ミニコミ2.0 (KAI-YOU編)

4990523512 「ミニコミ2.0」は、ミニコミ誌周辺の論客のインタビューや議論をまとめた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、様々なメディア関係者のメディアの未来についての視点がまとめられていますので、ミニコミだけでなく、メディアの未来を考えている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■僕らミニコミ誌の最大のアドバンテージが取り次ぎを通していない、直販にある(宇野常寛)
■雑誌って圧倒的に編集長ものなんです。
 ミニコミ誌の場合、友達と一緒に作るからどうしても合議制を取らざるを得ない。(速水健朗)
■あるものが潤沢化したときにはサブセットで、その隣接領域に新しい希少が持ち上がってくる(クレイトン・クリステンセン)(小林弘人)


■日本の草の根言説のような場所は、オルタナティブではなくて、商業出版の構造的補完物としてしか機能していないように見えます。(西田亮介)
■「誰しもがメジャーになれる」という結果の平等ではなく、誰しも書いたものを、1度は、可能ならば何度かは多くの人の目に触れてもらいうる「機会の平等」はやはりあるべきだと思います。(西田亮介)
■「そらの」さんは自分のことを「媒介者」と言われていますよね。
 同じ意味で「私はアバターです」とも言っているんですけど、「こういう風に撮ろう」とか「こう思っている」という私の意志が出ると、きっとそれは私の色になってしまう(そらの)
■大きな企画として企業側が引っ張るのと言うのはどこか20世紀的な想像力で、運動としてもボリューム過多で重たいものになってしまいます。それよりは参加者が10人程度の小さなユーザー初企画が無数に存在するような場の方が重要だと考えています(Pixiv 片桐)
■pixivだけではなくネット・コミュニティでは、現在はかなりノンバーバル化が進んでいます。(pixiv片桐)
■今、メディア的な情報発信の仕組として、最もコストパフォーマンスに優れているのがブログです。(湯川鶴章)
■Twitterは正に島宇宙化を拒否する部分がありますよね。それぞれのアカウントが帰属する場所がないことがまずあります。(津田大介)
■Twitterでも「俺そんな暇ないから!」って言う人いますかど、もっと忙しいだろう茂木健一郎さんや堀江貴文さんはめちゃくちゃ使っているという。忙しさとは関係ないんですよ。
■たいていの人にとっては、「表現」は一緒に騒ぐための口実でしかなかった(東浩紀)
■「朝生」にしても「論壇時評」にしても、本音では出るのが苦しい。それでもどうして引き受けるのかと言えば、いまここで僕が放棄したら「若い人間はマスメディアには見向きもしない」という状況になってしまうからです。
 みんなが自分のことしか考えていなかったら、世代交代なんて起きない。(東浩紀)
■最近のミニコミブームや若い人のムーブメントにもずっと似たものを感じ続けていて、彼らは本当はきちんとスポンサーを探さなければいけない。
 何かをやるにあたってスポンサーにプレゼンをする時、魂を売らなければいけない。(東浩紀)
■メディアが乱立している状態での、最もシンプルな核となる話は結局、アーティストやクリエイターも自らプロデューサーにならなければいけない時代だということです。(東浩紀)

4990523512 ミニコミ2.0 ミニ・コミュニケーションとメディアの行方
東浩紀 市川真人 宇野常寛 片桐孝憲 黒瀬陽平 小林弘人 新城カズマ そらの 津田大介 西田亮介 橋本倫史 速水健朗 湯川鶴章 李明喜 KAI-YOU
KAI-YOU 2011-02-24

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