グアルディオラのサッカー哲学 (ファン・カルロス・クベイロ)

4408453242 「グアルディオラのサッカー哲学」は、バルセロナの監督であるグアルディオラの哲学について書いた書籍です。
 Numberの監督特集を読んでいて気になり思い切って買って読んでみたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 当然、サッカーのクラブチームの監督の話なので、サッカーに向けての話が中心になるのですが。
 組織のリーダーが持つべき心構えや、組織の作り替え方など、企業の中のリーダーを目指す方にも参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■グアルディオラはヨハン・クライフのように生まれながらのカリスマ性を持っているリーダーではないと思います。彼の人間性と、これまで培ってきた経験が、今の監督グアルディオラを作り上げているのだと思うのです。
■監督就任を受諾する前に要求した3つの変革
・トレーニングの流れについての大幅な変革
・選手たちのメディカル面とフィジカル面におけるサービスを充実させること
・バルサのプレイスタイルを現代サッカーに沿うものに変更
■「カンテラ時代、グアルディオラの体格は華奢そのものだった。ただ、長い目で見れば、逆にその欠点が長所に転じた。現代サッカーにおいて、フィジカルの弱い選手が生き残る唯一の道は、インテリジェンスしかない。」(ヨハン・クライフ)


■グアルディオラは監督になる前から、すでにバルサのシンボル的存在だった。人口6500人あまりの小さな街に生まれ、12歳でバルサのカンテラに入団。そこから、ドリームチームの中心選手になるまで、一歩ずつ階段を上っていった理想的な選手だ。
■グアルディオラは、スポンジのように物事を吸収し、何でも学ぼうとする意欲の固まりだ。
■「グラウンド内外において、チームが忘れていた規律を確立してくれたことが何よりも大きかったと思う。それが、結果的に選手たちの意識改革につながり、試合の結果に表れたからだ。さらに、僕たちには目標を成し遂げる力があるということを何度も繰り返し言い聞かせてくれた」(シャビ)
■トップチームの監督がすべき役割
・目的を達成するために、すべての選手が明確に理解できる戦略を持つこと
・各個人にプロとして不可欠な責任を与えること
・先発メンバーの決定などに透明性を持たせること
・選手にはプロフェッショナルな精神をもって対応すること
・選手がやりがいを感じ、能力を発揮できるような環境を作ること
・結果を出した選手への評価を適切にすること
・監督としてリーダーシップを持ち、自分の考える戦術や選手交代によって、それぞれの選手が能力を最大限発揮できるようにすること
■リーダーの質の5つのレベル
・本人のもっている能力や知識、仕事のやり方で貢献できるリーダー
・組織の目的に向かってチームを大切にできるリーダー
・掲げた目標を達成するために人と物資をしっかり組織できるリーダー
・困難を乗り越え、打ち立てた明確なビジョンに対して完璧に近い要求をするリーダー
・さらに高いレベルで目に見えるすばらしい成果を残し、常に先のことを見据えているリーダー
■「もし、この試合に負けたとしても我々の価値は変わらない。ただ、この試合に勝って優勝すれば、我々の価値は永遠のものになるだろう」
■「私が選手に対して本気で怒るときは、その選手がチーム以上に個人のことを考えている場合だけだ。」

4408453242 グアルディオラのサッカー哲学
フアン・カルロス・クベイロ レオノール・ガジャルド 今井 健策
実業之日本社 2011-01-20

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