ソーシャルメディア・ダイナミクス (斉藤 徹)

4839937753 「ソーシャルメディア・ダイナミクス」は、いまやFacebookエバンジェリストとしても有名な斉藤徹さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、海外と日本のソーシャルメディアを俯瞰的に分析している斉藤さんならではの視点で、ソーシャルメディアの活用方法が紹介されています。
 書籍の後半には、無印さんやIBMさんの担当者インタビュー、そして電通(現在では元電通)のさとなおさんと博報堂の須田さんの対談も収録されており、一冊で複数の要素がまとめて読むことができるムック的な作りになっていますので、ソーシャルメディアの概論から担当者や現場の生の声まで一冊でまとめて把握したいという方には、参考になる本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルメディアの利用方法
・モニタリング
・対話エンゲージメント(ブランディング)
・商品企画・開発
・商品販売・プロモーション
・顧客サポート
■運用開始までのマスタープラン
・実態調査
 ・モニタリング
 ・アンケート
・組織化と運用ルール
・リスク管理
・効果測定


■ネットプロモータースコア
 批判的な立場の人の比率を、推奨する立場の人の比率から引くことで得られる数値
 「あなたはこの製品(サービス)を友人や同僚にすすめる可能性がどれくらいありますか?」
・9-10 プロモーター
・7-8 中立者
・1-6 批判者
■サイトを作って盛り上がっていない場合は、さまざまな手段を尽くして、影響力のあるメディアやブロガーにアプローチをして積極的に自分たちから仕掛けていきます。
■「一般的に、報道関係の記者さんは、他社の記事と差別化するために、自分だけしか知らない情報を聞き出そうと会見が終わってから個別に質問をされるため、記者会見でディスカッションになることはほとんどありません。しかし、ブロガーズミーティングでは、ある人の質問とその回答からディスカッションに発展することもあり、それによって共通理解が進み、時には素晴らしい提言もいただけるため、当社のエグゼクティブにも好評です」(IBM栗原氏)
■「お客さまの近くにいる社員こそ、IBMの情報やブランドを直に届けることができる伝達者ですからね。そうした理由から社員も積極的にTwitterやそれ以外のソーシャルメディアを活用してもらえればと思います。」(IBM栗原氏)
■「運営フェーズが重要ということになると思うんですけど、極論すると、それは自らがクライアント側に行くしかないということになるかと思うんですよね。」(博報堂須田氏)
■「あるときに発信力って意味ないな、と思ったことがあったんです。発信力がどんなに強くても、スルーされたら意味ない」(博報堂須田氏)
■「飲み会にも静かについて行き、ついてこられない人間には一緒に行こうよとかお節介を焼くみたいな、なんかそういう人がソーシャルハブ的に機能して、インフルエンスを与えていく気がする」(電通佐藤氏)
■「いまはまだない職種が必要。
 ソーシャルメディアの肌感覚も持ったコミュニケーション・ディレクターみたいな存在。そういう人が、最終的に生活者の「共感」を得るために全体のコミュニケーションを調整し、試行錯誤していく体制になるんじゃないでしょうか。」(電通佐藤氏)

4839937753 ソーシャルメディア・ダイナミクス ~事例と現場の声からひもとく、成功企業のソーシャルメディア戦略~
斉藤徹 ループス・コミュニケーションズ
毎日コミュニケーションズ 2011-01-20

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