年商5億円の「壁」のやぶり方 (坂本桂一)

4844371010 「年商5億円の「壁」のやぶり方」は、「新規事業がうまくいかない理由」などの著書がある坂本桂一さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 
 この本では、タイトル通り年商5億円という会社が経営の仕方を大きく変えなければいけないタイミングについて、坂本さんならではの視点で考察されています。
 起業と、企業運営の違いは良く指摘されますが、カリスマ社長が殻を突き破るべきポイントについて、冷静に分析されている本はあまり無いように思います。
 成長の壁を感じているベンチャー企業に勤める方には、参考になる点がある本だと思います。
 
【読書メモ】
■会社には経営の仕方を変えなければならない時期がかならず来る
 創業五年目、年商五億円、従業員五十人
■私は、年商五億円を坂井に社長はそれまでの自分と決別し、魂を入れ替えるべきだと思っています。その覚悟がなければ、その他の部分をどんなに整備しようが、壁を乗り越えるのは無理だといっておきます。
■年商五十億円、百億円の会社にすることを考えたら、社長以外の社員からもヒット作のアイデアや、売上につながる企画がたくさん上がってくるようにしておかなければなりません。


■とにかく社長は自分のすぐ下に、自分とビジョンや概念を共有し、自分に匹敵する能力やスキルをもつ人間を置いてください。
■社長の自分は経営に専念し他の業務は自分の分身に任せるというように、線をひくことも必要ですが、いざというときにはいつでもその線を踏み越える柔軟性と勇気もまた、会社の経営には欠かせません。
■社長は傍から見れば、過剰なくらい社員とコミュニケーションをとるのが当たり前だと思ってください。
■IPOがプラスにならないどころか、時に会社経営に取ってマイナスに働くこともあるのは、紛れもない事実です。
 ・赤字が出せなくなる
 ・情報を開示しなければならなくなる
 ・事前にリスクを明らかにしなければならない
 ・公開維持コストがかかる
 ・社長の時間が奪われる
■マニュアル化できるなんてことは、まずは入り口です。重要なのはその先でしょう。だからこそ、マニュアルにできることぐらい実行できない組織には勝機はありません。
■メタ・リーダーになる
 たとえそれが自分と異なっていようが、相手の価値観を尊重する、自分は決して偉そうな態度をとらない、そして、自分よりもリーダーたちが働きやすい環境は何かということをひたすら考え、それを用意するのです。
■人材優先、人に合わせて組織図をつくるというのが私の組織づくりの基本になっています。

4844371010 年商5億円の「壁」のやぶり方
坂本 桂一
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2010-07-27

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