(前回のコラムの続き)
[P2P]「ビジネスP2Pは別物」――差別化図るP2P企業 を読んで
ITmediaニュース:「ビジネスP2Pは別物」――差別化図るP2P企業を読んで。
この記事は一時チャネル別ランキングで2位か何かに入ったそうだ。
それだけ副題になっている「Winny事件」の今後に注目が集まっているということだろうか。
個人的には最近、P2Pに対してメディアや有識者の姿勢が微妙に変化してきているように感じることが多い。
正直な話、これまではP2PというとWinnyと同様「あいまいなんだけど違法っぽい」という、ぼんやりとした違法感が漂うことが多かった。
それが最近は、「Winny等に違法性があるのは分かったのだけど、今後はどうなるの?」という感じの質問が多くなったと感じている。
結局、これまでは不正ファイル交換ソフトの違法性について、どこまでが違法なのか?というところが話題の中心だったのだが、最終的な結論になるかどうかは別として一応開発者逮捕という形で線引きがされたことにより、その話題自体が古いものになりつつあるようだ。
まぁ、実際問題、ネット上でいくら開発者の逮捕について議論してみたところで、すでにWinny事件の結論をだす役割は司法の手に移ってしまっており、メディアの役割は終わってしまっているということなのだろうか。
個人的に不正ファイル交換ソフトについての議論についてあまり興味が無いため、正確にはウォッチしてきていないのだが、こういう形で議論のテーマが先に進む(とはまだ限らないが)ことがあるというのは意外な印象をうける。
もちろんP2P技術自体は、これから集中管理派、新クライアント派との戦いにさらされることになるから、ビジネスとして成功事例が出てくるかどうかはこれからの課題だ。
[通信業界]飛行船からブロードバンド提供–米アトランタ を読んで
小型飛行船から地上に向けてブロードバンド接続を提供するらしい。
この仕組み自体は、実は5年以上前に何かの雑誌で読んだ覚えがある。
読んだときはなるほど面白い技術だと思ったものだが、その後全く耳にすることが無いまま今日に至っていた。
今回サービスが提供されるのもアトランタとのことで、まぁ結局そういう地域のサービスということなのだろうか。
結局、インフラサービスなのだから、人口密集地帯のほうがコスト効率が良いのは間違いない。結局この手の変化球を使うよりも、普通にケーブルを引っ張る方が安く済んでしまうのだろう。
この飛行船サービスを読んだときは「衛星よりも打ち上げのリスクは非常に低い」とか「運営コストも安い」とか書かれていた気がする。おお、これは衛星に代わって飛行船の時代かとか思っていた気がするが、なんのことはない「飛行船はジェット気流にもまれるため、1年半もするとカバーがすり減ってしまうのだ。一方、人工衛星は、数十年間使い続けることができる」のだそうだ。
結局、なかなか新技術というのも難しいものだということだろうか。
ちなみに個人的に面白いと思ったのは下記のくだりだ。
これまでとは違う方法でブロードバンド接続を実現することに対する関心は高まっており、Bush大統領とライバルJohn Kerryの両陣営は、大統領選に向けた選挙活動のなかで、米国における家庭やオフィスへのブロードバンド普及率が比較的低い状況を改善することに、焦点を当てている。ブロードバンドの提供形態として現在主流の、電話やケーブルのネットワークは、敷設するのにコストがかかる。このことが障害となって、ブロードバンドサービスが提供されない地域が多い。
なんとブロードバンドの普及率改善が大統領選のテーマの一つになっているそうだ。
(恥ずかしいことに全く知らなかった)
日本で田舎のブロードバンド接続が選挙のテーマになる日が来るとはとても思えないが、米国民のブロードバンドへの関心が高いのか、日本のブロードバンド回線が既に十分普及しているのか。
まぁ日本の選挙では、テーマというよりは雰囲気やイメージが重要のような気もしてしまうから、地方のブロードバンド普及率なんてテーマが取りざたされるとはとても思えないが。
でも、少なくとも通信のブロードバンド化においては国の狭い日本の方がアドバンテージがあるということだと思う。
やっぱり早く日本発のブロードバンドサービスが出てくるのを期待したいところだ。
[通信業界]ODN、Yahoo! BBと提携。メールアドレスはYahoo! BB移行後も継続可能に を読んで
ODN、Yahoo! BBと提携。メールアドレスはYahoo! BB移行後も継続可能にを読んで。
ODNのダイヤルアップサービスを利用している顧客は、Yahoo!BBを契約してもODNのメールアドレスをそのまま利用できるそうだ。
まぁ買収したのだから、提供するサービスとしては当たり前の話だが、この機会についでにもう一度買収効果について考えてみたい。
ODNのナローバンドユーザーは160万人弱、果たしてこの人たちのどれだけがYahoo!BBに移るのか。
これはソフトバンクにとって重要な話だろう。
一時期、ソフトバンクの顧客獲得コストは3万~4万円だと言われていたが、単純にそれを160万人にかければ500億円になる。
ODNのナローバンドユーザーだけで500億円分の販促費を節約したことになるわけだ。
ただ、個人的にはISPの移動に際して課題となるのはメールアドレス変更程度だが、それだけでは顧客のISP変更をとどめる理由にはならないと思っている。
実際、私もNifty,OCN,Yahoo!BBなどを渡り歩いているが、メールアドレスは会社のものやフリーアドレスを使っていて別に苦労はしない。
もちろん、ODNを契約する利用者の中に、どれだけそういう人がいるのかという話だから、結局のところは想像するしかないが。
ちなみに個人的には後半の公衆無線LANサービスの提携の方がやっぱり気になる。
どうもいろんな人に話を聞く限り、TD-CDMA単独で十分なモバイルサービスになると考える人は少ない。結局数人が周りで同じ電波を使うと回線速度が著しく低下するのがその根拠になっている。
ただ、そういう意味ではTD-CDMAで面を押さえ、公衆無線LANで点的なブロードバンドワイヤレスを提供するという手段はありだと思う。
MCPC協議会が提出したレポートでユーザーの7割がスポットの少なさに不満と出ている(実は私もこのレポート作成に一部参加していたりする)が、ある意味これは当たり前の話だ。
ただ、一つのカードで、無線LAN及びTD-CDMAのネットワークを行き来できれば、実はサービスエリアは広く、一部スポットでブロードバンド利用というサービスが提供できる。
ソフトバンクが狙っているのはそういうサービスではないのかなと思ってしまう。
実はそういうサービスを提供するにはPHSとの連動というのもあったりするのだ。
投資会社に買収されたDDIポケットが、そこの選択肢に浮かんでしまうのは私だけだろうか。
[Blog]消えゆくマスマーケットとミレニアルズ世代 を読んで
CNET Japan Blog – 梅田望夫・英語で読むITトレンド:消えゆくマスマーケットとミレニアルズ世代を読んで。
どうも、最近良い記事を見つけても自分でブログに書くまでに時間がかかる。
気がついたらコメントしたかった記事の先が既に書かれていて、自分が書くのはタイミング遅れと感じることがしょっちゅうだ。
ま、一日一個ペースを守るのでも大変なぐらいなので、無理についていこうとは思わないが、この梅田さんの書き込みを見て、なるほど・・・と思ってしまった。
米国の1979年から1994年までに生れた世代をミレニアルズ世代と呼ぶらしい。舌をかみそうな名前だ。
以前、梅田さんが1970年生まれ以降をネット世代と定義していたのに、私はもう一つ壁があると感じていると書いたと思うがその定義にこれは近い。
最近、yublogの川崎さんやCNETの山岸さんや渡辺さん、masa blogの佐藤さんなど1976年前後の世代と話すことが多いが、明らかに情報に対する感性の違いを感じる。
彼らがミレニアルズ世代なのだろうか。
もう一度ミレニアルズ世代の特徴を振り返ってみよう。
(1) 浴びている情報量が圧倒的に多い
(2) マルチタスキングが当たり前である
(3) 情報を人と同時にあるいは人よりも早く得ることに強いモチベーションがある
うーん、絶対そうだ。
社会人になってからネットにふれたのと、大学の頃からネットにふれたので、やっぱり感覚が変わるんだと思う。
我々の世代はネットを情報を入手する場として捉えている。これまでの新聞とか雑誌の代わりにインターネットを使っているだけだ。
インターネットをテクノロジーとして捉えているのだろう。
しかし、彼らは既にインターネットをライフスタイルの一部として捉えている。
だから情報は発信するものだと考えているし、そのために摂取する情報も異様に多いんだと思う。
(おかげで例えば、最近の渡辺さんのブログのディスカッションについていこうと思っても、議論の幅は広いし、スピードは早いしでとてもついていけない(笑))
さらに、彼らにはいわゆるテクノロジーオタク的な雰囲気はみじんもない。考えてみれば当たり前だ。ライフスタイルなんだからオタクなんかになりようもない。
知っていて当然のものになりつつあるのだ。
最近、その差を痛感しながら、自分の存在意義を悩む今日この頃。
梅田さん、やっぱりPC世代の壁は1970年代ではないですよ。76年あたりに巨大な壁がありますよ・・・
P2P ソリューション:P2P コラボレーションソフト Groove(1)
前回までに紹介してきたソリューションは、いずれもインスタントメッセージング的なソフトウェアという印象が強いかもしれません。 今回紹介する Groove は、その機能をさらにグループウェア的なコラボレーションの分野まで拡張した製品です。