「経営戦略パーフェクトセオリー」は、日本総合研究所の手塚貞治さんが出された経営戦略をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、著名な経営戦略の大家の戦略論を6つのグループに分けて、特徴やメリットデメリットを考察されていますので、経営戦略について1度引いた視点から考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■戦略論者は「戦略」をどう一言で説明しているか
「長期の基本目標を定めたうえで、その目標を実現するために行動を起こしたり、経営資源を配分したりすること」(チャンドラー、1962)
「自社の相対的な企業力を用いて顧客のニーズをより満足させ、競合相手との差を最大化すべく努めること」(大前研一、1982)
「無数の行動と意志決定の中に見いだされるパターン」(ミンツバーグ他、1985)
「組織の発展プロセスを指導する新しい意志決定ルールとガイドライン」(アンゾフ、1988)
「企業が複数の市場における活動を組み立て調整することによって、価値を創造する方法」(コリス=モンゴメリー、1998)
「企業が考えた競争に成功するためのセオリー」(バーニー、2002)
■6つの戦略論
・日本企業の強みである「改善基点型」
・もっともオーソドックスな「計画基点型」
・選択と集中を行う「環境基点型」
・ポジション至上主義に反論する「資源基点型」
・ベンチャーや成長企業で功を奏す「ビジョン基点型」
・従来型の戦略へのアンチテーゼ「創発基点型」
■改善基点型のデメリット
破壊的イノベーションが生まれない
■計画基点型のデメリット
・事前に計画を立案することによる硬直性がある
・そもそも将来の環境を予測することは不可能である
・トップダウンで立てても現場での実効性が担保されない
■環境基点型のデメリット
各社の固有性を軽視しているため、会社ごとの最適解は得られない
■資源基点型のデメリット
「意識」や「風土」の偏重→課題真因を隠蔽する可能性
■ビジョン基点型のデメリット
経営者の資質次第、ワンマン経営への危険性
■創発基点型のデメリット
効率が悪い、無秩序に陥る可能性がある
■ビジョン基点型戦略による策定ステップ
・策定:大きな絵をビジョンとして描く
・浸透:ビジョンの成り立ちから実現までを物語としてフェース・トゥ・フェースで語る
・施策立案&展開:分析的戦略策定だけでなく試行錯誤も
■意図せざる成果を生む開発方法
・スカンクワークの公式化
・提案の強制
・多テーマの同時進行
経営戦略 パーフェクトセオリー 手塚 貞治 日本実業出版社 2011-05-26 by G-Tools |