徳力の2012年の抱負:今年はソーシャルメディアバブルの解消に努めたいと思います。

 はや2012年も2週間があっさり経過しようとしていますが、遅ればせながら2006年から毎年続けているブログでの抱負公開をしておきたいと思います。
 2011年は、年頭に「原点回帰」というキーワードを設定し、アジャイルメディア・ネットワークの創業時の基本に戻ろうとした年だったのですが、3月11日の大震災によりいろいろと予定していたことに取り組めなくなってしまい、結果的に設定した目標を達成できなかった年でした。
 結果的には、Facebookブームの影響もあり「ソーシャルメディア」全般に対する注目度は急上昇し、会社の業績もお陰様で安定して伸ばすことができた年にはなったのですが、個人的には一年間バタバタして何もできなかった印象が強くあります。
 特に、個人的に昨年実施した講演やパネルディスカッションのパネリスト、モデレーター、イベントの司会などの回数を数えてみたところ何と100回を越えていました。
 これだけ多くの機会に声をかけて頂けたのは、本当に光栄なことではありますが、明らかに実力を越えたソーシャルメディアブームの影響だったと思いますし、本来のAMNの社長としての責務を考えると、明らかにこの時間の使い方は異常で、2012年は改めて襟を正して原点回帰することが必要だなと痛感しています。
 そこで今年の個人的なテーマは自戒も込めて、少し言葉は強すぎるかもしれませんが「ソーシャルメディアバブルの解消」とすることとしました。
 昨年のソーシャルメディアに対する注目度の高まりは、残念ながら日本のソーシャルメディアユーザー数の現状を踏まえると明らかに期待先行だったと感じています。
 一方で、これをブームに終わらせてしまっては意味がありませんので、どのようにソーシャルメディアを活用するのが企業にとって意味があるのか、ソーシャルメディア活用は売上にどのように貢献しているのかを証明するのが今年のミッションだと考えています。
 あいもかわらず首が回っておらず、皆さんにご迷惑をおかけしていることも多いかと思いますが、今年も何卒よろしくお願いいたします。


1.今年力を入れること
■AMNのスタッフのみんなが仕事をしやすい新しい環境を作り上げる
 上述したように、2011年の講演や司会を年間100回越えていたというのは、AMNのような小規模ベンチャー企業の社長の時間の使い方としては失格だったと反省しています。
 前の会社の社長に「社長の仕事とは、社長がいなくても会社がまわるようにすることだ」と言われたのが非常に記憶に残っていますが、やはり私の本来の仕事は、AMNのスタッフやその周辺のパートナーの方々が仕事をしやすい環境を作り上げること。
 特にAMNでは一般的なトップダウン型の組織ではなく、外部のパートナーの方々と有機的に連携できるネットワーク型でボトムアップ型の新しい組織作りを模索すると決めており、これはまだまだ非常に厳しいチャレンジだと感じています。
 今年の個人的なテーマに挙げた「ソーシャルメディアバブルの解消」を達成するには当然私一人ではできません。有機的に動くチームがあってこそです。
 今年は、そうした環境作りに対するチャレンジに、最大限エネルギーを注ぎたいと思います。
■企業のソーシャルメディア活用が、中長期の売上に貢献することを証明する
 個人的には、2011年の流行語大賞に「ソーシャルメディア」がノミネートされてしまったように、誤解を避けずに悪い言い方をすると、去年は「ソーシャルメディアバブル」の年だったのではないかと感じています。
 「ソーシャルメディアをやらなければいけないのがまだできていない」というような義務的な発言をお聞きすることが増えましたし、ツイッターやFacebookのアカウントをとりあえず開設したけど効果が出ず悩んでいるという話を聞くことも増えています。
 ソーシャルメディアの普及のペースに比較して、マーケティングや広告的な期待値が上がりすぎてしまっているため、今年は短期的には揺り戻しは少なからず発生すると感じています。ただ、実は本格的な地道な普及期というのがバブルがはじけた後にやってくるというのも、これまた歴史が証明している事実です。
 この5年間の間に、短期的には難しくとも中長期でみれば、ソーシャルメディア活用が売上貢献につながっているのを証明できそうなパターンや、マスメディアとの効果的な組み合わせのパターンというのも明確に見えてきています。今年は引き続き企業のソーシャルメディア活用が中長期に売上に貢献することを証明する、というのを明確に会社のミッションとして活動していきたいと思います。
 また、そのノウハウを年末までに一冊の本として出すことを目標にしたいと思います。
■週に一本はブログを書く
 去年も書いていて実現できなかったのですが、今年は講演を減らす分、ブログに力を入れるようにしたいと思います。
 TwitterやFacebookの普及で、日常の情報収集や意見交換は問題なく継続できていますが、やはりブログにアウトプットしないと個人的に頭の整理もできず、後から振り返るストックになっていない感覚が非常にあります。
 そういう意味で、今年は自分自身に週に一本はブログを書くというのを明確に義務にしたいと思います。
 私が週に一本ブログを書けてない時には、是非皆さんから厳しい指摘を頂ければ幸いです。毎回一番最初にご指摘いただいた方にはランチをご馳走する、というのを自分の罰ゲームにしたいと思います。
(とはいえ、本音では誰もこの宣言に気がつかないことを祈ってます(苦笑))
2.今年はやめること、数を減らすこと
■講演活動
 上述したように、やはり年間100回も越えるほど講演やパネルディスカッションに登壇するのは、明らかに分不相応な現象だったと思いますし、社長の時間の使い方として良くなかったと反省しています。
 今年は講演やパネルディスカッションは、できる限りCOOの上田さんやCTOの福田さんなど他のメンバーにも分担してもらい、私自身は本業に力を入れたいと思います。
 お声がけいただいた方には失礼なお返事をすることも増えるかと思いますが、ご容赦下さい。
■スマートフォンをいじっている時間を減らす
 iPhoneを使うようになって、電車の時間はもとより、ランチや飲み会の最中、家族と一緒にいる時間についついスマートフォンを出していじってしまう癖がついてしまいました。
 便利なことも多いのは事実ですが、一年を振り返ると一方で会話の時間や読書の時間が減ってしまうなど、貴重な何かを失っている気が改めてします。
 特に個人的にゲームアプリを入れると、ついクリアするまでやり込んでしまう正確なのでケータイのゲームは絶対禁止、それ以外のアプリも目的がない時には使わないような自己ルールを確立したいと思います。
■土日はできるだけ仕事をせずに家族の時間にする
 息子もいつのまにか5歳になり、今年で幼稚園も最後の年になります。
 小学校に行ってしまえば土日も友達と遊ぶことが増えるでしょうし、遊んで欲しいと言われることも減ると思うので、今年は土日はできるだけ仕事をせずに家族の時間に充てたいと思います。
 といいつつ、はい、毎年毎年同じことを書いております。
 ただ、書いていても、どうも仕事が入れてしまうので、自戒をこめて残しておきます・・・