「企業が自ら“メディア”を構築できる時代に」を日経NMに投稿しました

nikkeinetmarketing_logo.png 日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
 今回も、前回に引き続き、私なりのAISASの考え方をマーケティング手法にどう使うかという話を書いています。
 不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
企業が自ら“メディア”を構築できる時代に:日経ビジネスオンライン
「前回のコラムでは、後発の企業でも自社独自のニッチなセグメントのキーワードを定義することで、それぞれの分野のトップを目指せるという話を紹介しました。
 特定のキーワードで検索した場合に上位に表示されることができれば、その分野においての権威とみなされることが可能。これが、企業がSEOに力を入れるべき一つの理由といえます。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
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正力松太郎 「巨怪伝」 (佐野 眞一)

4167340038 「巨怪伝」は、読売中興の祖として知られる正力松太郎の人生をつづった書籍です。
 いしたにさんがブログで紹介していたのを読んで気になっていたのもあり、購入してみました。
 読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 竹鶴政孝や、吉田秀雄のストーリーも非常に刺激的だったのですが、正力松太郎のストーリーは正直予想を上回る衝撃でした。
 
 なにしろ、正力松太郎はプロ野球の父であり、テレビ放送の父であり、原子力の父。さらにはJリーグの父でもあり、プロゴルフの火付け役でもあり、新聞業界にも大きな影響を与えた人物。
 普通なら1つ1つのストーリーだけでも一冊の本になりそうなものなのに、それが一人の人物を中心に動いていたというのだから、すさまじい話です。
 もちろん、これらの全ての偉業は正力松太郎一人の力ではなく、彼を取り囲む、もしくは巻き込まれた多くの努力や才能によって成し遂げられているわけですが、試行錯誤の末に造り上げられた「常識」だと思っていた業界構造が、一人の人間の執念によってかたどられた物だったと思うと、なんともいろいろと考えさせられるところがあります。
 今の世の中や業界の常識が、論理的に正しく作られていると思い込んでいる人は、是非この本を読んで見ることをお勧めします。
【読者メモ】
■「それまでプロ野球は人気があるとはいえ、まだマイナーなスポーツだったんです。選手の社会的プレステージも低かった。それが、あの”天覧試合”で、一気にメジャーなスポーツになった。」
■「警察の民衆化」と「民衆の警察化」
 「警察の民衆化」によって大量の増員を図った警察は、その一方で「民衆の警察化」を図って、一般民衆を警察のもとにとりこんでいった。
■正力という男は、他人のために働くような男ではなかった。もし正力が他人の意を体して働く陰謀家タイプだったら、後藤との”千古の美談”を自ら喧伝することはなかったはずである。正力はいわば”陽望家”ともいうべきタイプの男だった。
■政治家を志望した正力の直接の狙いは、恩人の後藤新平を総理大臣に押し上げるところにあった。それが読売新聞を伸ばすという方向に変わっていったのは、昭和四年、後藤が亡くなり、当面の目標を失ったためだった。
■正力氏の「大胆な、素人の知恵」が、新聞界において「読売」を今日の位置に引き上げた
■当時正力は「新聞の生命はグロチックと、エロテスクとセセーションだ」と胸をそらして語り、心ある人々から「正力という男は英語の使い方も知らないのか」と失笑を買ったが、正力の編集方針はその言葉通り、徹底した大衆迎合路線、もっと言えばイエローペーパーづくりにあった。

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「後発企業でも検索結果の上位に登場可能」 を日経NMに投稿しました。

nikkeinetmarketing_logo.png 日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
 今回も、前回に引き続き、私なりのAISASの考え方をマーケティング手法にどう使うかという話を書いています。
 不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
後発企業でも検索結果の上位に登場可能:日経ビジネスオンライン
「前回のコラムでは、インターネットにおいては事業ドメイン検索を制することが、より重要になってきているという話を紹介しました。
 ただ、実際には検索回数が多い事業ドメインのキーワード、いわゆる「ビッグキーワード」においてトップを取ることは非常に難しいのが現状です。
 検索回数が非常に多いということはそれだけ検索している人が多いわけですから、そのうちのシェアを数%取るだけで、ある程度のアクセスが見込めると単純に考えてしまうかもしれません。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
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この人 吉田秀雄 (永井 龍男)

 「この人 吉田秀雄」は、電通中興の祖として知られ、広告の鬼とも呼ばれる吉田秀雄の人生をつづった書籍です。
 「ヒゲのウヰスキー誕生す」で竹鶴 政孝に感動したのもあり、ちょっと過去の起業家や事業家の勉強をしようと思い、購入してみました。
 読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。

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 有名な吉田秀雄の鬼の十則はWikipediaにも書いてありますがこんな感じ。
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
 文字だけでも激しさが伝わってきますよね。
 一方で情にあつい面もあったそうで、本書でもさまざまな逸話が取り上げられています。
 
 今でこそ、日本の広告業界において電通の存在は圧倒的な物がありますが、吉田秀雄という人がいなければ、電通という会社はもちろん、日本の広告業界もまったく違う姿だったのかもしれないと思うと、この人の存在の大きさが分かるというものです。
 今の電通、及び今の日本の広告業界がどのように形作られてきたのかを知りたい方には、参考になる点が多々ある本だと思います。

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竹鶴 政孝 「ヒゲのウヰスキー誕生す」(川又 一英)

 「ヒゲのウヰスキー誕生す」は、ニッカウヰスキーの創業者であり、『日本のウイスキーの父』と呼ばれている竹鶴 政孝の一生を綴った本です。
 昨年ニッカさんスポンサードで「シングルモルト余市」ブロガーミーティングを開催させていただいた際に、ニッカさんから本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 恥ずかしながら私自身は、竹鶴政孝という人については、ニッカさんのイベントを開催させて頂くまで何も知らなかったのですが、正直この本は読めば読むほど驚きの連続でした。
 なにしろ、竹鶴政孝はニッカウヰスキーの創業者というだけでなく、サントリーのウイスキー事業の生みの親、つまり日本の二大ウイスキーメーカーは竹鶴政孝という同じ父親を持っているわけです。
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 まぁ、そんな話はウイスキー通の方には当たり前なのかもしれませんが、更に驚くのがそのウイスキー造りを学んだ経緯。
 竹鶴氏が単身スコットランドに留学したのは1918年。なんと第一次世界大戦が終わった年です。
 当然、渡欧の手段と言えば飛行機ではなく船。
 留学という現在ではのんびりした印象を受ける単語とは、全く次元が違う挑戦です。
 
 さらに単身、醸造所を探し、ウイスキー造りを現場で学び、自らのメモと記憶だけを頼りに日本に帰ってきて。
 本当のウイスキー事業を日本で立ち上げてしまうわけです。
 本田宗一郎や松下幸之助、ソニーの盛田さんと井深さんなど、戦後の起業家の本は私もいろいろ読みましたが、竹鶴政孝は、そういう人たちとはまた全く違う価値観の世界を生きた凄まじい執念の起業家だと思います。
 そんな竹鶴政孝が立ち上げたニッカとサントリーのウイスキーは、いまや世界のウイスキーアワードで、本家スコットランドのウイスキーとトップを競い、シングルモルト余市1987に至っては、本家スコットランドのライバルを抑えて世界一になってしまったわけですから。
 それだけでも、日本人として誇りに思ってしまうストーリーだと思います。
 おかげで、個人的にも、しばらくご無沙汰だったウイスキーを、最近また楽しんで飲むようになっていたりします。
 この本は、残念ながらすでに絶版になっているそうなのですが、ウイスキー愛好家の方はもちろん、信念の起業というのがどういうものかということを知りたい方は、是非読むことをお勧めします。

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「笑えない事業ドメインの重要性」 を日経NMに投稿しました。

nikkeinetmarketing_logo.png 日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
 今回も、前回に引き続き、私なりのAISASの考え方をマーケティング手法にどう使うかという話を書いています。
 不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
「ソニーのiPodをください」が笑えない事業ドメインの重要性:日経ビジネスオンライン
「前回のコラムでは、企業サイトをパンフレットのような静的な資料としてとらえるのではなく、顧客に受動的に対応してくれるネット上の営業マンとしてとらえるべきという話を紹介しました。このなかで、特に注目していただきたいのは企業サイトの三つの役割の中で、三つ目に当たる「事業ドメインに関する情報を提供する機能」についてです。 」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
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