ソーシャルメディアの効果測定をどう考えるかは、ソーシャルメディアの位置づけ次第で全く変わってしまうと言う話。

 もうかなり前の話ですが、日経新聞さんのFacebookセミナーで基調講演を参加させて頂きました。(その時に利用した資料はこちらです。)
 このセミナーの後半で、コカコーラの足立さん、竹嶋さんとANAの高柳さんと、日経新聞の小柳さんをモデレータにパネルディスカッションもさせていただいたのですが、その場で非常に印象に残った議論があったので今更ながらメモしておきたいと思います。
 パネルディスカッションでは、企業のソーシャルメディア活用のあり方について議論がされたのですが、個人的に特に印象に残ったのが効果測定の話。
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 コカコーラと言えば、AMNが実施したソーシャルメディア活用企業調査でも1位になったほど積極的に複数のソーシャルメディアを活用していることでも有名ですし、ANAといえば、Facebookページに16万人以上のファンがあつまる日本のFacebookページを代表する成功事例。
 ただ、興味深いのは両社がソーシャルメディア活用の効果測定の仕方については両極端に違うスタンスを取っていたことです。

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書籍「ポスト3.11のマーケティング」に、コラムを提供させて頂きました。

4023309605 ちょっとタイミングが遅くなってしまいましたが、先日出版された書籍「ポスト3.11のマーケティング」に、コラムを提供させて頂きましたのでご紹介です。
 「ポスト3.11のマーケティング」は、タイトル通り、3.11の大震災によってマーケティングがどのように変わる可能性があるのか、という点について、私も参加させて頂いているデジタルコンサルティングパートナーズの面々が考察した書籍です。
 各章は下記のようになっています。
 
 ■脱「自粛」による日本の再構築      岸本 義之
 ■震災後のメディアとマーケティング    横山 隆治
 ■逆境に打ち勝つマーケティングイノベーション 田中 義啓
 ■東日本大震災で明らかになったソーシャルメディアの限界と可能性  徳力 基彦
 ■ネットの言葉は人をむすぶか ツイッターが紡ぐポスト震災のマーケティング  厚川 欣也
 ■Do the Right Thing 商品選択は「正しい」に向かう  平塚 元明
 ■making is connecting 震災後に立ち上がった「メディア」たち  高広 伯彦
 ■変わるマーケティングの換わらぬ使命  山本 直人
 私も、日経ビジネスに書かせて頂いたソーシャルメディアの限界と可能性についてのコラムを書籍用に編集して掲載させて頂きました。
 
 それぞれのパートナーの方が、それぞれの視点から考察をされていますので、何かしらきっかけになる言葉が見つかるのでは無いかと思います。
 なお、この書籍の印税はすべて被災地に寄付させて頂いております。 
 何度もブログでも書いていることですが、今回の震災の犠牲は今からでは取り返すことはできませんが、せめて今回の震災がこれからの新しい日本がはじまるきっかけになったと振り返れるよう、自分も微力ながらやれることを考え、行動していきたいと思います。
【読書メモ】
■今回の震災がもたらした5つの被害
・地震
・津波
・原発事故
・計画停電
・自粛がもたらす経済活動の停滞
■広告自粛現象の原因
・今再開しても売上に全くつながらないという業種・商品における停止判断
・広告内容の一部に、被災者の気持ちに沿わない表現が含まれているので当面見合わせたいというもの
・こんな時期にお前のような会社が広告をすることがけしからんというクレームを受けかねない業種が自粛をしたということ
・強引に割り込んで、一方的にメッセージを叫ぶというスタイルの広告が、一般消費者の反感を買いそうなため

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テレビは生き残れるのか (境 治)

4799310356 「テレビは生き残れるのか」は、広告代理店や映像製作会社ロボットなどを経験されている境治さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、テレビに深く関わってきた境さんならではの視点で、いわゆる「テレビ業界」の課題と可能性について考察されています。
 個人的には広い意味でのテレビ業界が生き残りの瀬戸際に立たされるようなことは当分ないと思っていますが、境さんが書籍の中で指摘されているようにリーマンショックから続くテレビCMを中心としたマス広告費の見直しによる業界規模の縮小や、それによるひずみに狭い意味でのテレビ業界が苦しむことになる、という指摘には納得感があります。
 一方で、ネットやソーシャルメディアとテレビが連携することで、新しいテレビ業界が生まれる可能性も、この本を読んで改めて強く感じます。
 そう言う意味で、この本は、テレビの未来が気になる方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■日本の映像ビジネスは、テレビ広告費でほとんどすべて成り立ってきた
■映像ビジネスがビジネスになりえてない理由
 ・制作と製作の文化が足かせになっている
 ・マーケティング意識の圧倒的な低さ
■あのテレビCMを見たな、と感じる最低限の数字は、最低でも1500GRP
 多くの人がはっきり見たなと感じるときは、2500~3000GRPぐらいはある

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ドロップボックス (コグレマサト・するぷ)

4844330470 「ドロップボックス」は、コグレさんとするぷさんが、ファイル共有サービスのDropboxの使い方について紹介している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 ドロップボックスは非常に便利なサービスですが、意外に話題になりにくいので、まだまだ知らない人が多い印象もあります。
 この本は、ドロップボックスが気になってたけど良くわからなくて使ってないという方には、参考になる点がある本だと思います。 
【読書メモ】
■有料アカウントを解除したらどうなる?
 無料アカウントに戻っても、サーバーのファイルが消えてしまうことも、フォルダのファイルが消えてしまうこともありません。
 そのかわり、新しいファイルを同期できなくなってしまいます。
■Dropboxに保存しておくと便利なファイルたち
・書籍、特にリファレンスや解説書
・プログラムのコードやちょっとしたメモなどテキストファイル全般
・ソフトの設定(設定ファイルや作業用のメモ)

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日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方 (山本敏行)

4797361123 「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」は、ECスタジオ社長の山本さんの書籍です。
 先日イベントをお手伝いした関係で献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、文字通り一般的な日本の大企業で考えると非常識なワークスタイルをとっているECスタジオの働き方が紹介されていますので、普段と違う視点からワークスタイルを考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。 
【読書メモ】
■しないこと14ヶ条
・インターネットを活用できないことはしない
・株式公開しない
・他人資本は入れない
・経営理念に共感して頂ける会社としか取引しない
・経営理念に沿わないビジネスはしない
・特定の組織に所属しない
・社員をクビにしない
・売上目標に固執しない
・サービス向上に妥協しない
・守りに入らない
・高価格なサービスは提供しない
・会社規模を追求しない
・日本にプラスにならない事業はしない
・日本市場だけにこだわらない

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HPウェイ (デービッド・パッカード)

HPウェイ[増補版] 「HPウェイ」は、ヒューレットパッカードの創業者であるデービッド・パッカードがHPの歴史や企業理念について紹介している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 実は私は10年以上前にこの本の原著を読んで、おおいに影響されたことがあります。
 HPというと典型的な外資系企業と思っている方も多いと思いますが、この本を読むと実はHPの企業文化は典型的な株主重視の外資系企業に比べて、どちらかというと従業員や社会を重視する古き良き日本企業に近い印象を受けるはずです。
 
 もはや、古典とでもいうべき本だと思いますが、企業の存在意義を原点に返って考え直したいと言う方には是非お薦めしたい本です。
【読書メモ】
■会社はなぜ存在するのか
 会社はただカネ儲けのために存在すると考えている人が大勢いると思いますが、それはまちがっている。金を稼ぐことは重要な結果ではあるけれど、もっと深いところに、会社の本当の存在意義を見つけなければならない
 
■人が集まり、会社と呼ばれる組織を作るのは、ばらばらではできないことも団結すればできるからです。
 人が集まれば価値のあることができる。つまり、社会貢献ができる。

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