Home > ネットコミュニケーションの視点 > レノボの「実際に作る」アイデアコンテストに学ぶ、利用者参加型アプローチの未来

レノボの「実際に作る」アイデアコンテストに学ぶ、利用者参加型アプローチの未来

 さて、先日中途半端に終ってしまっていたCES2011のLenovoブースのレポートですが、最後にちらっと書いた個人的に一番印象に残った端末の話を書こうと思います。

 実際の製品として一番インパクトがあったのは、もちろんWindowsノートPCのモニターを取り外すとAndroid端末になってしまう ideapad U1 hybrid です。

 ただ、それ以上に印象に残ったのは、実はレノボが昨年開催していたというLenovo Mod Building Contestというコンテストに勝ち残った端末たちでした。

lenovo_mod.png

 Lenovo Mod Building Contestの「Mod」はもともとModification(変更とか修正とかの意味)からきている言葉で、要はPC改造コンテストとか、PCカスタマイズコンテストというイメージでしょうか。
 利用者から自分が作ってみたいPCのアイデアを募集し、そのPCを作るための予算をレノボが支援して実際にそのアイデアを実現してもらうというコンテストを昨年末に開催していたそうなのです。

 例えばコンテストで優勝したらしいK320 ICE SERIESという端末がこちら。

lenovo_mod2.png

 レノボのIdeaCenter K320という実際に存在する端末のケースを、氷のような容器にしてしまったまさに文字通りICEシリーズです。これがまた暗闇でライトアップするといい感じなんですよね。
 (残念ながら実物の写真は撮りそこねてしまいましたが)

 さらにこちらは、Arcade Dock というゲーム端末。

 一見、ただのストリートファイター2のゲーム専用機に見えるのですが、実は箱を開けると中に入っているのは IdeaPad Y560 でした、というノートPCをゲーム専用機のように活用できるケースです。

 さらにはLenovoのロゴに本当のダイヤをあしらって、プラチナのカバーケースを使ったUBERLUXという贅沢モデルもありました。

Lenovo CES2011

 ちなみに、個人的に一番気に入ったのは、Lenovo Senseiというモデル。

Lenovo CES2011

 日本人なら、Senseiという単語でだいたい分かると思いますが、なんと大型タッチパネルの一体型モデルの下にプロジェクタが内蔵されていて、学校で利用するのを想定されているモデルです。

 他にも木造のケースのモデルや、病院などで使うことを想定した台車付きモデルもあり、非常にアイデアを刺激されるものばかり。
 アイデアどまりでなく、実際に費用を支援して端末自体を作ってもらっているというのが新しいです。

 U1を説明してくれたKevinさんに日本語で解説してもらいましたのでご興味のある方はどうぞ。
(前半部分は撮影に失敗してしまっていたので、話が途中から始まりますがご容赦を)


 個人的にも書籍「グランズウェル」の信奉者で、グランズウェルの5つの戦略の中でも、最後の統合戦略という利用者と一緒に製品を考えるアプローチが一番本質だと思っている人間なのですが。

 すでにレノボがそのアプローチで、グランズウェルで取り上げられているデルのideastormというアイデア投稿サイトの成功事例よりも、ある意味進んでいるともいえる実際に利用者に端末を作ってもらうというチャレンジをしているのに正直かなり驚きました。


 特に、個人的に普段から感じているのが、日本のPCこそこういう革新にチャレンジするアプローチが必要なのではないかということ。

soumusyou_pc.png

 よく総務省の調査結果で日本のPC普及率は87%を越えているというデータが引用されますが、実はこのデータは世帯別の数値。
 マイクロソフトの個別調査によると、一人一台ネットに接続できるPCが家庭にあるかどうかというデータで見ると、実は日本は20%程度でしかないそうで、40%を超えている韓国の半分にしか満たないんだそうです。

 要は、日本人はPCを覚える前に携帯でことたりてしまったという話ではあるのですが、それでもやはり複雑な作業、特にコンテンツを消費するのではなく、コンテンツを作る側の作業はいわゆるPCに一日の長があります。

 レノボのKevinさんのU1の説明の中でも、WindowsとAndoroidを一台の端末に入れたことで「コンテンツ消費「と「コンテンツ生成」を両立することができるというくだりがでてきますが、まさに日本の携帯ネット文化にたりないのはこの「コンテンツ生成」の部分でしょう。
 たしかにケータイ小説のような文化は生まれましたが、やはり携帯電話でのコンテンツ生成は難しく、その結果現在の日本のネット文化は完全にケータイゲームで「コンテンツ消費」をするのが主流になってしまったように感じます。


 iPadのおかげで、タブレットという一つの新しいPCの形が開拓されましたが、実はレノボのmodコンテストで出てきたように、まだまだその可能性はいろいろあるはず。
 そんな新しいPCがいろいろ出てきたら、いわゆるPCが苦手な日本人ももっとPCにチャンレジするようになるんじゃないかなぁと、それによって日本人のネットにおける「コンテンツ生成」ももっと増えるんじゃないかなぁと、そんなことを勝手に期待してしまう一日でした。

 もちろんレノボのコアブランドはThinkpadだと思いますし、今後もその質実剛健さや使いやすさは死守してほしいと思いますが。
 一方で、WindowsとAndroidのハイブリッドPCといい、modコンテストといい、現在のレノボはPCというカテゴリを再定義しようとしているのかもしれない、そんなことを感じた一日でした。

 実は記事を書き終わってから気づいたのですが(汗)、このレノボのサイトは日本語版もあるようなのでご興味のある方は是非どうぞ。
lenovo_ideasite.png


【CES関連記事】
Lenovo Social Night で、CESで発表されたばかりの新製品群に触らせていただきました。
初体験のCES Unveiledで感じた日米におけるマスメディアとブログの境界線の違い
初参加のCES2011で感じたのは、とにかく日本の展示会とスケールが違いすぎるということ



Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://mthost.agilemedia.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1191
Listed below are links to weblogs that reference
レノボの「実際に作る」アイデアコンテストに学ぶ、利用者参加型アプローチの未来 from tokuriki.com

Home > ネットコミュニケーションの視点 > レノボの「実際に作る」アイデアコンテストに学ぶ、利用者参加型アプローチの未来

Recent Entries
Archives
Categories
さくらインターネット
シックス・アパート株式会社
Search

Return to page top