ヤフー、AOL争奪戦に参戦か?グーグルやマイクロソフトからの奪取を狙う – CNET Japanを読んで。
先月からMicrosoftとGoogleが水面下でAOL争奪戦を繰り広げているなんて言う噂が流れてますが、Yahooも見ていられなくなって参戦するようですね。
AOLといえば、インターネットの一時代をリードし、タイムワーナーと合併して大いに物議をかもしたのがつい5年前の出来事なんですが、完全に今は昔ですね。
いまやAOLは合併後の社名からも外されてしまい、元会長のスティーブ・ケースが合併「失敗」についてのインタビューで語るほどになってしまいました。
(最近の楽天・TBS合併話を見ていると、ついこの話を思い出してしまうのは私だけでしょうか。)
ちなみに、AOLにとって何とも寂しい限りなのは、今回の買収合戦が完全に広告収入防衛戦になっている点。
何でも現在AOL経由でGoogleが得ている広告収入が3億8000万ドルだとかで、shintaroさんに教えてもらったところによると、これはGoogleの現在の売上の15%近くを占めているそうです。
大きいですよね。
マイクロソフトはGoogleの収入源を断つために、ここは是非とも奪いたいところでしょうし、Googleは当然奪われるわけには行かず、Yahooが今回買収合戦に参入した理由も、「2社が目を付けたのを見て、『ライバルに取られるのは絶対嫌だ』と考えた以外に、参戦の明確な理由は見あたらない」だとか。
何とも消極的な理由ですが、結局ゲーム理論的にはこういうものかもしれませんね。
ちなみに、今回のAOLの買収話には、AOL自体がある程度ビジネスモデルの転換に成功したから魅力がでたという面もあるようです。
AOLといえばダイヤルアップ時代には一世を風靡したものの、ブロードバンド展開に失敗して、すっかり存在感が薄くなっていたのですが、最近はインターネットへのオープン路線に転向して広告収益を中心としたビジネスモデルになれたとか。
ただそれも「Time Warnerがサイトに対する支配権を得た時から、サイトを手放したがっていたのは周知の事実だ」そうですから、売却を前提でビジネスモデルの転換を図っていたようで、完全にお荷物扱いですね。
AOLからすると、引く手あまたのように見えて、何ともさびしい買収合戦のようにも思えます。
それにしても、米国では、Web2.0カンファレンスが結構注目を浴びて盛り上がっていたものの、結局トップレベルの企業の勝負を決めるのは「積み上げることができる札束の分厚さ」というのも実に悲しい感じがしますが。
FlickrとかWeb2.0の代表企業も、結局Yahooとかに買収されていってしまいますし・・・これが現実というところなんでしょうか。
(このあたりはkwmrさんの「2つのシナリオ」が気になって仕方がない今日この頃ですが・・・)