夕刊フジBLOG 日本の“小さなグーグル”、「はてな」近藤淳也社長を読んで。
ちょっと前に夕刊フジBLOGにはてなの近藤社長のインタビュー記事が掲載されていました。
そこで気になったのがこのフレーズ。
「たしかに収益は倍々で上がっていますが、それに乗じてむやみに会社を大きくすると、社員を食べさせるための仕事をしなければなりません。それでは焼き畑農業と同じです」
実は、個人的にも最近この辺りの価値観が気になってます。
一般的に、「良い会社」と言った場合、どういう会社を想像するでしょうか?
普通は大抵、「大きい会社」をイメージするはずです。
売上高が大きいのはもちろん、社員が多い会社、長い歴史のある会社、東証一部上場企業なんてのも一つのステータスでしょうか。
でも、これだけ世の中の変化が激しいと、実は売上高や社員数のような規模が「大きい」のは必ずしもプラスに働きません。
社員が多いというのは、当然翌年も、そのまた翌年も、その社員を養うだけの売上を上げなければいけないということであり、業界が急激に変化して収益源が小さくなってしまった場合、規模が重荷になってしまうこともあります。
そういう意味では、近藤さんが言うように、むやみに会社を大きくしないというのは重要な選択肢でしょう。
一般的な社会の評価が、売上高や企業規模にある中、この信念をつらぬくというのは、実はかなり難しいことのように思います。
そんな中、個人的に気になるのは、はてなが約20万人の会員を抱えているという数字の意味。
もちろん、この20万人のほとんどは想像するに無料会員なわけですから、普通に見ればその価値を数字に還元するのは難しいところがあります。
ただ、無料だからこそ、有料サービスの場合に存在する「他社に無料で同じサービスを提供されてしまう」というリスクは少ないわけで、実は足腰が強いコミュニティを築いているということもできる気がします。
考えてみれば、Googleはもちろん、最近話題のmixiやSkypeも利用者からは、ほとんど直接お金を取っていません。
しかし、どのサービスも大量の無料利用者を抱えているという点が共通で、Skypeなんかは売上高が6000万ドル程度なのにも関わらず、26億ドルという値段がついたりしました。
そういう意味では、ネット企業の「良い会社」というのは、利用者の人数で見るのが正しいのでしょうか?
でも、それも何となく違和感がなくもない気がします。
まぁ、企業にランキングをつけること自体にそもそも意味が無いので、結局、サービスを利用するにしても、仕事を見つけるにしても、会社を経営するにしても、自分が良い会社と思う会社を自分で考えて選択するしかないっていうことだとは思うのですが・・・