政治家にとってブログは敵か味方か

 この二日間、運良く民主党と自民党の懇談会に両方参加することができましたので、レポートをしたいと思います。

 政治ネタをめったに書かない私が、こんな機会を得ることになった最初のきっかけは、自民党懇談会の招待のメール。

(スパムメールしか届かない会社の代表メールアドレス宛に届いたので、実は最初はてっきり新手のスパムメールかと真剣に思っていたのですが)自民党の懇談会だけに参加して感想をレポートするのも、微妙だなーと思っていたら、泉さんが民主党懇談会を企画、参加者を募集していたのでこりゃ丁度良いと応募して、運良く当選、両方参加することができました。

 当日の概要については、民主党の懇談会についてはR30さんが速記録をアップしてますし、自民党の懇談会も中川政調会長の一問一答をアップしてみましたから、そちらをご覧頂くとして。
 両方に参加できた個人的な視点での感想を書いてみたいと思います。

 念のため、最初に私の政治に対するスタンスを明確にしておくと。
 特に支援政党はなく、これといった政治信念があるわけではありません。
 ただ、一党による長期政権には問題意識が強いので、まぁそういう意味では民主党支持者。でも、別に今の小泉さんの改革というキーワードが本気なのであれば、小泉さんでも良いやという、典型的な「選挙の前だけ政治を語る一般市民」というところでしょうか。

 そんな私が、今回民主党と自民党の懇談会に続けて参加した理由は「はたして政治家は、ネットと言うものをどう捉えているのか」を知りたいという一点です。

 ちなみに、懇談会に参加する前の私の個人的なスタンスは、現在のネットは政治や選挙にほとんど影響を与えていない。というものです。
 もちろん長期的にこれが変わっていく可能性は十分あると信じていますが、少なくとも前回の選挙においては何と言っても大きく影響したのはテレビのはずです。
 選挙コマーシャル、メディアでの報道割合等、すべての面で小泉総理を中心とした自民党の認知度・露出度は民主党を上回っていましたし、小泉総理の発言の仕方はテレビ向きというのは良く言われる話です。

 そんな中、選挙前にブログ・メルマガ作者を集めて、インターネット利用者に向けてアピールを実施したのも自民党でした。
 この辺りの背景については、R30さんがgooに寄稿した原稿に詳しいわけですが、民主党がこの分野で確実に出遅れたのは明らかです。

 もちろん、前回の選挙においては出遅れたからと言ってそれが選挙の敗因ではないわけですから、政治家の方からすればだからどうしたという話なわけですが、気になるのは「今後どうするのか?」という点でした。

 
 単純にブログ懇談会という意味で会自体を比較した印象を結論から言うと、総合点は五分五分です。

 民主党の出席者はなんといっても前原代表ですから、これ以上望めないわけですし、自民党も新政調会長になったばかりの中川さんとこれまた大物。
 形式については、民主党の懇談会は人数が10名と少人数だったのもあり、比較的双方向の議論のやり取りができたのに対し、自民党側は40名を超えていたようで一般的な一問一答形式に終始しました。ただ、民主党の懇談会は泉さんから提案されたもので、民主党側が準備不足の感は否めませんでしたし、自民党も2回目にしてはまだ手探りという印象でそれほどはっきりとした趣旨は見えませんでした。

 ただ、両党の現時点でのネットに対する取り組みの差は想像以上にはっきりしているようです。

 民主党の懇談会で私がした質問は、「自民党にテレビの主導権を握られているのだから、民主党としてはもっとネットを上手く活用するべきでは無いのですか?」というもの。
(本当は「国民投票法案を中心に議論する」というテーマがあったにも関わらず、急に質問で指名されたのもあり、思わず自分のしたかった質問で会の話題を変えてしまったのですが(汗))

 それに対する民主党の皆さんや参加者の皆さんの反応は、R30さんの議事録に詳しいわけですが、個人的に非常に印象に残っているのは、「民主党はリソースがたりない」と回答されていた話と、前原代表が参加者に「ネットを使うと読者の反応に対する反応をしなければならないから大変ではないか?」と逆質問されていたこと。

 やはりメディア経由での報道になれている政治家からすると、「ネット」という何だか良く分からない世界の反応にイチイチ対応しなければいけないというのは、大変そうなイメージを持っているのかもしれないなぁと改めて感じた瞬間でした。
 個人的には、メディアを通じた情報発信のほうが自分でコントロールできないから大変だと思いますし、ネットを通じた情報発信の方が少なくとも自分の主張を限りなく再現しやすいと思うわけですが。

 
 そこで。
 それを受けて自民党懇談会では、「今回これだけ広報本部を中心としたチームの活躍の勝利だと言われており、(民主党も世耕さんを褒めていたが)勝因はなんだったと思うか」という質問を世耕さんにしてみました。
(ちなみに、事前質問を聞かれていたので、それを聞かなくちゃいけないのかと思っていたのですが、意外に当日自由に聞いて良い空気だったのもあり・・・)

 それで帰ってきたのは意外な言葉。

 「会社の広報担当からしたら、やって当たり前のことをやっただけです」

 もちろん、謙遜もあると思いますが、発言の中で、テレビや新聞の報道を端から端まで読んで対策を検討したり、有権者からの電話やメールの窓口を設けて、できるだけ直接意見を収集し、それを党内に反映しようとしている話(候補者の髪型に対するクレームを、その候補者に伝えたりした話とか)を強調されていたのが印象的でした。
 小泉劇場で大勝できたというイメージは、マスメディアが勝手に作っているもので、実際はそんな簡単な話ではないということのようです。

 
 そんな話を聞きながら、民主党の人が言っていた「リソース不足」というのはどこにあるんだろうというのを、ぼんやり考えていました。
 たしかに電話のクレーム窓口やメール窓口の人間を雇ったり、メディアをウォッチする選任の人が足りないというのは、あるのかもしれません。(実際、世耕さん曰く、民主党は自動応答メッセージを使っているが、自民党は人でやっていると言う話でした)

 
 ただ、話はそう簡単でもなさそうです。
 例えば、あの中川政調会長自信が「毎日自分で原稿を書いてネットで情報発信している」そうで(知りませんでした(汗))、ブログを含めてすらすらとネットの重要性についてアピールしていましたのに対し、前原代表はそれほどネットに詳しそうではありませんでした。

 ガ島通信の藤代さんが問題提起していた弁当問題についても、民主党の出席者はあまり経緯を把握している様子は有りませんでしたが、自民党は世耕議員が流れをウォッチしていたようで、当日自民党側から皆さんどうされますか?と確認を取られていました。
 

 個人的には、自民党の方が既存マスメディアで必ず報道されるのだから、ネットの重要性が低いはずで、ブログ懇談会もポーズだろうと鷹をくくっていたのですが、実は既存マスメディアの報道に依存する問題点とそれに補足するものとしてのネットの意義を一番分かっているのが自民党だったのかと思い知らされたような気がします。
 

 ただ、自民党が比較的参加者からのQ&Aに終始していたのに対し、民主党の懇談会では前原代表が積極的に参加者に質問していたのが印象的でしたから、これもこれから変わるかもしれませんが。 

 なんにしろ、日本で政治におけるネットの重要性がこれから上がってくるのかもしれないと肌で感じた二日間でした。

追伸
 R30さんは民主党で出された親子丼に割り勘と分かる最後まで手をつけず、ガ島通信の藤代さんは自民党で出されたサンドイッチを断って最後まで空腹を我慢していたことを明記しておきます。
(ちなみに、私は両方ちゃんといただき、自腹で払いました。)

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(以上、Grip Blogより)

自民党メルマガ・ブログ懇談会 中川政調会長一問一答

 本日、自民党の「第2回メルマガ/ブログ作者との懇談会」なるものに参加してきたのですが。

 中川新政調会長の登場時間帯は、質問希望者が多くて、質問できなさそうな雰囲気だったので、民主党懇談会のR30さんを真似して速記に専念してみました。

 しかし、素人速記でやっぱりタイピングが追いつかなかった上に、意味が変わってしまっている部分が多々あると思いますが、雰囲気が伝わればと思いそのままアップします。

質問:長く自民党を応援してきた。
 今回の総選挙で大勝したが、女系天皇など2600年の歴史をないがしろにするような形で偏った方向に行くのではないか

中川さん:
 一問一答ではなく、皆さんの意見を聞いてからコメントしたい

(その後、一人の方から先ほどの発言は国粋主義的ではないかという趣旨の発言があり、ちょっと紛糾。それを受けて)

中川さん:
 日本が日本として守るべきものを守っていくのは政治だけではないと思う。
 皆が守るべきものは守っていくべきだが、皆が守れないものは、時代とそぐわないものが合ったり、何か必然性があると思う。
 必ずしも政治が守るのが正しいとは思わない。

 ある程度のリーダーシップのある民主主義が必要なことは私も理解します。
 しかし、その合意があるかどうかは多数の意見がある形でのリーダーシップでなければいけないと思う。
 女系天皇についても世論調査等を見ると、象徴天皇制を守るべきが大半、女系でもいいではないかというのが多数意見、というのが現実。
 欧米でも女王もあるし、いろいろあるし、皇室典範について次の国会で決議すると言うことを小泉総理も言っている。

 もちろん様々な問題がある。
 例えば女王は天皇の直系かもしれないが、その女王に摂政と言うのはできるのか。など、明治時代でもあきらめたぐらい、いろんな議論がある。
 真剣な議論は必要だが、少数意見が通ると言うのも困るわけで、真剣に議論したうえの多数の結論が重要だと考える

Q:老人介護の場合には介護をされる側の親が先になくなるが、障害者の場合には介護をする側が先になくなってしまう
 さきごろできた障害者自立支援法案には、障害者がお金を払って働かせてもらうというようなことがおきてしまう可能性があるなどの問題点があると思うが、考え方を教えて欲しい

中川さん:
 私もその分野は専門家ではありませんが、現在お施設費等を通じて障害者の支援を行っている。働いて所得を得られるような施設を作ったり、小規模作業所等公費を使っており、ある程度の手は打っている。
 税金を考えると給付だけを考えると、いろいろやりたいことは出てくるが、必ず財源を考えないといけない。
 老人介護も障害の一つだと思うし、みんなが受け入れるような仕組みにするために、全部一本にした方が良いのではないかとも考えている
 現実に使っていただいて問題が出てくれば真剣に対応するので、まずは見て欲しい。

根本さん:
 障害者自立支援法案は、ばらばらになっていたものを一本化した。
 今まで負担を取っていなかったのを取ったのが論点になったが、負担能力をきちんとみて上限も設定しているし、これから具体的な点を議論して、負担能力が無い人は減免があるようなかたちで対応できると思っているし、問題があれば対応していきたい。

Q:今回岡山は5つのうち2つが民主党、1つが造反組がとった。
 市長の出馬と世襲が影響したと思っているが、世襲についてどう思っているのか
 また、公募についてはどのようにしていくのか、選別基準はどうしたのか。

中川さん:
 国会対策委員長だったので詳しくは無いが、一つ分かってほしいのは今回の選挙はあたかも小泉マジックのように言われているが、前回の参議院選挙の猛烈な反省の元に、阿部幹事長が副幹事長に降格した後、世耕さんや根本さんなどの中堅の議員を集めて、シンクタンク、広報戦略などのノウハウを蓄積してやってきたから成功した。
 だから1000人を超える候補者を公募で集めることができたし、選挙で勝つことができたと考えている。
 参議院選挙では比例区は民主党の方がはるかに多かったが、今回は自民党が逆転したのは、こういう反省から来る積み重ねがあり、決して劇場だとかそういうことだけではないと考えている。
 世襲というのも、職業の自由があるから禁止はできないが、公募の仕組みを通じて面接や議論を行い透明性の高い候補者選択プロセスは、これからも続けていきたいし、それは大きなコンセンサスになろうとしている。

世耕さん:
 自民党は空白区ができたら公募でやると言う形にしており、中央に委員会を作ってお手盛りにならないようにしている。
 今回は突然の選挙だったので行き届かなかった部分もあるが、26名の公募のうち22名が通ることができた。

根本さん
 公募者はまず論文を書いてもらい、その後面接で選ぶ。
 皆と議論して客観的に選ぶと校正に選べたと言う実感がある。

Q:e-Japanからu-Japanという話があったが、確かにインフラの普及率という意味では高い成果があったと思うが、u-Japanについてはどんな内容になるのか興味深く見ているが、まだインフラの話が多いように思う。
 次のフェーズでは教育の問題が重要だと思っている。例えば子供に対するメディアの教育や教育現場に対するITインフラの支援体制などが足りない。

中川さん:
 まったくおっしゃるとおりで、そこが課題だと思っている。
 分かっている方に恐縮だが、ハード面では世界で最も良いパフォーマンスをする国になった。これは皆さんのおかげで、利用が増えたこともあり、これだけのIT国家になれたと思います。
 他方、クーポン券を配ろうと言う議論まであったが、講習会と言う形になって不十分だったと思う。
 全国の学校にインターネットが入るようにしようと目標を立て、ある程度実現できたと思っている。ただ、たしかにIT教育まで実現できていないというのはあり、それが課題だと思っている。
 例えば光ファイバもダークファイバがたくさんあり、ユビキタスエデュケーションをどうやるかというのも今度の5カ年計画の最大の課題であると考えている。
 (世耕さんに「何か良いアイデアが出てきてますか?」と聞いて世耕さん恐縮)

Q:今日は東証がヒートアップしたので虫の居所が悪い人も多いと思いますが(笑)
 聞いていると今日は田舎の懇話会と同じ。もっと、実りあるものにするべきだと思う
 これだけ人がいれば全員違う質問があるはずで、これでは、くっちゃべって終わりの会になってしまう
 中川先生も誠意を持って聞かれていると思いますが、これではわれわれを集めた意味が無い。例えば自民党の中に掲示板を作って、われわれの意見が汲み上げられるような仕組みにしてもらわないと、これで終わりでは困ってしまう。
 これでは雑談に終わってしまって、自民党のこれから数年後直面していかなければならない問題を乗り切るための力にならないのではないか。
 私は正直言ってがっかりしました。
 消費税や靖国などテーマを持たせてやらないと時間の無駄だと思います。
 自民党に情報が流れるシステム作りをするのであれば、例えばここに集まっているような良心的な人の意見を出せる掲示板を作るなどしなければダメではないか

世耕さん:
 まだわれわれも2回目ですので、手探りと言うのを理解していただきたい。
 これが記者会見なのか要望を募る場なのかを考えていかなければいけないと思っている。
 来て頂いた方のクローズドな場を作ると言うことも一つだと思うし、徐々に歩きながら考えて生きたいと思っている。

Q:猪口大臣が少子化対策をやるようだが遅すぎた感がある。
 例えば、学童保育が一人2万円で3人で6万円。これはパートで消える。教育以外の面で助けてください。
 子供を生むのに会社を辞めざるを得ないので、国家公務員の試験を受けている。今の日本は女性に対して厳しいと思う

中川さん:
 保育所のコストと女性の職業人としての生きる辛さと言う話はいろんなところで聞いている。
 今回少子化担当を官房長官や厚生労働大臣の兼任から、猪口さんに集中しました。
 猪口さんは経験もあるし、女性や母親の立場も分かりますし、どんどんやらせていただきますと言っていたので期待していただきたい。

 負担の話は心を痛めているところがありますが、こういうところをどういう風に支援していくかと言うのは民主党も案を出しているがいろんな案があり、一概に決められない。 控除を上げても所得が無い人には意味が無いし、どれが良いのか選択性にした方が良いのか、一概に黒か白かではなく、一番ニーズのある人に利く形でやれば良いとおもっている。
 施設に補助を出すよりも個人にクーポンを出すような形に思い切って変えたほうが良いのではないかとも真剣に考えなければならない時代になっている。
 そのように党内に呼びかけていきたいと思っている。

 (ここで中川さん退出、立ち上がりながら締めの言葉)

中川さん:
 先ほど言っていたように、これでは全国から集まった会がないというのは良く分かる。もっとネット上で活発にやりたいと思っているが、そこをこちらでどれだけ体制をできるかと言う問題もあり、是非知恵を借りたいと思っています。

 この後、世耕さんを中心にさらに深いQ&Aが行われたわけですが、パソコンもボイスレコーダーもバッテリーが切れてしまったので、そちらは別の方のレポートをどうぞ。

ブログとオンラインゲームと私

「ゲーム熱」はなぜ突然冷めるのかを読んで。

 先週、「よくブログ(なんか)書いているヒマがありますね」なんて記事を書いて一部で物議をかもしてしまいましたが、自分の中では「自分に何故ブログを書く時間があるのか」は精神論以前に答えがあります。

 それがゲームです。

 
 なにしろ、一時期の自分は、オンラインゲームにはまって廃人になりかけていたほど(?)。

 昔から土日は激しくゲームをやっている生活だったのですが、オンラインゲームのはまりぐあいはまた格別。
 そもそもは、英語の勉強と自分を偽って、海外のオンラインゲームを始めたのですが、それが大きな過ち。

 何しろ欧米のゲーマーは、こっちが夜が更けてからピークに入ってくるので、寝るから抜けようとすると引き止められ、なかなか抜けられなくなったりする羽目に。
 夜10時ぐらいに仕事から帰ってきて、そのまま午前3時ぐらいまでオンラインゲームをやり、また朝起きて仕事に行く。
 もちろん、土日は起きている間中、ゲーム漬け。(しかもほとんど昼夜逆転)

 そんな生活を繰り返していたことがあります。

 ちょっと前に、Naoyaさんが「ネットゲーオタに戻りたいときもある」なんて記事で「「このまま続けたらまずい」という直感が働いたから」やめたという話を書いてましたが、この辺のオンラインゲームの「ログインしなさいよと強制力」がはたらく話は実感としてよく分かります。
(自分の場合は、Naoyaさんと違い社会人になっても、しばらくはまってしまっていたわけですが(汗))

 最近、「今からネトゲを始めようとしている人を止めるサイト」なんてものも見つけてしまったのですが、同じような感覚に陥る人は少なくないんですね。

 で、要は先週書いた記事の背景にある「自分が今ブログを書くのにかけている時間」は、実はこのゲームに投資していた時間をスライドしているだけだったりします。

 ぶっちゃけて、そう文字に書いてみると、ブログとオンラインゲームって結構似てたりするんじゃないかと改めて思えてきたり。

 毎日記事を書くことは、延々繰り返していたレベル上げ。
 ブログ上でのコメントやトラックバックを通じたやり取りは、ゲーム内でのチャット。
 アクセス数は経験値みたいなもんで、広告やアフィリエイトはゴールド稼ぎみたいなもん。

 まぁ、こじつけですが。

 でも、ブログを書いている間、オンラインゲームをやっているような楽しいテンションで、自分の思考回路の訓練ができたり、日本中の人々と議論ができたり、新しい人的ネットワークを広げることができたりできているわけですから、こんな良いことは無いなぁと思ってしまうのは私だけでしょうか?

 ということで、正直なまとめを書きますと。
 私がブログを書く時間があるのは、ブログを書くこと自体がゲームみたいな自分の趣味になっているからです。ということで。
 (こんなこと書いてると、またブログは遊び扱いになってしまいますかね・・・)

よくブログ(なんか)書いているヒマがありますね

職場でのネット利用規制、ブログなども監視対象にを読んで。

 米国の金融機関で、ブログの文字が含まれる全てのウェブサイトへの接続を禁止しているところが増えてきているそうです。

 その理由としては、ブログにコメントを書き込むときに、機密データを漏らしてしまう可能性や、社員の生産性の低下を懸念する声があるようです。

 自分のようなネット業界で生きている人間からすると、今自分からブログを取り上げられてしまうと、自分の脳の一部を外されるような状態に陥るかもと思ってしまったり。

 少なくとも、新規ビジネスを考える上でも、社外の人とコミュニケーションを取る上でも、相当困る状況になるのではないかと思ったりしますが、やはり一般的な「ブログ」という単語から受けるイメージは、もっと違うもののようです。

 実際、日経BPには「ブログで会社をクビにされないための注意点は?」なんて記事もありましたが、その中でのブログの定義の書き出しがこんな感じ。

2005年は、電車男に始まり、「実録鬼嫁日記」、最近は、「生協の白石さん」、「がんばれ、生協の白石さん!」と日常生活にブログが浸透し始めている。

 
 電車男はブログじゃないだろー、という突っ込みどころに加えて、一般のブログの代表が、鬼嫁日記と、生協の白石さん2連打。(さらになぜかリンクがコメント欄へのリンク)
 いわゆるビジネス系ブロガーからすると、がっくり来るメンツですが、一般の人のブログの認識なんて実際こんな感じかもしれません。

 そういう意味では、「企業にとってブログは有害なものである」、とレッテルを貼られるケースと言うのは、日本の企業でも結構これから増えてくるのではなかろうか、というのを、相当個人的には懸念していたりします。

 そういえば、最近、久しぶりに会った友人や知り合いに「よくあれだけブログ書いてる時間があるよね」と言われることがあります。
 もちろん、敬意をこめて言われることもあるのですが、何となく「よくあれだけブログ(なんか)書いている時間(ヒマ)があるよねぇ(忙しくないの?)」と聞こえてしまう時もあります。

 自分としては、ブログを書くのは、必ず自宅で行うようにしていますし、別に会社の目を盗んでやっているわけでも何でもないので、後ろめたいところなど無いわけですが、やっぱり一般的には、ビジネス系のブログを書くという行為も、暇人の時間つぶしと取られてしまうのが普通かもしれないなーと思ってしまいます。

 個人的には、ブログを書くようになって、自分の思考は整理できるようになったし、間違いは教えてもらえるようになったし、人的ネットワークは広がったし、視野や知識範囲も相当広がって、新しい経験をいろいろさせてもらってるし、いいことづくめなわけですが。

 この辺の感覚は、実際にブログを書き続けていて、そのメリットを体感している人と、書いたことがない人の間で大きな溝があるのを実感しますね。
(SNSを使ったことのある人と無い人の間の溝と、同じような話かもしれませんが)

 はたして、今後「ブログを書いている人」というのは日本の中でどういう位置づけになるのか。
 そもそも、自分がこれだけブログを書いていて、会社からダメ人間扱いされないか。

 心配で夜も眠れない今日この頃です。

 (とか言っていても書くのを辞める気は全く無いわけですが)

Amazonのロングテールの尻尾は思ったより長くないらしい

MS、書籍デジタル化プロジェクトに参加–ヤフー主導の団体でグーグルに対抗 – CNET Japanを読んで。

 先日、Googleが推進していた書籍デジタル化プロジェクトが、米国出版社協会から提訴されたなんてニュースもありましたが、今度は対抗するYahooのグループにMicrosoftが参加するということのようです。

 個人的にはAmazonがあれば書籍の入手については全く困ることが無いので、この手の書籍デジタル化の意義がイマイチ良く分かっていないのですが、最近Amazonとネットのギャップを感じる出来事に遭遇しました。

 それが「ネットは新聞を殺すのか」の湯川さん、「ガ島通信」の藤代さん、「ニュースの現場で考えること」の高田さんが共同で執筆した「ブログ・ジャーナリズム」という書籍。
 この書籍、既存メディア出身者がブログとジャーナリズムについて幅広く議論していると言う意味で、他にはない意義深い書籍だと思います。

 個人的にも、第二部のR30さんや高広さんとの対談に素人ブロガー代表として掲載していただいたのもあり、非常に楽しみにしていたのですが、Amazonで検索しても出てこないなーと思っていたら、何でも出版社が大手ではないためにAmazonでは取り扱ってもらえないのだとか。
 ブログの書籍がネット出版社に取り扱ってもらえないと言うのは非常に厳しい話ですよね。
(現在購入は野良舎のブログで受け付けているようです

 Amazonと言えば、これまでの店舗在庫に依存する書店と比べ、はるかに多様な書籍が販売されていることから、よくロングテールの分かりやすい事例として利用されているわけですが。
 結局、ビジネスモデルとしては、在庫管理という実態が伴ってしまうために、必ずしも全ての書籍を取り扱うわけではないんだな、と改めて感じる出来事でした。
(実際、梅田さんのブログでも、8月にAmazonとGoogleのロングテールの違いについて考察されています。)

 そう考えてみると、Amazonでも出版社レベルで絶版になってしまった書籍は当然入手できませんし、Amazonで表示されないから我々が気づいていないだけで、実はAmazonが取り扱っていない隠れた良書や良い情報源になる書籍と言うのは世の中に存在するのかもしれません。

 そう思うと、GoogleやYahooの書籍デジタル化プロジェクトも、なるほどやる価値はあるかもしれないと思えてきます。

 そういえば、先日、エンジニア向けの技術書の企画が、出版社の企画会議を通らないので、自費出版のような形でオンデマンド販売をするのを検討していると言う話を聞きました。
 そもそも、今販売されている書籍と言うのは「ある程度まとまって売れる可能性がある」と出版社が判断した書籍しかないわけで、企画段階で断念しているニッチなテーマの書籍と言うのは、きっと山ほどあるわけですよね。

 そういうものも書籍デジタル化プロジェクトの過程で、検索経由で日の目をあたるようなことになれば、ニッチなテーマの書籍の市場と言うのが、今のAmazonのロングテールどころではないぐらい細く長ーい形で出現してくるのかもしれないですね。

ヤフーとMSNのIM連携は電話料ビジネスの終わりを加速する?

ヤフーとマイクロソフト、IMの相互乗り入れ計画を発表 – CNET Japanを読んで。

 今振り返っても、先週は実に話題の多い週でしたね。

 日本のメディアは楽天・TBS問題一色でしたが、通信事業の分野でもKDDIとパワードコムの合併が発表されたり、ソフトバンクBBがADSL事業分離を発表するなどもりだくさん。自分のブログの速度ではとても追いつきません。

 中でも個人的にインパクトがあったのが、上記のヤフーとマイクロソフトのIMの相互乗り入れの話題です。

 何と言っても、ヤフーとマイクロソフトの提供するメッセンジャーサービスは、米国の利用者こそAOLメッセンジャーに次ぐ2番手、3番手のサービスですが、利用者数は既に二つあわせれば5000万近く。
 さらにグローバルで見れば、MSNとYahooが1位と2位。合わせれば3億近くの登録者数があり、当然日本においてもMSNとYahooメッセンジャーでかなりのシェアがあることが想像されます。

 おまけに、もし、ここ最近噂されているAOLの買収合戦に、マイクロソフトが勝つようなことになると、間違いなくこの相互乗り入れにAOLメッセンジャーが入ることになるわけです。

 
 この相互乗り入れのインパクトが示すことはCNETで森さんが分かりやすくまとめていますから、是非そちらを見ていただければと思いますが、やはり気になるのは何故「自らの事業領域の数少ない課金可能なサービスの機会をも破壊させてしまうというポイズンピル的な選択」をこの段階で取ってきたのかという点でしょう。

 利幅の少ない相互接続料に過ぎないとはいえ、音声通話というのは、利用者が従量課金を許容するネット上では残り少ない収益機会。

 今回の相互乗り入れが、躍進するSkypeに対してのものなのか、不気味に準備を進めるGoogle Talkに対してのものなのか、どちらを意識した防衛策なのか分かりませんが、防衛のためだけなのであれば相当念を入れた防衛策といえるでしょう。

 ここで、気になるのはこの手のソフトフォンの集合体が、果たして既存の電話サービスにどれぐらい影響を与えるのかと言う点です。

 電子メールが普及したときに、郵便を中心に同じような議論がありましたが、今のところ郵便はそれほど強烈な影響を受けていません。
 そういう意味では、既存の電話サービスについても同じような見方をすることもできるかもしれません。

 ただ、個人的に気になるのは音声データは郵便と違ってデジタル化に非常に向いているという点。
 


 Web2.0に関して非常にまとまった記事をCNETで江島さんが書かれています
が、その中でアメリカの高校生にとって「もうCDプレイヤーなんて家電製品カテゴリは絶滅したも同然なんだね?」というくだりがあります。

 音楽も音声と同様デジタル化が非常に向いている分野ですから、既に彼らにとっては音楽はCDのような物質を購入するものではなく、デジタルで入手するのが当然になっているようです。(しかも無料でというおまけつきですが)

 そう考えると電話のような音声コミュニケーションも、音楽におけるiPodのような端末のブレークスルーさえあれば、インターネットを通じてソフトフォンのようなもので無料で利用するのが当然になるというのは、案外近い未来かもしれないと思えてきます。
 

 ちなみに、同じ記事で、IPフォンSkypeについて高校生が興味がなさそうな反応をするくだりも出てきますが、これも「米国のケータイは無料通話が500分ぐらいあるので、すでに電話というものは事実上定額で使い放題」という現実があるからだそうです。
 (日本におけるSkypeの動向については、横田さんによる分かりやすい連載がHotwiredで始まっています
 
 そういう意味では、結局電話サービスが従量課金で儲かるものという前提は、既にそこら中で破綻し始めているということなのかもしれません。

 結局、電話のような音声コミュニケーションも、森さんがいうような「ユーザーが大量に存在するもののカネを取れないという、ある意味で「困ったちゃん」的な存在」として、「最終的には検索のようなメタサービスのプラットフォームとしてビジネス的には機能するしかないのだろうか?」というのが落としどころということになってしまうような気がしてきます・・・

 いや、この分野は本当に分からなくなってきました。