レシピブログで夢をかなえた人たち (井垣留美子)

4863320922 「レシピブログで夢をかなえた人たち」は、株式会社アイランドが運営するレシピブログに登録したことがきっかけでレシピ本を出せた方々についてまとめた本です。
 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 聞いた話だと、最近はレシピ本を出したいという相談を出版社に持ち込むと、「まずはレシピブログでブログを書いてみたら?」と言われるぐらいレシピ本に対して影響力が高くなっているそうです。
 いわゆるネット業界によるブロガーの出版ラッシュみたいなものは最近一段落している印象がありますが、実はこういった違った業界で着々と出版に至るまでの新しいパターンが生まれているというのは、なかなか面白い現象のように思います。
 こういったライフスタイル系のカテゴリでは、どうしても芸能人ブログのインパクトが大きすぎて、一般人のブログの影響力というのはかすみがちな印象がありますが、このレシピブログの本で語られている様々な事例に、一般の人たちのブログのメディア化のヒントがあるような気がします。
 「新世紀メディア論」とはまたちょっと違う視点からブログメディアの可能性について考えてみたい方にはヒントがある本だと思います。
 
【読書メモ】
■一般の主婦のレシピがブログから見出されて、それが本となりベストセラーになることは、数年前の出版業界では考えられないことでした。
■アクセス数やランキングの順位よりも「友達のページに遊びに行くのもブログを開くのもうれしくて、毎日更新していた」という(YOMEさん)
■「いきなり本は出せないから、簡単にできていろんな人に見てもらえるブログをはじめようと考えたんです」(ヤミーさん)


■「ブログをスタートする数ヶ月前、たまたま義理の妹に誘われてmixiをはじめたぐらいで、興味も知識もなかったです。0歳からの育児日記をブログで公開している友人がいて、自分も子どもが1歳になって余裕ができたので子育ての記録みたいなものをつけようと思い、インターネットをつないでから2,3ヶ月後にはブログを作りました。」(solaさん)
■ブログをはじめたきっかけは、ほんの好奇心からホームページを立ち上げたことだった。ホームページにその日食べた料理や日記を書いていて、ブログが流行ってきたときに「ホームページより運営が楽で手軽に書けるから」と、2005年6月にブログを開設した。(かな姐さん)
■ランキングが上位になってくると、テレビや雑誌の取材が頻繁に入って生活が著しく変化していくブロガーの方も多い。もしかしたら、出版社が集まっている東京近郊から少し離れたところで、いつでも自分のペースをキープして生活しているところがかな姐さんの強みなのかもしれない。
■「素人の私がお料理の本を出すなら、今の世のなかの流れではブログが近道かもと思いました。」(izumimirunさん)
■出版を目指す料理ブログに大切なこと
・ブログのテーマを決めること。ライフスタイルや傾向がわかるとよい。
・レシピはわかりやすく、工程などは省略しないで丁寧に書くことを心がけた方がよい。
・料理を実際に作りたいと思ってもらえるように書く。味や食感の想像ができるように。
・写真は夜間の蛍光灯の下ではなく、日中の窓辺で自然光で撮るとキレイに撮れる
■”ブログ前”と”ブログ後”では編集の世界も大きく変わりました。みなさんがブログでメッセージを発信してくれることで、私たち編集者も才能の原石に出会うことができるようになりました。(編集の井野さん)

4863320922 レシピブログで夢をかなえた人たち (ヴィレッジブックス新書)
レシピブログ
ヴィレッジブックス 2009-06-27

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