「ソーシャルメディア白書2012」は、タイトル通り日本のソーシャルメディア周辺の状況について調査された白書です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、一般消費者10,000人以上、大企業400社という大規模なリサーチを実施し、日本のソーシャルメディア活用の現状について把握しようとされています。
当然ネットリサーチが中心ですので、ある程度のバイアスがかかっていることは想定する必要はありますが、特に主要6サービスの横断でみると日本のソーシャルメディア活用率が57%を超えているというのは非常に興味深いデータです。
これまで、日本ではmixiやツイッター、Facebookなど複数のソーシャルメディアが年代わりで注目されてきたものの、それぞれの利用率は20~30%を超えていないと言われてきたため、米国のFacebook利用率65%などと比べるといまいちソーシャルメディアが普及している印象がありませんでした。
しかし57%の利用者が何かしらのソーシャルメディアを利用しているとなると、日本においてもネットユーザーの半数以上がソーシャルメディアを利用していると言えるわけで、企業にとっての意味づけは結構変わってくる気がします。
(もちろん主要6サービスの中に、GREE、mobageというソーシャルゲームと、ブログという定義が幅広いサービスが入っている点には注意する必要がありますが)
それ以外にも、サービス別のソーシャルグラフの規模や実名公開率など、非常に興味深い結果が複数ありますので、日本のソーシャルメディアの活用状況について把握したい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■国内Facebookページにおける獲得ファン
1位と100位のファン数には約40万人の差があり、上位企業にユーザーが集中していることが見受けられる。
1位ユニクロ41万人、100位 11,153人 400位 1,721人
■Twitter全アカウントのフォロワー数
フォロワー数1位は100万人を超えているが、100位との差は約130万人と大きく離れている。
1位孫正義150万人、100位 194,098人 400位 78,689人
■6つの主要コミュニケーションサービスのいずれかを利用している利用率
全体 57.3%
男性10代 70.3%
男性60代 35.2%
女性10代 85.1%
女性60代 34.4%
(ネットアンケートである点に注意)
■ソーシャルメディア利用の目的
・Blog,Twitterは情報
・mixi,Facebookはコミュニケーション
・GREE,mobageは暇つぶし
■ソーシャルメディア利用をやめた理由
おもしろさがわからなかった、発信する情報がなかった、情報を更新することに疲れたが80%以上
■ソーシャルグラフの規模(平均フレンド数)
・Twitter 61人
・mixi 35人
・Facebook 30人
ユーザーの過半数は5人未満のフレンド数
■ソーシャルメディアにおけるコミュニケーション相手の累計
・mixi,Facebookは会ったことのある人とのコミュニケーションが75%
・Twitter,GREE,mobageは会ったことがない人とのコミュニケーションが60%以上
■実名公開率が65%と高いFacebookユーザー
20代女性の4人に3人が実名を公開
■プロフィール写真の設定
・Facebookユーザーの41%が自分の写真を使用
(mixiは19%、Twitter、Blogは12%)
・顔写真使用のユーザーは60%が、リアルでの友人・知人とのコミュニケーション目的
■Facebookユーザ-の29%が勤務先を公開
■投稿の公開範囲設定
・Twitterユーザーの78%が投稿内容を全体に公開
・Facebookユーザーは45%、mixiユーザーは33%
■企業におけるソーシャルメディアの活用同行
400社中、上級が9%、中級が16%、初期が74%
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