ウェブ2.0は夢か現実か? (佐々木 俊尚)
ウェブ2.0は夢か現実か?は「グーグル」の著者としても有名な佐々木さんの新著です。
光栄にも献本をいただきましたので、早速読んでみました。
ちなみに、この本はHotwiredに連載されていた「佐々木俊尚のITジャーナル」を加筆・修正した本になります。白田先生のインターネットの法と慣習につづきHotwiredブロガーの書籍化ラッシュと言うところでしょうか。
ブログのほうは、もちろんリアルタイムで読んでいたのですが、改めて今になって一つ一つの記事を読んでみると当時とはまた違った印象を受けるのが不思議なところです。
Danさんが、この本は「ウェブ2.0は夢か現実か?」ではなく「佐々木俊尚のネット事件簿」がいいのではと書いていましたが、私も同意見です。
ウェブ2.0どうのこうのではなく、単純にこの2年間のIT業界を中心とする業界の動きや、社会に与えた影響を改めて振り返るのに非常に良い本です。
(ちなみにうちの会社も、P2Pのくだりのところで紹介していただいていたりします。)
佐々木さんは現在はCNETに場所を移してブログを続けておられますので、こちらの方もチェックされることをお勧めします。
【読書メモ】
■「テレビの業界は、古くから積み上げてきて安定している構造を維持したいと思って頑張っている。なのにインターネット業界の人たちは、それをなし崩しに、なし崩しにかかってくるんですよね。」
そういう時代なのである。
■これからは取材という行為自体も相対化されていく
・取材する側と取材される側が同じ土俵の上に乗っていく。
・生み出される記事そのものも相対化されていく。
■日本のインターネット文化は知的遊戯
・アメリカ:オールドメディアを補完する論壇
・韓国:オールドメディアに取って代わるメディアの地位を得ている
■ジャパネット高田社長のメッセージは明快
モノ自身へのこだわりではなく、モノを媒介にして、いかにわれわれの生活を豊かに楽しくできるのかということ。
■日本企業は「リスクゼロ」を求めてしまう
本来ならリスクとベネフィットのバランスをきちんと考えなければならない。
■日本の新聞とアメリカの新聞の相違
・アメリカの新聞は広告収入の比率が平均85%(ニューヨークタイムズは95%)
・日本の新聞は売上げの50%が販売収入で、広告収入は36%に過ぎない
日本の新聞はコンテンツだけでなく、コンテナーである紙の新聞からの販売収入に依存している。
■ITのブラックホール
「ITって知識を吸収してると、本当に楽しいんだよね。IT文化の中にどっぷりと浸っていると、勉強して知識をどんどん吸収しているだけで知識欲が満足してしまい、それ以上のことを求めなくなってしまう。モチベーションも労働時間もどんどん吸い込まれていってしまう。そして最後には、それをどう実際の仕事、実社会に役立てるかということはどうでもよくなっちゃんだな。これはITのブラックホールだね」(大手食品メーカー情報システム部長)
【目次】
第1章 ウェブは、世の中を変えるのか?
スカイプは戦争を巻き起こすか
活字を読む文化が復権しつつある ほか
第2章 ウェブVSオールドメディア
グーグルニュースをめぐる水面下の戦い
「録画ネット」事件は、オリンピック放映権の問題である ほか
第3章 ウェブの世界の不思議な人びと
ひろゆきとライブドア社長の共通項って?
情報システム部門のブラックホール ほか
第4章 ウェブ事件簿
ビジネスソフトの不正コピーで摘発される中国の日本企業
北尾吉孝社長が登場してくるとは… ほか
第5章 ウェブ2.0は幻想か?
顧客のスコアデータに連動させるビジネス
ウェブ2.0は日本でどう実現するのか? ほか
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コメント
徳力さん、わたしも「ウェブ事件簿」のほうがいいのではと同様のことを思いました。やっぱり佐々木さんには事件簿が似合いますよね。
投稿者: らむね | 2006年9月14日 01:55