「常識破りの思考法」は、以前ブログで紹介した「「思考軸」をつくれ」などの本を書かれているライフネット生命の出口さんが出された書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、まさに常識破りの生命保険会社での起業に挑戦された出口さんならではの思考法が紹介されていますので、大企業の中で問題意識を感じている方には参考になる点がある本だと思います。
個人的には、特に本書で指摘されている「日本的経営は1940年体制下の産物にすぎない」という点は意外に多くの現代の日本人が気づいていない点ではつくづく感じているところです。
【読書メモ】
■先進国では市民のほとんどがメディアの情報を信頼していない
日本人は7割以上の人がメディアから得た情報を信頼している
中国でさえ六割弱。
アメリカが市民の四分の一。
英国、オーストラリアは一割ちょっと。
■タテ思考とヨコ思考
・タテ思考-歴史から人間の営みを学ぶ
・ヨコ思考-世界の人々の営みを見る
■おかしなことにコールセンターの受付時間は、お客さまが最も電話をかけにくい時間帯に設定してあります。
■「日本的経営」は1940年体制下の産物にすぎない
面白いのは、1940年体制は戦争ではあまり役立たなかったのに、戦後の復興では成果がとりわけ大きかった点です。
1940年体制は、中央統制であり、社会主義的な政策体系ですが、このときに終身雇用や年功序列といった企業風土ができあがるのです。
■ダイバーシティの先駆けだったモンゴル帝国
モンゴル政権の内閣は中国人はもとよりアラブ人、ペルシャ人、中央アジアの出身者などさまざまな国や地域から集まった人たちで構成されていました。多国籍の内閣だったのです。
■企業のトップが一言、「海外で三都市以上の経験を積まなければ部長にも役員にも金輪際登用しない」と言い切れば、ほとんどの社員は、海外に喜んで出向くはずです。
■部下が長期休暇を取れるかどうかは、一般には上司の考え方にかかっていると思います。ほとんどの部署は多少の調整さえすれば、前もってメンバーの休暇を十分確保できます。
■「リーダーは人を引っ張っていくのが仕事だから、まず自分にやりたいことがないといけません。明確なビジョンがないとリーダーではありません。これが最優先です。
次に、大きなビジョンを実現するには時間もかかるし多くの仲間も必要です。ですから、一緒に長旅を歩いてほしいと、旅の仲間を集める共感力みたいなものが大切です。」
ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい! 出口 治明 日本能率協会マネジメントセンター 2010-12-23 by G-Tools |