GREEはこのままmixiの後を追っていくのだろうか

グリー、携帯電話用サービス「GREEモバイル」を開始 – CNET Japanを読んで。

 GREEにも携帯電話用サービス「GREEモバイル」が登場のようです。
 ライバルであるmixiのmixiモバイルが開始されたのが2004年9月のことですから、ほぼ一年遅れでの携帯電話対応となります。

 一時期は、SNSサービスの代名詞という座をmixiと激しく争っていたGREEですが、いまや利用者が80万人も越えて近々100万人を窺おうとしているだろうと推測されるmixiに対し、GREEの登録者は18万人強。

 ちょっと見ない間にえらく差をつけられてしまったものですね。
 自称GREE派だった人間としては、ちょっと寂しいものがあります。

 ちなみに、個人的にはGREEを名刺管理サービス的(+誕生日お祝いシステム的)に捉えていましたが、最近目につくのはGREEの急速なmixi化です。
 GREEにも「あしあと機能」がついて激しい議論が巻き起こったのも記憶に新しいところですが、日記機能といい、今回のGREEモバイルといい、いまやGREEとmixiの機能的な違いを見つける方が難しいぐらいの印象があります。

 一年前にGREEとmixiの事業上の立ち位置の違いを考えたことがありましたが、その後GREEも個人の趣味のサービスから会社の事業へと変貌し、やはり同じ方向性を目指すのが得策と判断したということでしょうか。

 実際、個人的な利用方法としても、相変わらずGREEの方が友人の登録数は多いものの、最近は明らかにmixiにログインする回数の方が多くなっています。
 何しろ面白そうなイベントの企画がmixi内でされてしまうのが致命的。
 イベントの日程調整から、告知から、事後のレポートまで、全部mixiで完結されちゃったら、定期的にログインせざるを得ません。

 一度、非常に興味のあるイベントをスルーしてしまってからは、コミュニティのチェックを欠かせぬ日々になってしまいました。
 まぁ、mixiの3日間以内のログイン率70%という脅威の数字の理由も納得です。

 そういう意味では名刺管理サービス的だったGREEの方は、友達を確認したいときだけログインする程度になっちゃいますから、結局ログインするのは誕生日のお祝いメッセージを書くときぐらい。
 広告だとか、PV勝負のビジネスをするのであれば、GREEもmixiの後を追うのは論理的なのかもしれません。

 ただ、ここまで利用者の熱量のようなものに差が出てしまうと、今からGREEがmixiに単純に追いつき追い越すというのはなかなか難しいようにも思えますが、どうなのでしょう?

 少なくともここしばらくSNSのようなものを激しく利用するのは結局多くても3百万人ぐらいでは?という意見もあるようで、もしそうだとしたら、mixiがいまその3分の1を抑えようとしていることになってしまいます。
 

 ただ、GREEは田中さんをはじめ、元CNET編集長の山岸さんなどタレントが揃っているイメージがありますし、このまま単純な2番煎じに甘んじているとも思えないのも事実。
 ほとんどの機能がmixiと揃ってきた今、どういう違いを打ち出してくるのか、注目したいと思ってます。
(ただ、やっぱり同じようなSNSを二つ管理するのは面倒くさいけど・・・)

若いころの努力のストックで楽に生きていける時代の終わり

FPN-特権階級の没落を、他人事として捉えていて良いのだろうかを読んで。

 あらためて、自分で昨日の書き込みを振り返ってみると、なんだか何の整理にもなっていない気がして反省。
 自分の中の不安のようなものをちゃんと整理するために、梅田さんが書いていた「勉強」特権階級について改めて考えてみることにします。

 振り返って考えてみると、私が最初に入った会社は、ここでいう特権階級の人たちの代表のような面があったため、忘れられない思い出がいくつかあります。

 そもそも、20年ぐらい前は、「入社する前」に出身大学や成績をもとに、出世ルートが大体三段階に分けられてたそうで。
 一番上のエリートコースで入社した人は、何もしなくても課長ぐらいまではとんとん拍子に出世するという、特権階級の見本のような組織でした。

 まぁ、死ぬほど勉強して一流大学に入ったからこそ、エリート入社できるわけで、それはそれでそういう時代だったと思うのですが。

 個人的に、その会社が特徴的だったのは、一番下の平社員コースで入った人にも特権が存在したこと。
 例えば、最初理解できなかったのが、40代後半で「課長昇進」の話が来ると断る社員。
 何でかというと、課長になると管理職になってしまうので、退職が5年早まってしまうのだそうです。

 従業員でいれば、たいして仕事をしなくても雇用は組合に守ってもらえるし、もう5年確実に在籍できるので、当然選択肢は昇進拒否。そういう人は「部長代理」という課長より偉いんだか偉くないんだか良く分からない肩書きが名刺に刷ってあったりします。
 で、年功賃金で積みあがった1000万近い年収を退職まで、ほぼ確実にもらい続けられたわけです。
 
 まぁ、10年も昔の話なので、今はもう事情が変わっていることとは思いますし、このような話が他の一般的な企業で存在するのかどうかは良く分かりませんが、明らかに彼らも今の私たちからすれば特権階級。
 そう考えると、いわゆる「勉強」特権階級というのは、かなり幅広い人を対象と呼べるのではないかと思ってしまいます。

 もちろん、エリートレベルの「勉強」特権階級の没落と同様、こういう終身雇用に守られていた特権階級を維持できる企業も中長期的には減少していくでしょう。
(ただ、この辺は何となく終身雇用制度の終わりの話であって、今議論されているチープ革命の影響の話とどれだけ連動しているのか、正直良く分からないところもあります。)

 逆に、じゃあ能力給の会社で若いうちに高いサラリーを狙っていくのが幸せな時代が来たかというと、どうもそうでもなさそうなのが悩ましいところ。

 先日、人材系の会社の社長さんと話をする機会がありましたが、何でも今一番危機意識が高いのは年収2000万円とか3000万円とか、もらっている外資系の日本法人社長のような人々だそうです。
 こういう人は私たちからすると実にうらやましい高年収なわけですが、彼に言わせると「結局のところ所詮雇われ人」。業績が悪ければ本社の意向一つで簡単に首が飛ぶし、日本法人自体がたたまれることもある。そうなった時に、年収を維持できる次の仕事が見つけられるなんて限らないわけです。

 長期的に年収300万円時代なんていわれる中で、高サラリーの人間というのは実は生活水準も高くなってしまっていて、潜在的にリスクを抱えてしまっている。ということだそうです。
 
 つまり、
 「若いうちに死ぬほど勉強して大企業に入れば一生安心」
 という選択肢は終わりつつあり。
 「若いうちに高サラリーの会社に入ってアーリーリタイア」
 なんて人生もそれほど良くなさそうという八方塞のような話。

 人生のどこかの頑張りのストックで、会社での評価が一生維持されるという時代は、変化のスピードの圧倒的な高速化によって終わってしまいつつあるということなのでしょうか。
 
 まぁ冷静に考えれば、若いときだけ努力すれば後は努力しなくても報われるという昔が極端だっただけで、今は当然の時代になったということもできますし。
 もちろん、変化が好きな人にとっては面白い時代なわけですが。
 今の60代の人たちを見ていると、たまにちょっとうらやましくなったりもするのは私だけでしょうか?
 
 
 ちなみに、その社長さん曰く、一つだけ今でも若いうちにストックする生き方があるそうで。

 それは、若いうちにとにかくリスクを取って起業して、ある程度の資産をストックしてしまうという生き方。
 いわゆる金持ち父さんと言えばいいのでしょうか。

 まぁ、それができれば苦労はしないんですが・・・

特権階級の没落を、他人事として捉えていて良いのだろうか

My Life Between Silicon Valley and Japan – 「勉強」特権階級の没落を読んで。

 梅田さんの「勉強能力」周りの記事が、話題を呼んでいるようですね。

 相変わらず自分の中で、ブログ経由の情報収集能力がオーバーヒートしている状態だったので、関連する記事を全て読めているわけではないのですが、改めて自分のことに置き換えて読むと非常に考えさせられるところがあります。

 何と言っても、主なテーマとなっているのは「これからの十年」で重要なのはどのような能力なのか?という人生論に近いテーマですから、人によって意見が異なるのも当然。
 関連する記事を並べてみると、実に様々な議論が行われているのがわかります。

 もともとの話の始まりとなっているのは梅田さんの下記のエントリ群。

 梅田さん:「これからの10年飲み会」で話したこと、考えたこと
 梅田さん: 「勉強能力」と「村の中での対人能力」
 梅田さん:「知の創出」のコモディティ化への戸惑い
 梅田さん:同世代の企業人を見つめて悩んでしまうこと
 
 最後の記事では「「勉強能力」という言葉の定義も含めて、このテーマについては、いただいたご意見を発酵させた上でいずれまた書きたいと思います。」と、いったん区切るように発言されたのですが、その後、徳保さんや、楠さんの下記記事などが触媒となり、議論が更に深まっています。

 徳保さん:梅田望夫さんが見ている、どこか遠い世界
 徳保さん:勉強のできない人から職を奪う生き方の提案
 梅田さん:「ブログは面白いな」と改めて思った
 楠さん: わたしのチープ革命
 梅田さん:「勉強」特権階級の没落 
 加野瀬さん:「頭のいい秀才くん」と「村の中での対人能力だけが高い人」という存在
 essaさん:チャレンジする生き方とチャレンジしない生き方
 R30さん:マスコミ人の行く末は「没落」しかないのか?

 まだまだ、濃いブログがあるので、興味がある方はトラックバックから辿っていただくとして。

 あらためて思うのは、上記で議論されているのは、別に一部の業界とか、一部の特権を得た人の話ではなく、私たち自身の話なんだよなぁということ。
 つい議論の一部の流れだけを見ていると、他人事のようにも思えてしまいますが、ここで議論されているのは、自分たちはどうあるべきかという話。
 俺には関係ないな、と見過ごせないのが、議論が盛り上がっている理由のようにも感じてしまいます。

 
 個人的に最近強く感じるのは、結局インターネットだとかチープ革命だとかが影響を与えるのは、私たち自身の未来なので、おそらく自分でこうやって日々、必死に自分の未来を考え続けるしか対応策はないのだろうな、ということ。

 先週末に、この辺りの不安を濃い人々に相談する機会があったのですが、そこでも話題になったのは「変化にいかに対応するか」という趣旨の話でした。
 

 これまでの日本の多くの産業は終身雇用を前提に出来るほど、それほど極端な変化に見舞われること無く皆で成長できたわけで。
 そういう世界の中では、「若いころに死ぬほど努力していれば後で楽ができる」というストック型の人生が歩めたわけです。

 例えば、東大に入って一流企業に入り、そのまま幹部コースを歩むとか、会計士の資格を取って事務所を開くとか。
 別にこれはエリートだけの話だけではなく、普通のサラリーマンも、若いころの努力の結果として、ある一定の企業に入ってしまえば、それで一生食わせてもらえる人生があったわけです。
 

 ただ、最近は変化のスピードがどんどん早くなり、事前に積み上げた努力の成果が、あっという間に流されてしまうリスクが高くなっている気がします。

 今、業界の頂点に存在するIT企業が、10年後にもその地位にいると誰が信じられるでしょうか?
 もし、その企業が10年後にその地位にいないのであれば、その会社でリストラや賃下げが発生しないと、誰が言い切れるでしょうか?
 そのとき、自分のその対象にならないと、自信を持って言い切れるのでしょうか?

 これまでは、会社が従業員を守ってくれたかもしれませんが、これからは、明らかにそれができるのは明らかに一部の企業だけ。
 結局のところ、自分の未来を自分でどのように守るのか、それを自分で考えるしかないのでしょうね。

 だからといって自分がどうすればいいのかは、何だか書いてても、まだ考えが上手くまとまらないのですが・・・

インターネット企業は、GoogleやYahoo!に買収されてなんぼ?

メディア・パブ: 米Google,次はどの会社を買収するの?を読んで。

 米国の人気ブログで、「米Googleが次に買収する会社はどこか」というテーマが議論されているそうです。

 候補のリストには、日本でも一部でおなじみのTechnoratiやdel.icio.us、日本上陸が噂されるTivoから聞いたことも無いサービスまで数多くの名前が挙がっています。

 逆に言うと、他に何があったっけ?という印象があるようなリストになっていますね。

 最近は、ちょっと話題になったネット上の注目サービスは、結構早い時期に大手に買収されてしまう印象があります。
 例えばRSSリーダーのBloglinesは、アスクジーブスに買収されたと思ったら、そのアスクジーブスごとIACに買収されました
 写真共有サービスのFlickrがYahoo!に買収されたのも記憶に新しいところです。

 いよいよネット上のサービスは、いくつかの大手に収斂されようとしているようにも見えてしまいます。

 先週、「ヤフーのモノマネ戦略こそが、ヤフーの強さとなるのか」と書きましたが、結局のところ、高い集客力を誇るサービスを持っている企業のほうが、既存顧客に新サービスを紹介しやすい分、どうしても優位になるというのは至極当たり前です。

 さらにGoogleやYahoo!のように、広告事業など別のサービスで資金を回収できる企業に買収されれば、単独での黒字化を無理に目指す必要もなくなります。

 例えばGoogleに買収された企業に良く見られるのが、買収によるサービスの無料提供や値下げです。
 写真管理サービスのPicasaはそれまで有料で販売していたソフトウェアを、Google買収後ネット上で無料配布するようになりましたし、衛星地図のKeyholeは7日間の無料試用期間を設けて使用料を大幅値下げしました。
 競合事業者からしてみれば、ライバルが急に無料で製品を配ったり、格安キャンペーンを始めるわけですから、たまらないでしょう。

 下手に単独で頑張っている間に、競合が買収されてそういう事態に陥るぐらいなら、自社をGoogleやYahoo!に早期に売却して楽になる、というのは明らかに良い選択肢に思えます。
 
 結局のところ、インターネット事業においては、利用者から収入を得るよりも、大量の利用者を確保してその視聴率や利用時間をもとにした広告事業を収入の柱にしたほうが、事業を構築しやすいということなのでしょうか?

 そう考えていくと、今からGoogleやYahoo!を越える企業を作るのは不可能に近いようにも思えてしまうのが残念ですが・・・
(まぁ、一昔前にはMicsoftと戦える企業が出てくるとは想像もできなかったですから、そういう時にこそ次のチャンスがあるのかもしれませんね)

ヤフーのモノマネ戦略こそが、ヤフーの強さとなるのか

ヤフー、シンプルながら機能強化した新検索「Yahoo! SEARCH」ベータ版を公開 – CNET Japanを読んで。

 遅ればせながらYahoo! SEARCHを使ってみましたが、本当にGoogleをほうふつとさせるデザインですね。
 モノマネと批判される向きもあるようですが、さすがにここまで同じだとちょっと笑ってしまいます。

 ちなみに、今週頭にCNET Japan Innovation Conferenceに参加してきましたが、その場で印象に残っているのがヤフーの人が講演で「Googleの検索エンジンとの違いは何か?」と質問されたときの対応。

 細かくは覚えていませんが、とにかく「大きな違いはない」との趣旨の発言をしていたのが印象に残っています。
 

 要は、現在開発しているYahoo!の検索エンジンは、Googleの検索システムに追いつこうとはしているけれども、追い抜こうとはしていないと暗に表現していると言ってもいいぐらいです。

 ある意味ビジョンが無いと批判しやすい部分ではあるのですが、このあたりに同じサービスを提供していれば負けないというヤフーの自負を感じないでもありません。

 以前にR30::マーケティング社会時評の「ネット時代の「マネ下デンキ」戦略の成否」という記事がありましたが、まさにヤフーのスタンスはネット業界の松下電器。
 R30さんが書かれているように、「「後からかならず、無難な、合格点の」商品を出してくる」という印象があります。

 新製品への挑戦はネット業界のソニーたるGoogle等のほかの企業に任せておき、これが来そうだと思ったらしっかりと類似のサービスを自社のポータルで立ち上げる。
 特に、日本においてはヤフーのポジションは圧倒的ですから、その特徴が上手く機能している感じはします。
 過去に紹介したようにサービスラインアップをとにかく揃えてくる印象がありますし、最後発に近いブログサービスもしっかりキャッチアップしましたし、海外ではGoogleがリードする検索ポータルとしての地位も、日本では依然ヤフーのほうが圧倒的に強いと聞きます。

 
 ただ、CNETのConferenceのプレゼンテーションでは、あまりYahoo!のプレゼンが目立たなかったのに対し、GoogleのGoogle Earthのデモが歓声を呼ぶほど注目を集めたのもこれまた事実。
 ASCII24の記事にあるように、「会社がどれだけ大きくなっても「“ユーザーエキスペリエンスを向上させる”というGoogleの目標は変わらない」と説明」するなど、Googleには一貫したビジョンや、先頭を走っていくという自負が感じられます。

 果たして、モノマネという批判を受けつつも、なんだかんだ全てを吸収していこうとするヤフーが強いのか、ビジョンを持って先頭を走るグーグルが強いのか、個人的にはどうも良く分からなくなってきました。(まぁ、そもそも両方強いし、もちろん国による違いとかいろいろあるんでしょうけど) 

 結局はネット上のサービスは、IDや利用時間の奪い合いになっている感じもするので、各事業者とも同じようなサービスラインアップをそろえる様になってくるのかもしれませんが・・・

Microsoftの広報ブログ責任者が、スカイプの盛り上がりをリードする?

スカイプ・テクノロジーズ,日本市場開拓に向けパートナ・プログラムを公開 : IT Pro ニュースを読んで。

 Skype Nightなるイベントに参加してきました。
 要はスカイプのパートナープログラムお披露目会だったわけですが、驚いたのは何と言ってもその盛況ぶり。
 
 100人ぐらいのイベントじゃないかと聞いていたんですが、蓋を開けたら300人を優に超えそうな混雑具合。
 しかもこれまでの技術に興味を持って集まっていた人々だけでなく、明らかに無いスーツ組の増加が目立ち、いよいよ日本市場においても、Skypeはビジネスの対象として認知されつつあるという印象も受けます。

 ちなみに記事ではほとんど紹介されていませんが、個人的に注目したのはイベントでプレゼンテーションを行ったLenn Pryor氏。
 この人、実はHK’s Pageに書かれているように4月にMicrosoftからSkypeに移ることが明らかになって話題になった有名人です。

 Microsoftのブロガーといえば有名なRobert Scoble氏がいますが、もともと彼らを公認ブロガーとして企業広報に活用しようと動いていたのがこのLenn Pryor氏だそうで(詳細はネットは新聞を殺すのかblogの記事を参照のこと)。

 そういう意味ではブログなどのツールを使ってユーザーや開発者を巻き込んだPR活動においては、プロ中のプロと言っても良いはずです。
 そんなPryor氏がSkypeで開発パートナー開拓をリードするわけですから、注目しないわけには行きません。

 今回のプレゼンテーションでは、それほど目新しい話はありませんでしたが、ITProのインタビュー記事を見る限りかなり日本市場に対するプランも練ってきているように見えます。

 ちなみに、ITProの記事では、日本市場における課題を(1)アフィリエートプログラムなどを使った、Skypeのプロモーション、(2)フュージョンとの提携を含めた、一般電話網との接続機能の強化、(3)ユーロ建てだけだったSkypeOutなどの販売を円で行うといった、販売方法の改善 (4)開発パートナーとの改善強化 の4つ挙げていますが、今回発表したバリューコマースとのアフィリエイト連携といい、開発パートナー向けプログラムの発表といい、着実にプランを進めてきている印象があります。
 

 実際、懇親会ではPryor氏の周りから人が切れることはありませんでしたし、11月には日経コミュニケーションズが主催でSkype Dayなるイベントも開催されるなど、着々と日本でもスカイプを担ぐビジネスを盛り上げる仕組みづくりができているようにも見えます。

 はたして比較的ソフトフォン等に対して保守的といわれる日本市場でも、スカイプはパートナーを増やし、IP電話サービスの主流として成功することが出来るのか。
 今後のPryor氏の活動に注目したいと思います。

 ちなみにITmediaに清成さんの「Skypeと無線ブロードバンドが及ぼす通信業界への影響 」という非常に濃い記事が掲載されています。

 ネット記事には珍しく7ページにも渡って、Skypeだけでなく今後の通信業界を考察した内容で、こちらも必読です。