プロフェッショナルマネージャー (ハロルド・ジェニーン)

483345002X 「プロフェッショナルマネージャー」は、経営者のあるべき姿について考察している書籍です。
 以前から気になっていたので買ってあったのですが、ゴールデンウィークに読んでみたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 書籍のタイトルが「マネージャー」なので、つい日本だと中間管理職ぐらいをイメージしてしまいますが、この本はどちらかというとトップマネジメントそのもののあるべき姿を考察している書籍です。
 
 必ずしも突飛な手法や特殊な考え方が出てくるわけではなく、基本的なポイントを指摘されている本ですが、その自信に満ちた語り口からは多くの刺激を受ける方が多いと思います。
 経営者のあるべき姿について一歩引いた視点から考えてみたい方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■本を読む時は、初めから終わりへと読む。
 ビジネスの経営はそれとは逆だ。
 終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
■最初の四半期に目標を達成できなかったら、けっして年間の目標を達成することはできない
■製品系列マネージャー 競争を眼目にして競争力を監視
 現業のセールスマンやマネージャーや技術者やオペレーション・チームのメンバーは、いずれも自分たちの製品をひいき目に見ることに慣らされていて、競争者を見る場合、ともすればその欠点にばかり目がいくものだ。


■マネジメントの基本的な仕事は経営することである。
 そしてマネジメントがそれに成功する唯一の道は、会社の福利に影響を及ぼすあらゆる状況に関する事実を完全に把握することだ。
■マネージャーたちは問題をすべて、月次報告書の”赤信号”ページに書き出し、その問題が解決されるまで”赤信号”をつけて毎月報告し続けなくてはならない。
■報告書の冒頭
1 提案要領
2 問題となっていることの摘要
3 必要な場合には、その提案に到達した論拠を明らかにするための、思考過程の明確な説明と、判断を助ける展望を提供してくれる数字
4 右以外の、起案者の個人的意見と、確信の度合いと、取り上げられた事柄に関する疑問点等を述べた、短いステートメント
■今すぐに、それは事実か?と、そして忘れずに、それは揺るがすことができない事実か?とたずねる習慣を身につけようではないか
■経営するとは、いったんその事業計画と予算を定めたら、売上やら市場占拠率やら、その他何であれ、それを達成すると誓ったことをなし遂げなくてはならぬことを意味する。
■リーダーは人々を指導し、司令官は人に命令する。
■会社を統率する人間は、その会社の人々が本当は彼のために働いているのでは無いと言うことを認識しなくてはならない。彼らは彼と一緒に自分自身のために働いているのだ。
■私が知っているたいていの会社員は、会社が与えてくれる挑戦と報酬に満足し、沈むか泳ぐかの企業家の環境に一人で乗り出したいとは思っていない。
■企業の中には真の企業家は、長期にわたっては存在せず、また存在し得ないのが実相である。企業家は十分な経験を身につけるまで大企業の中にとどまる。それからキャッシュを手に入れるために出て行ってしまう。
■本当に重要なことはすべて、自分で発見しなくてはならない。
■5つの事実
・揺るがすことができない事実
・表面的な事実
・仮定的事実
・報告された事実
・希望的事実
■「創意」と「結果」7つの法則(柳井正)
・経営の秘訣-まず目標を設定し「逆算」せよ
・部下の報告-「5つの事実」をどう見分けるか
・リーダーシップ-現場と「緊張感ある対等関係」をつくれ
・意志決定-ロジカルシンキングの限界を知れ
・部下指導法-オレオレ社員の台頭を許すな
・数字把握力-データの背後にあるものを読み解け
・後継ぎ育成法-社員FC制度が究極の形だ

483345002X プロフェッショナルマネジャー
ハロルド・ジェニーン
プレジデント社 2004-05-15

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