「リ・ポジショニング戦略」は、「マーケティング22の法則」や「マーケティング戦争」などの著者でもあるジャック・トラウトが、ポジショニングの概念を再度まとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ジャック・トラウトといえば、ポジショニングの概念を普及させた立役者の一人ですが、その本人がこの本では、「リ・ポジショニング」という既存商品や企業のイメージを再定義させるための考え方や戦略を説明しています。
個人的には、バイブル的な本を出している印象が強いジャック・トラウトの本の中にブログやインターネットについての言及が出てきているだけで衝撃だったりするのですが。
マーケティングに携わる方であれば、この本は是非読んでおいたほうが良い本だと思います。
【読書メモ】
■ポジショニングとは、潜在顧客の脳の中にあるあなた自身のイメージを、ほかと差別化することだ。
■リ・ポジショニング本来のコンセプトは、競合他社をけなして自社のよいところを売り込むことである。
■競合他社をリ・ポジショニングするということは、結局は業界リーダーの強みの中に弱みを見つけて、そこを攻撃することになる。
■”リーダーの弱みを見つける”ではなく、”リーダーの強みの中に弱みを見つける”のだ。
■コモディティ商品をリ・ポジショニングする方法
・認定
・ブランドの顔を作る
・新しい品種名を創りだす
・改名する
・カテゴリーごとリ・ポジショニングする
■すべてのブランド、すべての企業が進化しなければならないだろうか?
ひとことで言えば答えはノーだ。
■「わたしたちには、何がなんでも成長しなければならない必要はない。あるのは、何がなんでも成長したいという欲望だ」(ミルトン・フリードマン)
■弁護士のみなさんはお気に召さないだろうが、自社のブランド名を一般名詞にすることは、マーケティング戦争にかつための究極の武器である。
しかしそれが許されるのはスペシャリストだけだ。そのカテゴリーの万能選手は、一般名詞にはなれない。
■全世界で行われた調査で、短期的な価格プロモーションが終わると、売上は普通、プロモーションを行う以前に戻ることが明らかになった。
価格プロモーションの効果はその場限りだ。
■まず広報活動、広告は二の次。これが原則だ。
PRの利点を最大限に生かしたいなら、広告は慎重に行わなければならない。広報の打てる手を打ち尽くすまで、広告は出すべきでない。
■いちばんうまくいくのは、コアグループから始めて、周縁に広げていく方法だ。
読者数の多いブログに取り上げられると、次は業界紙に取り上げられ、そうなると一般のビジネス誌にも取り上げられる確率が高まる。すると今度は消費者対象の雑誌から、状況次第でラジオや新聞に道を見つけながら、最終的にネットワーク・テレビへと舞台を移すことができる。
■広報プログラム見直し成功のための4つのツール
・一般の人の心に、あなたの会社がすでにどんなポジションを築いているか調べること。
・納得のいくリ・ポジショニング戦略を取り入れること。広報活動と広告を通じて実現させたい特定のコンセプトに焦点を絞る。
・もっぱらひとつのリ・ポジショニング法に全力を注ぐよう、関係者全員の了解をとる。
・ときには自社の広告や商品化計画、総合的なマーケティングのポジションとともに、広報活動も見なおすこと。
■「効果的なリーダーシップは、組織の使命をとことん考えて、それを明確に定義し、確立することでえられる。リーダーは、ゴールと優先順位を決め、基準を設けてそれを維持するのが役目だ。」
リ・ポジショニング戦略 ジャック・トラウト 宮脇 貴栄 翔泳社 2010-07-02 by G-Tools |