ブログクラブの告知忘れついでに、もう一つ8月にAMNの大事な新活動が始まっていたのを紹介し忘れていたので、ご紹介。
その名も、「甲斐祐樹が聞く大ヒットマーケティングの“秘密”」
そう、AMNの期待のホープ、甲斐さんによる企業のマーケティングや広報の担当者インタビュー企画です。
マーケティング業界の事例共有が大事だと思っているという話はWOMJの事例共有セミナーの記事の時にも書きましたが。
事例共有セミナーだと会場に来れる人しか話を聞けないので、こちらのインタビュー記事は、もっと幅広い人にネットを上手く活用しているマーケティング事例を知ってもらう機会になればと企画したもの。
タイトルは、大ヒットマーケティングになってますが、どちらかというとマーケティングの単発の企画としては賞を取ったりするような派手さはないけど、地道にネットを上手く活用している事例が中心になってくると良いなと思ってます。
で、最初のインタビュー事例としてお願いしたのは、個人的にも非常に思い入れのあるサントリーさんのハイボールに関する一連の取り組みです。
サントリーさんのハイボール関連の企画は、AMNとしても、私個人としても、ハイボールナイトのきっかけになった白州蒸留所ツアーに参加させて頂いたので、ちょっとひいき目に見てしまっている点はあるとは思いますが。
それを差し引いてもあまりあるほど、いろんなことを教えてくれる事例だったと思っています。
なにしろ、個人的にも非常に驚いたのがハイボール効果もあって、11年ぶりにウイスキーが増産されたというニュース。
ブログクラブを通じて、AMNで取り組んでみたい3つの妄想
8月にAMNでリリースしたブログクラブですが、なんとサービスのリリースからもうすぐ1ヶ月近くが経過しようとしてしまっているのに、今日の今日まで全くブログで言及していないと指摘されてしまいました。
WISH2009の直前だったからというのは、完全に言い訳ですが(汗)
今更ながら告知も兼ねてサービス開発の背景を書いておきたいと思います。
まぁ、正直なところサービスの内容としては、まずはようやくリリースできたというのが現状で、理想としている状態にはまだまだほど遠いのですが。
このブログクラブには、今後AMNで取り組んでいきたいと思っているいろんな思いが詰まっています。
AMNでは、これまでも様々なイベントであったり、モニターであったりと言った、企画を実施してきましたから、他のブログマーケティング事業者が提供しているような、会員向けの企画申し込み用のシステムについては昔から必要だという話がずっとありました。
ただ、何となく単純に案件登録用の会員システムを作るだけだと、ペイパーポスト系の事業者と何も変わらなく見えてしまいますし、なんだかAMNで本当にやりたかったはずのメディア作りからどんどん離れていき、他の事業者と変わらない単なる企業の要望をこなす仲介型のマーケティング会社になってしまいそうで、何となく気が進まず2年が過ぎてしまったというのが正直なところ。
そこで、今回のブログクラブでは、できるだけブログを書いている人にとって、面白かったり、何かの役に立ったりするサービスにしていこうというところに、できるだけこだわっていきたいと思っています。
ということで、個人的に今後ブログクラブ経由で取り組みたいなと思っているのは、下記の3つ。
(まぁ、正直ちょっと曖昧すぎて個人的妄想ベースですが。)
「名著「グランズウェル」に学ぶソーシャルメディア活用の5つの可能性」を日経NMに投稿しました。
日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
今回も、製品名で検索した場合の検索結果の考え方について紹介してみました。
不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
■名著「グランズウェル」に学ぶソーシャルメディア活用の5つの可能性
「前回までのコラムでは、主にテーマ別の情報やメディアが、どのようにマーケティングに影響を与えているかという点について考えてきました。
当然、マーケティングに携わる方からすると、現状の把握を行うだけでなく、さまざまなマーケティング手法を活用して現状をいかに改善していくかという点が重要になります。分析手法ばかりでなく、製品の売り上げを直接的に向上させる手法を知りたいという方は多いでしょう。
そこで、今回は「グランズウェル」という本を参考に、ソーシャルメディアを活用したマーケティングの基本的なアプローチ方法をご紹介したいと思います。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
ad:tech Tokyoで思う広告とか技術とか、いろんなものの境界線の無意味さ
先週の9月3日と4日の二日間、ad:tech Tokyoに参加させて頂きました。
世界最大のデジタルマーケティングカンファレンスの日本初開催という、非常に歴史的なイベントにスピーカーとして参加することができて、本当にラッキーでした。
自分の担当セッションの内容自体は、すっかり会場の雰囲気に飲まれてしまっていたのでいろいろ後悔するとこもあるのですが、そちらの総括は別途させて頂くとして。
いつも通りレポートが遅くなってしまいましたが、とりあえずイベント全体の感想をメモしておきたいと思います。
個人的に、今回のad:techで特に印象に残ったのは、もはや「広告業界」とか「IT業界」とか、「マス」とか「ネット」とか、「オンライン」とか「オフライン」とか、「宣伝」とか「販促」とか「PR」とか、そういったこれまで明確に存在すると思われていた境界線は、どんどん溶け始めているのではないかということ。
参加者によっては、ad:techというタイトルのadは外してもいいのではとか、逆にtechが誤解を生むのではないかというようなことを書かれていますが、その個別の指摘には賛同しつつも、なんとなくこのad:techという何かを表しているようで表していないタイトルこそが、ad:techの存在意義なのではないかというのを感じる二日間でした。
7月に「「ad:tech Tokyo」にみる米国式ボトムアップでのイベントの作り方」という記事を書いたときには、自分がad:techの本質をちゃんと理解できていなかったということが、今となってははっきり分かります。
私が担当したセッションは、ブログマーケティングに携わるパネリスト3者という、ある意味では非常に分かりやすい一般的な業界解説セッションだったのですが。
個人的に、ad:techならではだなと思ったのは、やはり広告代理店、クライアント、ネット事業者など、異なる業界の担当者が混じり合って議論を重ねた業界横断セッション。
ハッカーと画家 (Paul Graham)
「ハッカーと画家」は、様々な面白いスタートアップを支援している企業として知られるY Combinatorのポール・グレアム氏が書いた書籍です。
以前から気になりつつ読んでいなかったのですが、何となく買って読んでみました。
ハッカー向けの本と言えるので、私のような文系人間には少し難しいところもあったのですが、さすがシリコンバレーだけでなく日本にも多くのファンがいるポール・グレアム、と思わせる本です。
「ハッカーは規則に従わない。それがハッキングの本質なんだ。それはまた、アメリカ的であることの本質でもある。シリコンバレーが、フランスやドイツやイギリスや日本ではなく米国に現われたのは偶然ではない。他の国々では、色を塗っても線からはみ出す人はいない。」というくだりには、ちょっと悔しい思いも感じつつ、ご指摘の通り、と思いつつ、だったりするのですが。
こういった本によって影響を受けた新しい世代が、日本でもシリコンバレー的なコミュニティを作っていってくれるといいなと思ったりします。
日本や世界を変えるような大きなインパクトのあるサービスを作ってみたいと思っている方に、特にお勧めしたい本です。
【読書メモ】
■几帳面なんて言葉は、優れたプログラマがソフトウェアを書く仕事ぶりからは最も無縁なものだ。コードは、ピラミッドみたいに、慎重な計画をしてから苦労して組み立てていくものじゃない。
■学校の表向きの目的は子どもを教育することだ。しかし、本当の目的は、日中、子どもを一カ所に閉じ込めておいて、大人が仕事ができるようにすることにある。
■問題なのは、子どもが刑務所に囚われていることではなく、そのことを子どもが知らされていないこと、そしてその刑務所が主として収容者自身によって運営されていることだ。
■大企業が出力のばらつきを抑えたがるのは、大失敗を避けたいからだ。でもばらつきをなくすと、低い点は消えるけれども高い点も消えてしまう。大企業ではそれは問題じゃない。大企業はすごい製品を作ることで勝つのではなく、他の企業よりも下手を打たないことで勝つからだ。
■レオナルド・ダ・ヴィンチの時代には、絵画はそれほどクールではなかったが、彼の作品のおかげで後世ずっと重要視されるようになった。ハッキングがどれだけクールになるかは、私たちがこの新しい表現方法で何ができるかにかかっているんだ。
■醜い回答と、独創的な回答には、共通点がある。両方とも、ルールを破っているということだ。そして実際、ルール破りの単なる醜いやり方と、ルール破りの素晴らしい独創性とは、一続きのスペクトルの両端にある。
■ハッカーは規則に従わない。それがハッキングの本質なんだ。それはまた、アメリカ的であることの本質でもある。シリコンバレーが、フランスやドイツやイギリスや日本ではなく米国に現われたのは偶然ではない。他の国々では、色を塗っても線からはみ出す人はいない。
■間違うのは自然なことだ。間違いを大失敗のように考えるのではなく、簡単に見つけて簡単に直せるようにしておくことだ。ダ・ヴィンチは絵画においてより多くの可能性を試すことができるようにスケッチを発明したといっても、当たらずとも遠からずであろう。オープンソースソフトウェアはバグの可能性を認めているがゆえにバグが少ない。
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ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち Paul Graham オーム社 2005-01 by G-Tools |
「価格.comやAmazon.co.jpでの否定的なクチコミに対抗策はあるのか?」を日経NMに投稿させて頂きました。
日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
今回も、製品名で検索した場合の検索結果の考え方について紹介してみました。
不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
■価格.comやAmazon.co.jpでの否定的なクチコミに対抗策はあるのか?
「前回のコラムでは、検索エンジン上でネガティブなクチコミ情報が上位に掲載されてしまった場合に、そのネガティブ情報の影響をどう最小限に抑えるべきかという話を紹介しました。
ただ、利用者が製品購入を検討する上で、ツールとして重要となるのは検索エンジンだけではありません。忘れてはならないのは、価格比較サイトの「価格.com」やEC(電子商取引)サイトの「Amazon.co.jp」など、クチコミ投稿を受け付けるサイト(ここでは便宜上、クチコミ情報サイトと表記します)に書かれているクチコミ情報です。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。