ブログは実名で書くべきか、匿名で書くべきか

[☆] ネットで公私を分ける需要を読んで。

 naoyaさんのはてなダイアリー経由で気がついたのですが、StarChartLogさんに、先日書いたブログ論にこんなコメントを頂いてしまいました。

そういう状況下で、まだブログをはじめてない皆さん、特に大企業の中の皆さん、是非ブログを始めてみてください。と言われてもね。「実は大企業の中の人だけど趣味でネット人格作ってブログやってます。会社の人などのリアル知り合いには教えてません」と言う人は多そうです。

 すいません。
 実は、その点については私も賛成です。

 書き方が悪かったんですが、大企業の中の方にブログを書いてくださいといっているのは、別に実名で書けと言っているわけではなく。
 当然、匿名ブログで始めるしかないだろうなぁと思ってます。
 (実際、自分がまだ最初の会社に勤めていたら、間違いなくブログに名前なんて出してないでしょうし)

 実名でブログを書いている自分が言うのも変な話ですが、正直なところ実名でブログを書いたところで、匿名ブログとメリットはそれほど変わらないような気がしています。

 たとえば、ブログを書くことによって得られるものを思いつくまま並べてみると、こんな感じでしょうか。

1・日々書くことで文章力が上達する(かもしれない)
2・書くことによって自分の思考を整理できる(かもしれない)
3・他のブロガーとディスカッションできる(かもしれない)
4・広告とかで若干のお金儲けができる(かもしれない)
5・他のブロガーと実際に会うことができる(かもしれない)
6・メディアでの執筆や本の出版のチャンスがもらえる(かもしれない)
7・本業に役立てることができる(かもしれない)

 前半の1~3は、どちらかというと自己啓発に近い位置づけなので、人によって差はあれど大抵の人は実現できるメリットでしょう。
 この部分は、実名ブログであろうが匿名ブログであろうが得られるメリットにほとんど差はありません。

 4のお金のあたりから、徐々にかなり努力しないと実現できないものになってはきます。
 ただ、これは別に実名ブログにしたって同じことで、匿名ブログでもがんばれば十分に実現可能。
 
 たとえば、匿名ブログでも他のブロガーと実際に交流するにはそれほど苦労しません
 イベントなんかで他のブロガーとであったとしても、ブログを通じてそれまでに交流があれば、実際に出会ったときには相手に自分の名前とブログを教えれば話が通じます。
 まったくの初対面よりはよっぽど話が早いというものです。
 
 執筆や出版にしても、実際にはブログが有名になれば出版会社から問い合わせが来るようです。(まぁ、そもそもビジネス系のブログなんて本にするのが難しいですが)
 まぁ、唯一「本業に役立つ」というのが、匿名ブログだとちょっと難しいかなぁと言う感じでしょうか。

 実際問題、今、思い立ってブログをはじめたところで、リストの後半のほうの「お金」とか「出版」を目指すには相当の努力をしないと難しいでしょうから、自己啓発の延長ぐらいの感覚でブログをやるのであれば、匿名ブログでまったく問題ないと思ったりするわけです。

 naoyaさんが書いているように「実名がどうとかいうことは本質じゃない、たとえ実名だったとしても名前はただのラベルでしかない。」というのが、非常に良い表現だと思います。
 実名を出していようがいなかろうが、面白いブログ、役に立つブログというのには自然と人が集まります。

 実際、R30さん、極東ブログのfinalventさんをはじめ、多くの有名ブロガーが匿名でブログをつづられていますし、ガ島通信の藤代さんにみられるように開設当初は匿名ブログで、その後実名ブログに、というパターンもありますよね。

 ですので、ヒンシュク覚悟で、あえてもう一度。

 まだブログをはじめてない皆さん、特に大企業の中の皆さん、是非ブログを始めてみてください。匿名で構いませんから。

 とはいえ、masahikoさんのデータによると、そもそもブログを続けると言うのは相当難しいというのが実情のようですが・・・

いまさらながら、自分なりにブログ論を振り返ってみる

My Life Between Silicon Valley and Japan – Blog論2005年バージョン(7・これで完結)を読んで。

 GW前にちょっとした盛り上がりを見せたブログ論ですが、火付け役の梅田さんのBlog論2005年が7回の連載を経て完結したのもあり、もう主なブロガーの間での議論は終了し、先に進まれてしまったようですね。

 私がGW前に書いたブログブームの記事についても、いろんな人からいろんな反応をもらいました。
(ブログタイプは、ココリコミラクルと同じスタッフが作っているという話も教えてもらえたり)

 やっぱり、ブログを書いている人間にとって、ブログ論というのはある種の人生哲学のようなものなんでしょうね。
 自分は何のためにブログを書いているのか、ブログを書くことにどういう意味があるのか、定期的に確認したくなる。そんな感じをうけてしまいます。

 GW中にいろいろあってブログが書けず、すっかりタイミングを逸してしまった間がありますが、自分のまとめをメモするためにも、いまさらながらに自分なりのブログ論を振り返ってみたいと思います。

 日本のブログの現状に対する感覚は、デジモノに埋もれる日々でまとめられている記事が個人的にもしっくりきます。
 やはり読み物としては「面白い情報が最強」というのは、痛感してます。
 
 自分自身も、面白ブログを読むのは好きだし、それらがランキングでトップを占めるのは当たり前。
 ブログタイプが番組としてどうかは別として、ブログタイプに影響されてブログを始める人が増えることも、実は良い事だと思ってます。
(実はうちの嫁さんもブログタイプを見てから、ようやくブログを書いてくれるようになりましたし(笑))
 
 実際、アカデメディア(当日の詳細はLacrimeさんのログ参照)で講演された水野さんだとか、さきっちょ・はあちゅうコンビのように、個人情報発信の成功事例が出ていることは非常に良いことだと思ってますし、俺のターンでほのめかされているように、たぶんもっとそういう成功事例は隠れているはず。

 ただ、正直な話、自分はそういう面白い文章を書く能力がないですし、自分がITベンチャーにいることもあり、やっぱり自分の仕事に対するヒントになってくれるビジネス系のブログに興味があるんですよね。
 そういう意味では、デジモノさんの例えで行くなら、極上のチャーハンも好きだけど、極上のラーメンも食べてみたいという感じでしょうか。

 まぁ、ブログといっても、所詮簡単ウェブサイト作成ツールなわけで、面白いブログを書こうがビジネス系のブログを書こうが自由。
 自然と面白いブログが主流になるのは当然の流れといえるでしょうね。 

 そういう意味では、「ブログは米国で濃い議論に使われてるから日本でも使ってくれ」というのは、そもそも無理というのは何となく分かってはいるんですが、どうしても個人的にはそういうビジネス系のブログに増えてきてほしいんですよね。

 そのあたりの矛盾については、McDMasrerさんwebdogさんにかなり厳しく突っ込まれてしまってますが。

 それでも、やっぱり個人的にブログに期待するものは、こういう濃い人と手軽にネットで議論できる点だったりします。

 自分の言葉でうまく表現できないのですが、感覚として印象に残っているのがITmediaの田口さんのインタビュー記事の「究極のインターネットは、みんながちょっとずつ頭がよくなる世界」という言葉。

 実際に自分がブログを続けるエネルギーになっているのが、ビジネス系のブログを書いている人たちとインタラクションを取れる点にあります。
 それこそインターネット前であれば、濃い人たちと議論するには、そういう勉強会に参加しに行くとか会いに行くしかなかったものが、今ならこうしてテキストベースでだれかれ遠慮なくディスカッションを仕掛けられるわけです。

 一人で沈思黙考して思いつく未来なんて、自分レベルでは所詮しれているんですが。
 それがこうやって大勢の人と一緒に議論しながら考えられるってのは、まさに脳のシナプスがプツプツとつながる錯覚を味わえるわけです。
 今回のブログ論をめぐる議論なんて、まさにそれですよね。

 そういう意味では、自分にとってのブログは、パーソナルメディアというよりはあくまでコミュニケーションのツール。

 コミュニケーションの相手が増えてほしいという思いがどうしても強いので、McDMasterさんがいうような「閉鎖的な日本の企業組織社会で発言を制限されてきたプロフェッショナルたちが blog というツールの良さに気付くまでにはさらなる時間が必要だと思う」というのは大企業出身者として痛感していながらも、やっぱり期待してしまったりするんですよね。

 実際、finalventさんが書かれていたように、専門家にとってはネットに降りてくるメリットが薄いというのは事実ですし。
 ただ、個人的にブログに出てきてほしいのは、リアルで専門化扱いされているほどレベルの高い人でなくても良くて、大企業の若手で自分と同じぐらいの意識で議論してくれる相手が増えてくれれば、それで良かったりします。

  
 なので、難しいのを承知であえてまた書きます。
 まだブログをはじめてない皆さん、特に大企業の中の皆さん、是非ブログを始めてみてください。
(って、自分のブログに書いた程度じゃ、そういう人は読んでくれてないか・・・)

ブログタイプに見る日本のブログブームと言うもの

My Life Between Silicon Valley and Japan – Blog論2005年バージョン(2)を読んで。

 梅田さんのブログでBlog論2005年が展開されて各所で話題を呼んでいますね。
 昨日参加したアカデメディアでも、田口さんが梅田さんの記事を引用して、日本のビジネス系ブログの不足を嘆いていましたし、R30さんなんかは「ブログブームの終わり」と題した記事を書かれています。

 アカデメディアで田口さんが引用していて、私個人も特に共感した部分がここ。

確かに堀江さんや藤田さんをはじめとして、日本のネット系ベンチャーの社長がBlogを開設するようにはなったが、ライフスタイルの開示やベンチャー起業・精神論みたいな「面白さの追及」に終始して、中身のある話は少ない。大組織に属する超一流の技術者や経営者が本気でBlogを書くということも、どうも日本では起こりそうもない。磯崎さんのBlogのような質の高いものが、ありとあらゆる分野で、これでもかこれでもかと溢れるようになればいいのだが、そういう方向を目指すBlogは相変わらずほんのわずか。日本のBlogは、そちらに向かっては進化していないように思える。残念ながら今のところ、僕の期待は裏切られたのだな、というのが正直な感想なのである。

 実は、昨年末に私個人が漠然と感じていた不安とか不満のようなものがこの文章と重なります。

 個人的なブログの意義と言うのは、梅田さんがいうところの恐ろしいほどの「知的生産性向上」でしたが、年末辺りにブログ自体の数はうなぎのぼりに増えていくのだけれど、実はビジネスに役立つブログの数があまり増えていないように感じられる状態が続き。
 一無名ブロガーにも関わらず、アルファブロガー投票企画などという恐れ多い企画をしてたのは、そういうビジネス系ブログが注目されたり、そういうブログを目指す人が増えるのに少しでも貢献できればと、思ったのが経緯だったりします。

 
 ただ、最近になって「これはもう勝負あったな」と思う象徴的なものとなったのがフジテレビで放送されている「ブログタイプ」。
 ブログタイプをご覧になった方は感じていると思いますが、あの番組で取り上げているブログはもちろん「面白い日記」。
 うちの嫁さんも「ココリコミラクルみたい」と評してましたが、まさにそんな感じ。

 もちろん、ブログを読者投稿の代わりに使って、そのネタをもとにテレビ番組を作ると言う取り組みは興味深いですし、別に批判するものではないのですが。
 とりあえず、日本におけるブログと言う言葉が、普通の人にとっては「面白い日記」として定義されてしまったことを感じてしまうのです。

 もう、こうなってしまうと、しばらくは大企業の社員が実名で「ブログ」を書きやすい状況になるということはないでしょう。

 実名で情報発信していたときに、もしその人の企業名が補足されてしまうと、上司に理解があればというレベルでは多分済まず。
 広報部だとか役員レベルがブログのメリットを理解していないと、誰かが「あいつはネットで日記なんか書いてけしからん」とかなってしまいそうです。

 未来のいつかの吉岡さんと、梅田さんが掛け合いをしているように、日本における守秘義務の定義は限りなくグレー。
 日本の「仕事」の定義は、その会社における人格が、私生活の人格ともオーバーラップしているようなところもありますから、この守秘義務のグレーな定義が、自動的にネットでの情報発信に対する後ろめたさにつながっている印象もあります。
(座談会で梅田さんと議論したときには、「日本人は仕事や飲み会で忙しすぎてブログなんか書いているヒマないでしょ」と言われたのも印象的でしたが)

 まぁ、だからと言って個人が情報発信することの価値は明らか。
 大企業の中の人が躊躇している間にも、梅田さんが言うところの「新しい日本」の中から、濃いブログを書く人もどんどん増えてくるんだとは思います。

 ただ、個人的には大企業に属していた人間なので、大企業の人にも是非個人情報発信の価値を分かってほしいなぁ、などと思ってしまうわけですが、果たしてこの流れを支援するにはどうすれば良いのでしょうか?
 やっぱり難しいのかな・・・

ライブドアはパワードコムと携帯電話参入の夢を見れるか?

ライブドア、無線LAN公衆インターネット接続サービスを7月から開始 – CNET Japanを読んで。

 ライブドアが夏から公衆無線LANサービスを開始するようですね。

 もともと、公衆無線LANサービスに進出して、外出先でもスカイプを利用できるようにするというビジョン自体は、昨年スカイプと提携したときに堀江社長が披露していました
 そういう意味では今回のサービス発表は既定路線のはずなんですが、さすがにニッポン放送買収がらみのあとだけに何だかいろんなことを考えてしまいますね。

 特に、CNETの記事では触れられていないのが気になるのですが、注目したいのがR30::マーケティング社会時評で紹介されている日経の「パワードコムと連携」という部分。

 R30さんも指摘されているように公衆無線LANサービスにおいての肝はなんと言ってもアンテナの設置場所の確保。
 パワードコムがライブドアと提携するのが本当なのであれば、確かにこれは注目です。

 ちなみに、パワードコムは法人向けではかなり重要な地位を占めつつある通信事業者ですが、コンシューマーにはほとんど知名度がありません。
 実際、その知名度の無さは、自社のテレビコマーシャルで「日本最大級の光ファイバケーブル25万km」「顧客満足度第1位」「広域イーサネット利用率3年連続No.1」とアピールした後に「でもなぜか認知率たった49.6%」と自虐的な広告を打っていたぐらい。
 
 逆にライブドアの方は、今やお茶の間の主婦から大学生やお年寄りまで認知度はありあまって売れるほど。たしかに、いい組み合わせには思えます。

 
 ただ、日本でこれまで数多くの事業者が公衆無線LANサービスの夢に挑んで敗れ去っているのもこれまた事実。
 鳴り物入りでサービスを開始したMISが撤退したのを筆頭に、打ち上げ花火だけに終わった鷹山や、実証実験の延長程度に終わっている各通信事業者のサービスなど、公衆無線LANサービス単独での立ち上げの難しさは明らか。

 個人的には、結局日本のモバイルコンピューティングのニーズはウィルコム一社でカバーできる程度だと言うのが現状のように感じているので、いくらパワードコムのインフラを使っても難しい挑戦のように感じてしまいます。

 もちろん、堀江社長が以前スカイプとの提携会見で言っていたように、公衆無線LANサービスをベースとした携帯電話サービスを展開するということであれば話は少し異なります。

 丁度@nifty モバイルフォーラムでは、「Skype携帯電話がいよいよ年末までに登場」という記事が掲載されており、堀江社長の社長日記のコメントも掲載されています。
 実際にここまで端末の話も進んでいるのであれば、それに呼応してインフラ展開を進めると言うのもうなずける話ではあります。

 ただ、日本という市場を考えると、携帯電話やPHSとの競争はかなり厳しいのではという印象もあります。

 確かにそこら中に公衆無線LANのアンテナがあって、Skype携帯で無料で電話ができたら便利だな、とは思うわけですが。
 料金が安い携帯電話であったはずのPHSが、それほど普及しなかった日本の携帯電話市場の特性を考えると、はたしてサービス提供範囲が相当限定されるだろう初期の段階で、ライブドアの公衆無線LANサービスが利用者を増やしていけるのでしょうか。
 どうもよく分かりません。
 

 ちなみに、一利用者としては、公衆無線LANサービスのアンテナが家の近所に立ってくれれば、家のADSLを解約して公衆無線LANサービスだけに依存するというのが実は理想のような気もしてしまいますが・・・

トップブロガーになるには覚悟も必要?

デジモノに埋もれる日々: トップブロガーの規模を、推定のPageViewで比較してみるを読んで。

 「デジモノに埋もれる日々」に、トップブロガーのPVの想定一覧が掲載されて各所で話題を呼んでいますね。

 もともとはAlexaで想定された一覧表を掲載されていたのですが、各方面から情報が次々に寄せられ更に濃い一覧表が作成されつつあります。
 これまでもFeedMeterなどのサービスを使えば、トップブロガーの人気ランキング的なものは大まかに想定することができましたが、こうやって具体的なページビューが並ぶと改めてトップブロガーの凄さを思い知ります。

 ライブドア社長日記の一日26.5万PVは最近の騒ぎが影響しているとしても、アキバBlog、切込隊長ブログと、完全に個人ウェブサイトという枠組みを超えたそうそうたるブログが並びます。
 この数字を見て、羨ましく思うビジネスサイトの運営者の方も多いことでしょう。
 
 
 個人的に気になったのは、この記事を受けて梅田さんが「ブログのPage Viewについて」という記事でされているコメント。

 1日10,000PVを超えるようになると雑音が多くなってくるような気もしないではない。
 (中略)
 そんなこんなを色々と考えあわせると、500-3,000PV/日あたりが、Blogを書いていて、けっこう楽しいいいゾーンなんじゃないかな、と思ったりする。そのくらいだと、読みたいと意図して訪ねてくれる人がほとんどで、それ以上になると、背景を知らずに何かの拍子に飛び込んでくる感じの人が増えてくる。

 そう言われると思い当たる節があるのが、トップブロガーの人々のコメント欄の取り扱い。

 一般的にいうと、自分が書いた文章に対して誰かがコメントをつけてくれるのは嬉しいもののはずです。
 双方向のやり取りができるのがブログの一つの魅力でもあるはずで、トラックバックとあわせて、コメント欄はブログらしい要素と言えるでしょう。
 
 ただ、梅田さんが書いているような1日1万PVを超えるようなブログになってくると、コメント欄の対応に悩みが見られる場合も多くくなるようです。

 最近では3月にR30::マーケティング社会時評で、コメント欄についての議論がありましたし、ガ島通信さんではブログの運営方針を明示するなどコメント欄の対応には苦慮されているようです。
 それが、切込隊長ブログほどになると、完全にコメント欄が一つの掲示板として機能するようになっている例もありますが、逆にコメント欄を閉じたり、制限しているブログも多くあります。

  梅田さんが書かれているように数千PV程度であれば、あくまでそのブログの「愛読者」がメインの状態で、小さな蛸壺コミュニティとして機能している状態なのでしょう。
 それが1万PVを超えてくると、他の蛸壺からも多くの人が流れ込んでくるようになり、コミュニティの性質も変わってくるということになるようです。
 トップブロガーになるには、それなりの覚悟が必要ということになるのでしょうか。

 ちなみに、先日座談会企画で百式の田口さんとネタフルのコグレさんとPVの話になりましたが、コグレさんがアクセス解析などを比較的しっかり行っているのに対し、田口さんがアクセス解析はあまり興味ないと発言していたのが印象的でした。
 コグレさんが「個人ニュースサイト」としてネタフルを運営しているのに対し、田口さんの百式は「自己研鑽の場」という感じで位置付けているという印象を受けましたから、やはり、サイトの目的によって何を目指すのかと言うことをしっかり定義することが重要だということなのでしょうね。

 まぁ、無名ブログを運営している立場からすると、PVが増えて悩みが増えると言うのも、正直羨ましい話だったりするんですけど・・・

WiMAXはモバイルのADSLになるか、WiFiの二の舞か

WiMAXを使った鷹山の新通信サービスの勝算(前編) – CNET Japanを読んで。

 WiMAXの詳細にわたる記事が前編、後編と分かれてCNETに掲載されています。

 業界関係者以外には、ほとんど話題にならないWiMAXですが、個人的にはどうしてもADSLの登場初期と、印象がかぶって仕方がありません。

 ADSLが東京めたりっくによって提供され始めた当時、既存通信事業者の反応は冷ややかなものでした。
 「数年待てばFTTHになるから、すぐに意味なくなるのに」という感じで。

 それがその後ADSLは、Yahoo!BBの登場もあって急速に普及し、NTTグループもたまらずフレッツADSLを提供したりFTTHを値下げする羽目になったのは記憶に新しいところ。

 その視点で、WiMAXの周辺を見ると、既存の移動通信事業者の反応は「すぐに3.5Gや4Gの時代になるから、すぐに意味なくなるのに」という感じにも見えますが、どうなのでしょう・・・?

 もちろん、ADSLが短期間に躍進できた鍵は、規制緩和によりNTTグループから低コストでメタルケーブルのインフラを入手できたこと。
 ゼロからインフラを構築するWiMAXは、当然不利な位置にあります。

 ただ、海外の状況を見ると英国においてT-MobilとTelabriaが、米国ではAT&TもWiMAXの実証実験を行うと表明しているそうで、端末や設備に関しては実は追い風。
 さらに鷹山は記事にあるように東京アステルのPHSインフラを持っていますから、ゼロから事業を開始するのに比べるとはるかに筋が良かったりもします。
 
  
 もちろん、課題もたくさんあります。
 最大の懸念事項は、やはり鷹山の実行能力でしょう。

 CNETの記事にもありますが、実は鷹山はその昔(と言っても3年前ですが)、東京アステルを買収したときに、PHS・WiFi・ポケベルを組み合わせた新しいIP電話サービスを立ち上げるとぶち上げたことがあります。
 
 このニュースも、業界の間では少し話題になりましたが、いろいろあったらしく、その後サービスが実際に提供されることはありませんでした。
 もちろん、今回はそのリベンジということでしょうが、狼少年にならないためには、今回のサービスは確実にリリースする必要があるでしょう。

 まぁ、そうは言っても、今でこそYahoo!BBで通信事業の一角を占めるソフトバンクも過去に一度スピードネット構想をぶち上げて失敗したことがありますし、電力会社の電力線インターネット構想もかなり長いこと実験レベルでしか出てきませんから、通信事業で新規参入が上手くいかないのは良くある話。
 
 今回の鷹山のWiMAX事業が、前回の失敗を教訓にして堅実に展開されているのであれば、ひょっとするとひょっとするかも・・・
 と思ってしまうのは私だけでしょうか?