「アイデアのちから」は、タイトル通り記憶に焼きつくアイデアの力について考察されている書籍です。
何かの本を読んだ際に言及されていたので気になったので買って読んでみました。書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、一般的に簡単に使われることの多い「アイデア」を、いかに記憶に焼きつかせるかという視点で考察を行っています。
原題が「Made to Stick」だというのを見て頂くと、粘る部分にこだわった本だというのが伝わるかと思います。
自分のアイデアがなかなか人に伝わらないと嘆いている方には参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■ティッピングポイントは三つの原則によって構成されている。
・少数者の法則
・粘りの法則
・背景の力
本書ではアイデアを記憶に粘る(焼き付く)ものにする「特徴」を突き止める。
■記憶に焼きつくアイデアの6つの共通原則
・単純明快である
・意外性がある
・具体的である
・信頼性がある
・感情に訴える
・物語性がある
■「メッセージには優先順位が必要です。三つ言うのは、何も言わないのに等しい」
■アイデアを記憶に焼きつくものにするためのプロセス
・自分が伝えるべき中心的メッセージを見きわめる
・そのメッセージの意外な点を探し出す
・どきりとさせる意外なメッセージの伝え方で聞き手の推測機械を破壊する。推測機械が作動しなくなったら、今度はその修正を促す
■好奇心が生じるのは、自分の知識に隙間を感じたときだ(カーネギー・メロン大学 ジョージ・ローウェンスタイン)
■地位やステータスがあるからではなく、誠実で信用できるからと言う理由で、発信者が権威者として認められる場合もあるのだ。反権威者は、ときに権威者に優る。
■シナトラ・テスト
「ここでうまくいけば、どこへ行ってもうまくいくさ」
■検証可能な信頼性
顧客に自ら真偽を確かめさせる。
聴き手が「試してから買う」ことを可能にするため、信頼性を大きく高めることが可能だ。
■「大衆を見ても私は行動しない。個人を見たときに私は行動する」(マザー・テレサ)
■「何よりもまず、あらゆるコピーに相手の自己利益を盛り込むことだ。欲しかったものがここにあると思わせるようなコピーを書く。毎日、大勢のコピーライターがそのルールを破っている」(ジョン・ケープルズ)
■たいていの人は、他人は皆マズローのピラミッドの底辺にいると思っているのだ。自分は最上階の住人だが、他人はみんな下の階の住人、というわけだ。マズローのピラミッドの底辺層にばかり訴えていると、多くの人を動機づけるチャンスを逃しかねない。
■「三つのなぜ」は、「知の呪縛」を避けるのに役立つ。
「なぜ?」という問いかけは、アイデアの根底にある核となる価値、つまり核となる原則を思い出せてくれる。
■物語の役割は、知識を日常生活で実感しやすい現実的な枠組みの中に移すこと、つまり飛行シミュレーションに近づけることだ。物語の聴き手もさほど受け身ではない。心の中で行動に備えているのだから。
■スプリングボード
跳躍台となる物語の大きな強みは、懐疑的な意見を払拭し、やってみようという気にさせる点だ。
■物語にはシミュレーションと励ましという、驚異的な二重効果がある。しかもこれらの効果は、それほど創造性がなくてもたいてい使いこなすことができる。必要なのは、日常生活が生み出す優れた物語をいつでも発見できるよう、アンテナを立てておくことだ。
■話術に長けた頭のよい人が、アイデアを聴き手の記憶にやきつけられないのは何故か
・大量の情報の中にリードを埋没させてしまう癖
・メッセージよりもプレゼンテーションを重視する傾向
・選択肢が多すぎたり状況が曖昧なために起きる不安と不合理
・知の呪縛
■SUCCESSチェックリスト
・単純明快である
・核となる部分を見出す
・核となる部分を伝える
・意外性がある
・関心をつかむ:驚き
・関心をつなぎとめる:興味
・具体的である
・理解と記憶を促す
・協調を促す
・信頼性がある
・信じてもらう
・外部からの信頼性
・内在的信頼性
・感情に訴える
・心にかけてもらう
・関連づけの効果を利用する
・自己利益に訴える
・アイデンティティに訴える
・物語性
・行動させる
・シミュレーションとしての物語
・励ましとしての物語
アイデアのちから チップ・ハース ダン・ハース 飯岡 美紀 日経BP社 2008-11-06 by G-Tools |