ブレーンステアリング 10億ドルのアイデアを生み出す新発想法(ケビン・コイン&ショーン・コイン)

4484121069 「ブレーンステアリング」は、ブレーンストーミングに変わるアイデアの出し方について考察された書籍です。
 献本を頂いたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 ブレーンストーミングという行為自体は、我々はあまり深く理解しないまま使うことが増えている気がしますが、この書籍では単純なブレーンストーミングの実施に警鐘を鳴らし、正しい質問をすることによって効率的に画期的なアイデアを生み出すブレーンステアリングという手法を提示しています。
 単純にブレーンストーミングをやってはみたものの、あまりに使えないアイデアばかり出てきて意味が無かったという経験をしたことがある人には、参考になる点がある本だと思います。
 
【読書メモ】
■ブレーンステアリングの秘密
・正しい質問をすれば、やがて答えといいアイデアが出てくる
・画期的なアイデアをつねに生み出すための正しいプロセスは、一般に今まで教えられてきたものとはかなり違って見える
■ベストアイデアを出すコンテスト
・3~5人のチーム二分ける
・全員の前でアイデアを発表するチャンスを与えられるのは4チームだけ
・コンテストに参加を希望するチームは発表の権利を入札形式で競い合う
・入札額が高かったチームは、徴収箱にその金額を入れることを条件に1分間の発表
・全員の投票でベストアイデアを決め、勝ったチームが全部もらえる


■正しい質問の四つの基準
・今までなかった視点をとるよう迫られる
・探るべき概念空間が限られる
・探る概念空間は限られても、魅力ある可能性が数多く見つかる
・とにかく成果が出る
■成果が出る正しい質問
・顧客が抱える未解決の問題を見つける
・平均と異なる利用者や使い方を見つける
・意外な成功の可能性を探る
・完璧を想像する
・未知の「空き領域」を見つける
■ある種のアイデアを多くの人が見逃す原因になる二通りの傾向
・うまく機能しているプロセスは疑う必要がないと思いこむ傾向
・複雑な世界を標準や平均を使って簡略化しようとする傾向
■ブレーンステアリングの検証
・第一印象
・早期発見
・机上計画
・本格的プランニング
■ブレーンステアリング・ワークショップ
・リーダーは各班に一つずつ質問を与え、その質問をもとに30~45分かけてアイデアを考える。というプロセスを5回~6回繰り返す。
■準備作業
・出てきたアイデアに関する意思決定の基準を把握する
・重要なのは、各班のメンバーを決めるときに、いわゆる「アイデアクラッシャー」を隔離することだ。
■ワークショップの実施
・一回のセッションで出てくる有意義なアイデアはせいぜい二つか三つだということを説明する。
・前置きの最後に「賞品つきゲーム」を
■ワークショップのまとめ
・参加者全員で最終的な選択をさせてはいけない
■ワークショップ実施後
 すぐに何らかの決断を下すこと。そして必ず、その決断を直ちに伝えよう。
■アイデアの発想法を人に教えるための四つのステップ
・成功の基準を見定める
・ブレーンステアリングのプロセスをステップごとに教える
・適切に権限を委譲する
・フィードバックをためらう原因を克服する

4484121069 ブレーンステアリング 10億ドルのアイデアを生み出す新発想法
ケビン・P・コイン ショーン・T・コイン 古賀祥子
阪急コミュニケーションズ 2012-03-29

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