ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと (ビル・マーフィー・ジュニア)

4484111179 「ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと」は、ハーバードビジネススクール出身の起業家の実話をもとに企業のポイントについて考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、ハーバードビジネススクールの3名の卒業生の実際の経験談をもとに、起業におけるポイントを俯瞰的に解説されていますので、いわゆる有名な成功事例だけでなく、少し身近なケースをもとに起業の心構えを勉強したい方には参考になる点がある本だと思います。
 ハーバードとスタンフォードの両方の空気を感じてみるという意味では「20歳のときに知っておきたかったこと」とあわせて読むのも面白いかもしれません。
【読書メモ】
■ほとんどのベンチャー企業は、地味で変動の乏しい業界で誕生する
 7年続くベンチャー企業は3割しかない
 典型的なベンチャー企業の資本金は2万5千ドルに満たず、創業者が自腹で捻出している
■起業家として成功するための10のルール
・成功を固く決意する
・まず問題を見つけ、それから解決策を考える
・大きく考える、新しく考える、もう一度考える
・1人ではできない
・1人でやらなくてはいけない
・リスクを管理する
・リーダーシップを学ぶ
・売り込み方を学ぶ
・粘って、辛抱して、勝つ
・一生つづける


■実は企業の決意を固めると、最高のアイデアを思いつきやすくなる。
・問題はチャンスに変わる
・「なぜやるのか?」が「なぜやらないのか?」になる
・「昔からこういうやり方だった」が「違うやり方でやってみたらどうだろう?」になる
■「テクノロジー系ベンチャー企業に失敗が多い理由の1つは、創業者が市場のことを全く知らないからだ。テクノロジーのことは知っていても、顧客の側にはその商品を買わなければならない差し迫ったニーズがないのを知らないことが多い」(スティーブンソン教授)
■ペインビジネス(苦痛を取り除くビジネス)は重大な問題を解決するものであり、人はそのために金を払うことをほとんど躊躇しない
 プレジャービジネス(楽しみを増やすビジネス)はそれほど差し迫った問題を解決するわけではない。素晴らしい時もあるが、成功率は低くなる
■相手が将来自分にとってどんな風に役に立ってくれるか分からなくても、面白い人と大勢知り合うことは重要だ。
■ネットワーク作りで重要なのは数ではなく質だ。たとえ12人のネットワークでも、その全員があなたを助けることに関心があり、あなたが新しい事業を始めるとき具体的に力を貸してくれるなら、フェイスブックに何千人も友達がいるよりも貴重だ。
■私たちが新しい考え方をすることは重要だけれど、それをビジネスとして成り立たせるには、顧客にも新しい考え方をしてもらう必要がある
■インテリジェントな起業家になるには、一種の屈辱的な経験が必要だ。
 情け容赦ない目で自分を見つめ、自分の長所と短所を見極めることが絶対に必要だ。
■HBSのプログラムがケーススタディ中心に構成されている理由
・私たちは学生に他人の経験から学んで欲しい。問題に直面した起業家たちの経験を学ぶことで、学生たち自身が将来暗礁に乗り上げる可能性を下げようとしている。
・学生たちに継続的な学習の重要性を教えるためだ。ビジネススクールを出た後もずっと学びつづけなくてはいけないことを学生たちが理解するのは非常に重要だ。
(ノーム・ワッサーマン准教授)

4484111179 ハーバードビジネススクールが 教えてくれたこと、教えてくれなかったこと 起業した卒業生3人の10年間
ビル・マーフィー・ジュニア 藤原朝子
阪急コミュニケーションズ 2011-12-01

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