「朝日新聞記者のネット情報活用術」は、朝日新聞の平さんが新聞記者ならではのネット活用術について紹介されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
新聞記者の方々が実際にどのように情報収集をして日々のアウトプットをこなしているのかというのは、単純に新聞やニュースサイトを見ているだけではなかなか見えてこない情報だと思います。
この本では、朝日新聞の中でもネット関連に非常に強いと有名な平さんのノウハウがかなり赤裸々に描かれていますので、プロの情報活用術を学びたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■本書の構成
・収集:ネットで情報を集める
・保存:情報をためる
・確認:情報を見極める
・編集:情報のまとめ方
・発信・共有:ソーシャルが変えるメディア空間
・発信・共有:ソーシャルの実践
・安全:ルールを考える
■情報は整理すべきではない
いまは、急速にデジタル情報が主流になりつつあります。そして、デジタル化された情報のあつかい方は、紙の情報とは根本から違うようなのです。その勘所は「整理をしない」ということに尽きます。
■情報をあつかう上で最も重要なことの一つが「確認」です。新聞記者の取材のなかでは「裏をとる」といいます。
■テーマが大きい上に漠然としている場合
・まずおおまかな情報収集をする
・テーマの全体像をつかむ
・より具体的なテーマに絞り込む
という作業を繰り返す
■新聞記事の書き方の心得
・全力を起手に注ぐこと
・思い切って捨てること
・与実的なるべきこと
・無用の用あるべきこと
■ソーシャルメディアを使うことで、自分の知りたい情報が、探しに行かなくても向こうからやってくる
■仕事におけるソーシャルメディアの目的は、それによって読者や顧客との関係をつくり、アイディアや情報を共有すること。使うことではない。
■避けるべきポイント
・公開すべきでない業務上の情報をネットで公開している
・そもそもやるべきでない行為をし、それをネットで公開している
・他人を侮辱するなど、不適切、不快と受け取られるような発言をしている
・「匿名だからわからない」「知り合いだけの閉じた空間」などネットへの誤解がある
■ダボス会議の壇上でのやりとり
大手新聞社経営者「我々の新聞がどうやったら読者のコミュニティを築き上げることができるのか、アドバイスをいただけませんか」
ザッカーバーグ「それは無理です」
(人々のコミュニティというものは既に存在していて、それぞれにやりたいことをやっている)
■情報が「会話」になっていく
ネットのコミュニティとの関係作りの要となるのが「会話」です。
朝日新聞記者のネット情報活用術 (朝日新書) 平 和博 朝日新聞出版 2012-03-13 by G-Tools |