好調、ウェブ広告販売–四半期最高記録を達成 – CNET Japanを読んで。
相変わらずウェブ広告が好調のようで、ドットコム不況から持ち直して、はや連続12カ月黒字成長を続けているそうですね。
なんとも景気の良い話です。
なんでも、検索エンジン関連のものが、売上のほぼ半分を占めるようですから、おそらくはGoogle、Yahooがらみのものが中心になると思われますが、まだまだ、しばらくこの勢いは続きそうですね。
先日、「Googleはネット世界の創造神なのか破壊神なのか」などというタイトルで、Googleが広告費に依存したビジネスモデルで、新しい産業を生み出してはいないのではないかという記事を書きましたが。
実のところ、Googleはインターネットを本来あるべきビジネスモデルに導いているだけかもしれないと言う気もしています。
そもそも、インターネット自体はデジタルを中心としたバーチャルな世界です。
以前、Life is beautifulで「簡単にオリジナルと同じクオリティの複製が作れてしまうデジタルコンテンツの時代に、単なるビットの集まりに対価を払わせるのはどんどん難しくなっている。」という指摘がされていましたが、実に納得。
もちろんデジタルだからこそ、大量の情報やデータが存在し、手軽に検索・利用することができるわけですが、低コストで入手・活用できる分、利用者が感じる価値にも限界があります。
そうであれば、デジタルの世界でデジタルなモノに値段をつけてデジタルの利用者に売りつけるよりも、デジタルの世界でアトム(物質)なモノの販売に協力してアトムの世界からお金をもらった方が合理的です。
なにしろアトムの世界の経済規模に比べれば、インターネットなんてまだまだ小さいわけですから、アトムの世界の広告費だけ回してもらえば十分存在できてしまうわけで。
そういう風に考えると、Microsoftの主力製品も含めたソフトウェア全体が無料化の波に乗っているのも、何となく分かる気がしてきます。
今まではソフトウェアも「パッケージ」という箱に入っていることで、何となく消費者はアトムの価値を感じてしまっていたわけですが。
インターネットにつながってオンラインで提供されるようになると、しょせんデジタルのビットの集まりでしかないことに気がついてしまうわけですね。
で、実際ネットを通じて低コストで提供できるわけだから、無理に利用者からお金を徴収しなくても、無料で提供して広告費で回せば良いじゃないか、というのは実は非常に合理的です。
そんな世界で、無理にインターネット上のデジタルなコンテンツやサービスに価値付けして、利用者に無理矢理お金を払わせようと言うのは、オンラインゲームの仮想アイテムに現金の価値付けをしているようなものなのかもしれません。
(まぁ、オンラインゲームのアイテムでも、レアなものには実際値段がついちゃうんですが)
そう考えてみると、アクセス解析や写真管理など、これまで有料で提供されていたサービスをGoogleが無料で提供してしまうと言うのは、何も産業を破壊しているのではなく、合理的に当然のビジネスモデルにGoogleが導いているだけなのかもしれないと言う気がしてきてしまいます。
そういえばオンラインゲームにも、利用者からはお金を取らずにプロダクトプレースメントで広告を入れてビジネスにしているようなのがあると聞いたことがあります。
なんだか、最近インターネットが、Googleなどの大手企業が運営するオンラインゲームになりつつあるような錯覚を覚えるのは私だけでしょうか。
自社が広告収入で運営するオンラインゲームであれば、効果測定なり、顧客に役立つオプションサービスを、顧客に無料で提供するのも当然ですし、自社の世界のトラフィックの流れを把握するなんてことも当然ですし・・・