良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方(雨宮美季他)は、これからウェブサービスを始める人たちの必読書になると思います。

4774155942 「良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方」は、タイトル通り、利用規約の作り方について紹介されている書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 何を隠そう、AMNではこの書籍を書かれた雨宮さんに、創業当初から法務面のアドバイスを頂いています。
 実はウェブサービスの利用規約というのは、必須の文章であるにも関わらず、作り方を分かりやすく解説した書籍がありませんでした。
 AMNでも実際にウェブサービスを開発するにあたり、利用規約の作り方に悩み、雨宮さんに相談した経緯があるんですが。
 世の中に法務に詳しい人は多数いるかもしれませんが、ウェブサービスに同時に詳しい人は少ないので、本当に雨宮さんのような方は貴重なんですよね。
 そういう意味でこの書籍は、そんなウェブサービスを新しくリリースしたい人に、アドバイスをし続けてきたプロである雨宮さん達のノウハウが詰まっており、ウェブサービスをこれから始める人たちが知っておくべき基礎知識がぎゅっと詰まった一冊になっていますので、ウェブのスタートアップをこれから始めるという人たちには必読書とも言うべき一冊になるんではないかなぁと思います。
 
【読書メモ】
■最小限のリソースでたいおうするために
・ウェブサービスに関連する可能性が高い規制についてはざっくり把握して
・規制に関連するビジネスを立ち上げる際には、ポイントを絞ってしっかり調査する


■ウェブサービスの7つの累計と関連規制
・情報仲介型
 ・宅地建物取引業法
 ・職業安定法
 ・旅行業法
 ・旅館業法
 ・金融商品取引法
 ・弁護士法
・コミュニケーション型
 ・電気通信事業法
 ・出会い系サイト規制法
・口コミ広告型
 ・景表法
 ・不正競争防止法
・EC型
 ・食品衛生法
 ・酒税法
 ・薬事法
・ゲーム型
 ・刑法(賭博罪・賭博開帳等図利罪)
 ・景品表示法
 ・資金決済法
・クラウドファンディング型
 ・金融商品取引法
 ・出資法
 ・銀行法
 ・資金決済法
・決済手段提供型
 ・出資法
 ・銀行法
 ・資金決済法
■商標権について
・商標権は、特許庁に登録することではじめて発生する
・商標権を侵害するサービス名を使用することは、使用の差し止めや、損害賠償を請求される原因になる
・商標権の侵害を防ぐためには、リリース前に登録済みの商標の調査をするとともに、商標権を取る必要がある。
■プラットフォーマーが定める規約
・変更の頻度が高く、突然大幅に内容が変更されることもある
・違反すると、「一発退場」になる可能性が高い
・恣意的・非合理的な運用をされても抵抗しづらい
■ペナルティの考え方
・情報の削除・利用履歴の巻き戻し
・サービスの利用の一時停止
・サービスの利用の永久停止
■免責と消費者保護
・事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は無効
・事業者に故意や重大な過失がある場合は、事業者の損害賠償責任の一部を免除する条項は無効
■ウェブサービスの広告・マーケティングに関わる主な法律
・公正な競争・表示
 ・景品表示法
 ・不正競争防止法
・権利保護
 ・著作権法
 ・商標法
 ・憲法(プライバシー権・肖像権・パブリシティ権)
・消費者保護
 ・消費者契約法
 ・特定商取引法
・情報化社会への対応
 ・個人情報保護法
 ・特定電子メール法

4774155942 良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方
雨宮 美季 片岡 玄一 橋詰 卓司
技術評論社 2013-03-19

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