ネットで成功しているのは<やめない人たち>である (いしたにまさき)

4774144681 「ネットで成功しているのは<やめない人たち>である」は、「ツイッター 140文字が世界を変える」や「クチコミの技術」で有名ないしたにまさきさんが書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
  
 先日、この本の出版記念イベントにもゲストで読んでいただいた際にも話しに出ましたが。
 ブログに専門知識を公開している人や、ネット上での活動を継続している人が、一般的によく聞かれるのが「なんでそんなに惜しげもなくネット上に情報を無料で出すんですか?」という質問だと思います。
 この本は、そんないわゆる有名ブロガーや有名ツイッターユーザーがもたれることの多い疑問に正面から挑んだ本だと言えると思います。
 大企業や日本社会で一般的に成功するために必要と考えられているキャリア論や精神論に違和感を感じ始めている方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■アンケートの対象者
・1年以上日々継続して情報発信をしている人(ブログやツイッターなど形は問わない)
・何らかの形で自分で表現をしている人(ネット、リアルに限定しない)
・男性、女性から広く
■ネットで情報発信する際に心がけていること
・自分のことを書く、自己責任 30%
・ネガティブなことを書かない 16%
・読者のことを考える 16%
・誤解とわかりやすさ 16%
・正直に書く、正確な情報 7%
■収入に変化があった場合、それは活動はじめてからどれぐらい経ってからですか
・半年 16%
・1年 24%
・3年 37%
・5年 13%
・その他 10%


■デイリーポータルZって、2001年ごろの最初はニフティの普通のサイトを紹介するまともなサービスとしてスタートして、今のデイリーポータルZの要素って、ほんの少ししかなかったんですよね。バナーぐらいのサイズしかなかった(笑)
■「お客さん」って言っても、授業中に漫画を描いて回すぐらいの感覚。それは今も変わらないです。クラスでも前に立ってわーっとおもしろいことを言うタイプじゃないので、授業中になんか描いて、みんなにこっそり紙を回す。「インターネット、俺に合ってるな」って思いました(笑)
■僕は「ネットのことをネットで語るのはやめよう」と思ってるんです。恥ずかしいというか、企画として狭くなっちゃうんで。外の話だと地図がついてくる。ストリートビューをGoogleが始めたときに「俺たちみたいなことをやってる」って、えらそうに思いました。
■先日、Googleマップの5周年のイベントに参加したときに、「Googleマップの初期バージョンと今では、びっくりするぐらい中身が変わってるよね」という話がありました。
■多くの人の前で言う話ではないですけれど、航空写真というのは、すでに持ってる人は持ってたんですよね。それは軍だったり、情報機関だったり、一部の不動産屋さんだったりするんですけど、一部の方が持ってたものを皆さんのもとに広げることに価値があると思ったから、私たちはGoogle Earthをやったわけです」
■デイリーポータルZとGoogleマップの共通点
・プランを考える前に手を動かしてどんどんつくってしまう
・ネットの外にあるものをネットの中に持ち込む
■ブログとツイッターとmixi
・ブログ:情報の構造がストック型、情報の流れもストック型
・ツイッター:情報の構造がフロー型、情報の流れもフロー型
・mixi:情報の構造がストック型、情報の流れはフロー型
■3年間はブログをやめない
・1年目:種まきの期間
・2年目:熟成の期間
・3年目:刈り取りの期間
■ログ的に考える
・なぜ、プログラマーは無料でソフトを公開するのか?
・なぜ、文章を書くことでご飯を食べている人が、ブログで直接お金にならない文章を書き続けるのか?
・なぜ、映像をYouTubeで公開するのか?
■それは公開することで、お金以上の何かを公開した人のところに運んでくれるからです。

4774144681 ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
いしたに まさき
技術評論社 2010-11-27

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