いずれ全てのマスメディアも、ソーシャルメディアになっていく

 Ad Innovator: ソーシャルメディアの終わりを読んで。
 
 Ad Innovatorの織田さんが、エデルマンのSteve Rubelの「なぜすべてのメディアはソーシャルメディアなのか(Why All Media Are Social Media)」という記事を紹介していました。 
 (エデルマンは、先日メディアパブでソーシャル・メディア・プレス・リリースの記事が紹介されていましたが、米国のソーシャルメディアをリードするPR会社というのが適切でしょうか。)


 これまで「ソーシャルメディア」という単語は、従来のマスメディア的なものと対比される形で、ブログやポッドキャスティングのようなCGM的なものを示すことが多かったように思いますが、Steve Rubelによると、もはやそうではないと。

 2006年にほとんどの新聞やテレビなどのメディア企業(この場合は米国のマスメディアと思ったほうが良いでしょう)がソーシャルメディアへの転換を図ったことにより、2007年においては「独立した存在としてのソーシャルメディアと言う言葉は死ぬ」、とまで明確に書いています。
 この主張は非常に納得です。


 ブログやFPNにかかわっているおかげもあり、素人ながらにメディアの方と意見交換をさせていただくことが増えましたが、なんとなく違和感を感じるのがCGMによってマスメディアは置き換えられてしまうのではないかと言う行き過ぎた危機感を持っているケース。

 米国のように、インターネットにおけるソーシャルな双方向の要素をマスメディア自身が取り込むことができれば、結局今でも未来でもショートヘッドのところに居座るのは既存のメディア企業で、新興メディアは結局ロングテールからせいぜいマジックミドルぐらいでしのぎを削るというのが無難なシナリオのように思えます。


 もちろん、既存のマスメディアが、これまでのマスの考え方からソーシャルメディアの考え方に移る過程には、思考回路としても大きな溝が立ちはだかっていますし、記事に対する姿勢なんかも180度違うでしょうし、既存のビジネスモデルの収益が減ると言う意味でも大きな痛みを伴う可能性は高いと思いますが。
 ただ、結局早めにソーシャルメディアのメリットを取り込んでしまえば、引き続きヘッドの役割を担えるように思います。


 特にSteve Rubelの記事で分かりやすかったのが、マスメディアをメジャーリーグ、ロングテールをマイナーリーグにたとえた事業環境の変化。
 今までは日本のプロ野球のように、プロ野球界にドラフトで入った人しかプロの世界では活躍できなかったのが、よりJリーグや米国のメジャーリーグのように、裾野の広いアマからプロへの入れ替わりの道が開けただけと考えるのがイメージしやすそうです。

 要は、日本のプロ野球のように、万年最下位でもプロ野球チーム、みたいなメディア企業はもう存在しないけれど。
 会社によっては横浜FCのように底辺からトップまで一気に上り詰めるところもあれば、ヴェルディのように昔は優勝候補常連だったのにいつのまにかJ2落ちみたいなのもあるし、浦和レッズのようにトップから一度J2に降格したあとに返り咲いて優勝みたいなこともある、ということでしょう。
 

  もちろん、われわれアマチュアにとっては、プロへの道が開けたことは非常に意味がありますし、プロの側にもアマチュアが大量参入してくるのは脅威かもしれませんが、そうは言っても結局プロとアマチュアがそっくり入れ替わるなんてことはありえないわけで。
 やはりプロであるメディア企業の役割が重要ということは、これからも変わらないように思います。
 (もちろん、ソーシャルになれないマスメディアはその存在感を徐々に失っていくのでしょうが)


 ちょうど中島さんが「MySpaceとCingularの提携に思うこと」という記事で、「日本では、ライブドアや楽天などのネット企業がテレビ局を買収しようなどという話が一時期持ち上がっていたが、米国では逆のことが起こって」「メディア企業によるネット企業の買収が進んでいる」という話を書かれていました。

 日本でも、そろそろCGMやネットと既存のマスメディアを対立構造で考えるのはやめて、CGMやソーシャルメディアのメリットを取り込もうとするマスメディアが増えてきて欲しいところです。
(産経のIZAなんかがその先駆けかもしれませんが)

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