逆パノプティコン社会の到来 (ジョン・キム) を読むと、ウィキリークスやフェイスブック、アノニマスと言った新しいメディアや組織が世界をどのように変えようとしているのか見えてくるはず。

488759898X 「逆パノプティコン社会の到来」は、副題に「ウィキリークスからフェイスブック革命まで」とあるように、ウィキリークスやフェイスブックのような新しいメディアや組織が、世界をどのように変えようとしているか考察している書籍です。
 著者のキムさんから献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本ではメディア学者であるキムさんならではの俯瞰的な視点から、ウィキリークスやフェイスブック、そして最近プレイステーションネットワークをダウンさせて話題になったハッカー集団「アノニマス」などが、どのように成長を遂げてきたのかを学ぶことができます。

Collateral Murder Wikileaks 投稿者 wikileaks
 特に驚くのが、昨年非常に話題になった上記の「Collateral Murder」というビデオから、チュニジアのジャスミン革命、エジプトの革命など、ここ1年間に世界で話題になった出来事のほとんどのに、ウィキリークスやアノニマス、フェイスブックが網の目のように関係していたという事実。
 正直、自分がいかに表面的にしかニュースを見ていなかったか。
 今回の革命や騒動が、実は様々な面でソーシャルメディア時代ならではの出来事であるかというのを、この本を読むと痛感させられます。
 ウィキリークスを巡る騒動やアノニマスによる企業への攻撃自体は、テレビのニュースで見る限り、ウィキリークスやアノニマスというメディアや組織によって引き起こされた良くある内輪もめやトラブルにみえてしまうかもしれませんが、実際には国家と個人のパワーバランス、既存の秩序と新しい勢力とのハレーションとでも言うべき出来事と見るべきなのかも知れません。
 フェイスブックなどのソーシャルメディアによって引き起こされる根源的な国家や企業の変化について考えたい方には、非常に参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■パノプティコン(全展望監視システム)
 監獄の真ん中に看守等が立つ。そしてその看守塔を囲む形で円形の独房があり、そこに囚人を収監する。
■ウィキリークスのミッション
 情報の完全透明化を通じて社会における不正を暴くことで、社会をより正義あるものにする
■ウィキリークスの特徴
・完全匿名性の保証
・法的リスクの削減
・多数のミラーサイトの存在
・既存の報道機関との緊密な連携

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ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本 (ふくりゅう・山口哲一)

4478015767 「ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本」は、日本におけるソーシャルネットワーク革命について考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では著者のお二人の体験に基づいた視点から、ソーシャルネットワークの基本から、mixiの笠原さんやデジタルガレージの佐々木さんのインタビューなど、ムック的に幅広い内容が収録されていますので、日本ならではのソーシャルネットワーク現象を基本から学びたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■(mixiチェックボタンも)順調に増えていると思います。
 うまくいっているサイトだと、1チェックで50~60人ほどが、そのサービスに訪れるという導線になっています。(mixi笠原氏)
■心の距離の近い人がつながって、つながった後も自然にそれぞれとコミュニケーションができるような、そういうサービスにしていくことができれば、というのが、まずあります(mixi笠原氏)
■公式な発表ではないのですが、日本語でのツイートが世界全体の12~15%になっています。日本人ユーザーはツイート数が相対的に多いので、ユーザー数の割合は、もう少し低いですかね。
 2010年の4月時点では日本語比率は6%だったんです。(デジガレ佐々木氏)

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Facebookもっと使いこなし術 (根岸智幸)

4048705768 「Facebookもっと使いこなし術」は、「Facebook使いこなし術」の続編にあたる書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、副題に「アプリ&新メッセージシステム編」と書かれているように、様々なFacebookページ用のアプリの使い方が紹介されていますので、アプリが多すぎてどれを使えばいいか分からないいと言う方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■Docsアプリでオフィス文書を共有する
■My Blog Postで、ブログをフェイスブックに連動させる

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ツイッターやFacebook、mixi等のソーシャルメディア活用事例を、プレゼン資料にまとめてみました。

 昨日の宣伝会議さんの「Web最新ケーススタディ1日セミナー」でも使いましたが、新しいソーシャルメディアの活用事例のプレゼン資料を作成しましたので、こちらでも公開しておきます。

PDFファイルはこちらからダウンロードできます。)
 昨年一年間は、長らくカンバセーショナルマーケティングの基本コンセプトのプレゼンをし続けてきましたが、今年は明らかに啓蒙フェーズから実践フェーズに移りつつあるという感じがしています。
 ただ、一方で、ソーシャルメディアをマスメディア同様に利用しようとして失敗しているケースも増えている印象もあります。
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 そこで、今回のプレゼン資料ではグランズウェルの5つの戦略に基づき、具体的に傾聴や会話、活性化をどのような目的で実施するべきかという部分を活用事例を元に深掘りしてみました。

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ソーシャルメディア時代の企業のコミュニケーションやPRのあるべき姿が気になるなら、書籍「デジタル・リーダーシップ」にヒントがあると思います。

4532605075 「デジタル・リーダーシップ」は、企業のコミュニケーションのあるべき姿について考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「デジタル・リーダーシップ」というタイトルだと、リーダーシップ論の本と勘違いされる方も多いのではないかと思いますが、この本の原題は「Digital Strategies for powerful corporate communications」。
 直訳するなら「パワフルなコーポレート・コミュニケーションのためのデジタル戦略」。
 デジタル時代の企業コミュニケーションがメインテーマの書籍です。
 特に注目すべきは、「多くの企業の経営陣が、コミュニケーションによって関係を発展させる必要性に気づき、PRは事務広報機能の一部から、企業の中心的な機能へと移行しはじめた」という部分でしょう。
 確かに個人的にも、ソーシャルメディアにおけるコミュニケーションの重要性に比べて、一般的な日本企業における広報部の権限やリソースの少なさというのが、現在の大企業におけるソーシャルメディアに対する戸惑いを助長しているように感じます。 
 
 そう言う意味では、この書籍には、これからの企業のコミュニケーションやPRのあり方について真剣に考えたい方にはヒントが見つかる本ではないかと思います。
【読書メモ】
■ウェブ1.0の時代からウェブ2.0の時代へ
・プッシュ型ビジネスモデル → プル型ビジネスモデル
・商用ソフトウェア → オープン・ソース・ソフトウェア
・顧客サービス → カスタマー・セルフサービス
・ベストセラー商品 → ロングテール
・既存メディア → ソーシャルメディア
・1対1の顧客リレーション → 顧客コミュニティリレーション
・集中型の製品開発 → 分散型の製品開発
■多くの企業の経営陣が、コミュニケーションによって関係を発展させる必要性に気づき、PRは事務広報機能の一部から、企業の中心的な機能へと移行しはじめた。

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プロフェッショナルマネージャー (ハロルド・ジェニーン)

483345002X 「プロフェッショナルマネージャー」は、経営者のあるべき姿について考察している書籍です。
 以前から気になっていたので買ってあったのですが、ゴールデンウィークに読んでみたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 書籍のタイトルが「マネージャー」なので、つい日本だと中間管理職ぐらいをイメージしてしまいますが、この本はどちらかというとトップマネジメントそのもののあるべき姿を考察している書籍です。
 
 必ずしも突飛な手法や特殊な考え方が出てくるわけではなく、基本的なポイントを指摘されている本ですが、その自信に満ちた語り口からは多くの刺激を受ける方が多いと思います。
 経営者のあるべき姿について一歩引いた視点から考えてみたい方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■本を読む時は、初めから終わりへと読む。
 ビジネスの経営はそれとは逆だ。
 終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
■最初の四半期に目標を達成できなかったら、けっして年間の目標を達成することはできない
■製品系列マネージャー 競争を眼目にして競争力を監視
 現業のセールスマンやマネージャーや技術者やオペレーション・チームのメンバーは、いずれも自分たちの製品をひいき目に見ることに慣らされていて、競争者を見る場合、ともすればその欠点にばかり目がいくものだ。

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