ちていているからです」(盛田昭夫)
■情報化時代にあって私たちが間違いなく経験する失敗は、可能なかぎり「情報をもった」状態にいようとする失敗である。
■たいていのニュースは3つのカテゴリーに分類できる。
「希望」「ばかげたこと」「惨事」の3つだ。
情報選択の時代 松岡 正剛 日本実業出版社 1990-08 by G-Tools |