「成功者の告白」は、起業家が陥りやすい課題について書籍化した本です。
ある経営者の方から強く推薦されたので買って読んでみたのですが、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本で描かれているのは、起業家が陥りやすいいくつかの落とし穴です。
事業が順調に推移しているときこそ発生しやすい課題や問題について、著名なコンサルタントならではの視点で書かれています。
起業を考えている方や実際に最近起業された方は、是非読んでおくべき本だと思います。
【読書メモ】
■起業して成功するためには、何が鍵なんですか?
タイミングだよ。つまり、いつ市場に参入するかが鍵なんだ。
参入タイミングさえ間違えなければ、順調に会社は立ち上がる。
■ビジネスモデルのチェックポイント
・このビジネスまたは商品が成長カーブのどこに位置づけられているのか
・ライバル会社との比較で優位性があるかどうか
・ビジネスを継続するためにじゅうぶんな粗利が確保できるモデルか
■あなたが思う以上に、ビジネスと家庭とは密接に関連している。
ビジネスが成長することで生じる歪みが、家庭にまで及ぶ。
そして、それはあなた自身ではなく、あなたのもっとも大事なもの---妻や子供の命まで侵食していく危険性もあるのだ。
■行き過ぎたプラス思考は、マイナス思考をそのコミュニティに生む
■売上を毎年二倍に増やす急成長企業も、堅実に安定成長する会社も、いずれにせよ創業四年もすると八割方はマネジメント上の問題に直面する。
この時期にいちばん重要なのは、営業の数字を上げることじゃない。機能するマネジメント・チームをつくることなんだ。
■相手が辛辣なクレームを言っているということは、相手がそれだけ熱心に会社を考えてくださっているのだと考え直す。そして相手に感謝をして、ねぎらいの言葉をかけること。
■相手の怒りのエネルギーを全て開放したあとに、言うべきキーフレーズ。
・「どのようになれば満足されますでしょうか」
・NG「どのようにいたしますと、ご納得頂けるでしょうか」
■会社のステップ
・ステップ0 怒りの解放
・ステップ1 土台づくり1:母親の出番(愛)
・ステップ2 土台づくり2:父親の出番(意志)
・ステップ3 経営のシステム化(チーム体制の組み立て)
■ステップ1の手法
・グッド&ニュー:クッシュボールを持った人は、24時間以内に起こったいいこと、もしくは新しいことを簡単に話す
・承認の輪:何かの記念日に、お互いの存在を認める言葉を掛け合う
■ステップ2の手法
・クレド
・ラインナップ:朝礼のような短い会議でクレドカードに書かれた項目について毎日ひとつずつ話しあう
■ステップ0 怒りの解放
会社で新しい試みを実行していくにあたって反発がでた場合には、一対一で話しあう機会をもって、相手の怒っている理由に徹底的に耳を傾ける。お互いにわだかまりを解消しておく必要がある。
■会社が成長していくためには、四人の役者が必要
・起業家:長期的視野のアイデアがどんどん湧いてくる人
・実務家:短期的視野の仕事、つまり日常業務を効果的に回す人
・管理者:ルールを決めたり、日常業務をルーチン化したりして、短期的な効率を重視する
・まとめ役:この人がいるとほっとするという存在
問題社員がスケープゴートになることによって、会社がまとまる
■問題社員こそ、アンテナ役になってもっとも早く的確に、会社の問題を炙り出してくれる
■悲劇のシナリオから抜けるポイント
・社長が成長ドラマのシナリオを知っているかどうか
落とし穴にはまる前に、経営の目的を売上のアップからシステム化に変更できる
・社長がまとめ役になる、そして社員ひとりひとりがまとめ役の資質を育てていくこと
子どもが成長した時のまとめ役は、理念や哲学、生き方を教えてくれる存在
■我々はリーダーシップについて勘違いしてきた
リーダーというとふつう、ひとりの強烈なリーダーを意識しますよね。でも、リーダーが生まれるためには、起業家も、実務家も、管理者も、そしてまとめ役も必要になる。
組織にリーダーシップが宿るためには、それぞれのメンバーが適切な力を発揮することが大事だということですか?
■会社とは、そこに集うひとりひとりが、本来の自分を発見する場所
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 神田 昌典 講談社 2004-01-27 by G-Tools |