Federated Media Publishing に見る日米ブログの根本的な違い

 メディア・パブ: ブログネットワークのFM,マスメディアに匹敵する勢力にを読んで。
 少し前の記事になりますが、メディア・パブにブログネットワークのFederated Media Publishingについての記事が出ていました。
 Federated Media Publishingについては、「ザ・サーチ」を執筆したジョン・バッテルが立ち上げた有力ブログの広告ネットワークということで個人的にも注目していたのですが、サービス開始から1年足らずであっという間にビジネスを拡大しているようです。
 メディア・パブによると、なんと「総ページビューは月間3億PV」というから凄いです。
 なにしろ加入サイトが100サイトだそうですから、1サイトあたりで考えても平均で300万PV(!)を超えるという計算になります。
 日本では、トップレベルのブログでもおそらく100万PVを超えるブログは10も無いような印象がありますから、この差は圧倒的です。


 昨年の春にTechnoratiが、日本語ブログのエントリー数が英語ブログより多い。というデータを発表していましたが。
 日本語ブログは日記的なブログ(およびスパムブログ?)が多いために、エントリーの数としては多いのかもしれませんが、いわゆるヘッドなりマジックミドル的な部分のブログ層の厚さというのは日本と英語圏ではまったく比較にならない状態という印象です。
 おまけにもう一つ注目したいのは「月間の売上も100万ドル超」という点。
 月間100万ドルということは、日本円では約1億2000万円。
 年商15億円近くということになります。
 また、3億PVで月間1億2000万円ということは、1000PVで400円売り上げている計算で、Federated Media側だけの売り上げですから、仮に加入サイトとFederated Mediaと売り上げが折半だと、1000PVで800円という広告単価というところでしょうか。
 
 ページビューにしても、広告収入にしても、広告単価にしても、ブログやソーシャルニュースサイトを中心に集めてこの数字というのは、現状の日本ではとうてい考えられない気もします。
 この日本と米国のブログ差が単純に日本が遅れているだけなのか、日本と米国のネット文化や行動の違いなのか、なかなか興味深いところです。
 日本でも田口さん主催のPRボードがソニーとブロガー勉強会を開催したりAgile Media NetworkがFederate Mediaをベースとしたモデルでサービス開始に向け準備中だったりと、そろそろブログネットワークが注目されそうな印象もあります。
 個人的にもそれぞれに参加させてもらって勉強中だったりするのですが、日本のブログがいわゆるネット上の日記だけでなく、米国のようにビジネス的にも成功しうるのか、日本のブログスフィアにとっても今年が分岐点になりそうな気もしてきました。

“Federated Media Publishing に見る日米ブログの根本的な違い” への1件のフィードバック

  1. >日本語ブログは日記的なブログ(およびスパムブログ?)が多いために…。
    私は、この現象を否定的にはとっておりません。
    日本のブロガーは自身を語るが
    、アメリカのブロガーは他者を語る。
    これにより見えてくることは
    、アメリカではネット上に発信者は存在しないが、日本ではネット上に発信者が存在するということです。
    ウェブ進化論を論じていた梅田さんが、ウェブ人間論を書いたのは
    、コミュニケーションの時代が終焉に近づいていることを察知してのことでしょう。
    P2Pの時代になることは、コミュニケーションの重要度が下がること。それは、それぞれの個の重要度が上がることになると思っております。
    自説開帳失礼いたしました。

コメントは受け付けていません。