「コミュニケーションをデザインするための本」は、電通でコミュニケーションデザイナーをされている岸 勇希さんが書かれた書籍です。
29manさんに勧められたので買って読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
広告代理店の今後の役割を考える上でも、ネットとマスメディアの組み合わせを考える上でも、参考になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■電通では数年前から、自らの事業領域を「広告代理業」ではなく「トータル・コミュニケーション・サービス」と定義していることをご存じでしょうか。
■コミュニケーション・デザイナー
プロモーションやブランディングなどの広告キャンペーンから商品開発、事業企画に至るまで、企業と生活者の間に存在する、ありとあらゆるコミュニケーションを設計していく仕事
■メディア・ニュートラルな視点からみる3つの価値
・能動の価値:「検索(SEM)」と「WEB(サイト)」だけが能動的に接触するメディア
・信憑性の価値:広告に対してそもそも懐疑的である現代の生活者は、同じ生活者の立場でShareされる情報に強い信憑性を感じます。
・話題創出の価値:より多くの人に同時に”気になる(Interest)”をつくれるのはマスメディアであり、これは逆にネットメディアの弱い点といえます。
■商品ターゲット=コミュニケーション・ターゲットと決めつけず、ある特定のターゲットにコミュニケーションを集中させ、話題の火種を作る方法もある。ただしその場合には、必ずその火種を本来の商品ターゲットにまで燃え広がらせていく施策が不可欠。
■マスコミへの取り上げられ方を意識してコンテキスト・デザインする
■普段、誰もが感じていることを可視化しPRに使う。
■漢検DSで機能した考え方
・広告コミュニケーションを展開する前に”広告が効きやすくなる環境づくり”を戦略PRによって行った
・「売る」を強く意識して全ての施策を設計した
■通常「インサイト」というとターゲットを分析するという意味の「ターゲット・インサイト」を指すことが一般的ですが、それだけでは不十分です。コミュニケーション・デザインの初動は、社会の動向を分析する「ソーシャル・インサイト」、クライアントの動向を分析する「クライアント・インサイト」から始まります。
■コミュニケーション・デザイン3つの意識
・Neutral 固定概念や思い込みを捨て、問題解決の方法をニュートラルに考えられているか?
・Simple キャンペーンの構造がどんなに複雑だったとしても、生活者が広告に接触した瞬間のコミュニケーションはシンプルでわかりやすいものか?
・Faithful 課題解決に対して、誠実に臨んでいるか?単に”新しいから””面白いから”など、企画側のエゴだけになっていないか?
■コミュニケーション・デザイン5原則
・思い込まずにインサイト
・課題解決のためにありとあらゆる手法、選択肢を考える
・メディアと表現を分離しない
・仕組みではなく、気持ちをデザインする
・結果に固執する
「課題先進国」日本 (小宮山 宏)
「課題先進国」日本は、タイトル通り、日本が抱えている様々な課題についてのあるべき姿勢を考察している書籍です。
梅田さんがブログで紹介されていたので買って読んでみていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
日本の将来についてついつい悲観的になってしまう方には、刺激になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■先進国は自らの課題を解決して世界を先導した
1989年の名誉革命:イギリスは政治的大混乱という国の大課題に直面して、それを議会制民主主義というこれまでなかった制度を作り上げることで解決し、その後の世界の範となったのである。
■寺子屋という庶民教育の発展
幕末期には、江戸に約1500、全国ではおよそ1万5000の寺子屋があったといわれ、江戸における嘉永年間(1850年ころ)の就学率は70~85%と、先進諸外国に比較して圧倒的な高さを誇っていたといわれている。
■アジアの国々はほとんどすべてが列強の植民地にされてしまった。
日本人には国を守る強い意志と文化があり、その結果、植民地化されないですんだのだ。
そして、生産力と生産技術に、大きな彼我の差があることに気がつくと、日本は対外姿勢を全面的に変えて、欧米のすべてを導入することに決めてしまった。
■「課題先進国」から「課題解決先進国」に
日本の課題は、将来の世界の課題であるから、その課題を解決するということは、人類のこれからのモデルを提供することになるのだ。
■物質としての問題
エネルギー資源の問題、温暖化の問題、水の問題、食糧の問題、環境の問題
■ビジョン2050
・徹底したリサイクルによる物質循環システムの構築
・エネルギー効率を現在の3倍に引き上げる
・自然エネルギーの利用を現在の2倍に引き上げる
■過去は分析で足りるが、未来の洞察には基礎が不可欠だ。
現実をよく把握して、基礎的にものを考えるという姿勢が非常に大切である。
■アメリカ「では」こうやっているという「出羽の守」ではダメ
■グーグルは、ジグソーパズルの無数のピースを持ち、100でも1万でも1億でもピースを集めてくるが、できあがり図を描くことはできない。
ピースを想像しながらできあがり図を描くのが人の頭である。
■優れたビジョンの構築に成功しやすい方法
・可能な限り問題を具体化する
・問題が1億枚の全体像を含むことを、納得して議論を進める
・シャーロック・ホームズのような思考方法を試みることだ。ひらめきである。
ホームズのような才能に恵まれない私たちにもそれを可能にしてくれるのが、人と人との議論だ。(正反合の合を求める)
■上意下達から「議論とスピード」へ
日本人の心に、お上が何とかするという上意下達の意識が脈々と流れている。
私たちは議論の仕方を身につけなければいかねい。醸成すべきは議論の風土である。
■失敗の総括
社会がいろいろな実験を許して、うまくいったものを広める、というカルチャーを育てなければならない。
きちんと失敗を分析して、それを次に活かすのは当たり前のことだ。しかし、それが日本で行われていない。
■フロントランナーは常に孤独
新しいことを提案すると、人は必ず「それは誤りだ」という。
少し進み出すと、「誤りではないが、できるはずがない」となる。
できそうになってくると「できるかもしれないが、できても意味がない」となる。
そしていよいよできると「やっぱり、私の言ったとおりだ」と言う。
言われた仕事はやるな!(石黒 不二代)
「言われた仕事はやるな!」は、先日上場したネットイヤーの社長をされている石黒 不二代さんが書かれた書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
シリコンバレー的な仕事のスタイルを日本でどう参考にするべきかというのを考えている人には、参考になる点のある本だと思います。
【読書メモ】
■自分の力でコントロールできないこと=リスクである。
■シリコンバレーにおいてさえ、1980年まで、起業家はロールモデルとは見なされていなかった。
■ターマン氏は、他の教授や学生たちと産業界との結びつきを強くするために、学生には企業へのフィールドトリップをさせ、産業界へのミーティングにも自ら頻繁に出席をした。リサーチセンターを作り、学校周りの企業に教室を開放し、大学での聴講を勧めた。
■スタンフォード大学が促進したいのは、競争ではなく、その力や知識を共有すれば、1+1が3になるという方程式だ。
■ハイテククラブの主要な活動というのは、シリコンバレーにある有名ハイテク企業、もしくは、いけてるスタートアップの創業者を呼び、彼らのスピーチをきくとか、こぢんまりした部屋で話し込むというものだ。
■私たちはシリコンバレーが失敗を許してくれることを学んでいた。ジョブスだって失敗する。しかし、ジョブスにさえ、失敗を受け止めることは、簡単なことではなかった。
■本当のリスクとは・・・会社が大きくなることだ。
自分が背負いきれないほどの従業員とその家族。株主を抱えること。それが本当のリスクだ(スコット・マクネリ)
志マーケティングのすすめ (藤巻 幸夫)
「志マーケティングのすすめ」は、福助株式会社の社長をされている藤巻 幸夫さんが書かれた書籍です。
東急エージェンシーさん経由で献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
小手先だけでないマーケティングについて考えてみたいという方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■売るための3つの要素
・MD(マーチャンダイジング)
・VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)
・広告・宣伝・PR
■マーチャンダイジング、すなわち戦略的な品揃え。その大きな幹の一つがデザインだ
■VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)マトリックス
縦軸にあるのは「モダン」と「クラシック」
横軸にあるのは「エレガンス」と「カジュアル」
■ブランドにはフィロソフィー、ヒストリー、そしてストーリーの3つが必要だ
■消費者の心を打つ広告・宣伝を実現したいのなら、商品開発の段階から参画するしかない。
■ワンマイル族
いま、「クルマはいらない」「酒は飲まない」「海外旅行?めんどくさい」、そんな若者が増えているという。行動半径は自分の周辺1マイル。趣味は貯金。
デザインのたくらみ (坂井 直樹)
「デザインのたくらみ」は様々な革新的なデザインで知られる坂井 直樹さんの書籍です。
オフィスにお邪魔した際に光栄にも本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
デザインというものの役割が製品の外側の見た目だけだと思っている方には、刺激になる点が多い本だと思います。
【読書メモ】
■「誰もやったことがないからこそ、やる価値がある。今、世の中に無いものを作ることにデザインの役割がある」
■顧客のハートシェア(心のシェア)を獲得する方法論
経営の軸を機能的価値からエモーション(感覚的価値)や意味的価値に重点を移している
■アップル社はデザインを経営資源にしている数少ない会社の1つ
デザインの基本は「複雑なものをシンプルに整理すること」
「デザインを単純化するために全力を尽くす。iPodやiMacにおける勝利や成功のひとつは、機能的な理由からそこにあってもおかしくない雑然とした要素を排除したことだ」(ジョナサン・アイブ:アップルのチーフデザイナー)
■テレンス・コンランは「編集者型クリエーター」の先駆け
「家具のレイアウトをすることや壁に掛ける絵を選ぶこともデザインであり、個人的な趣味を表現する人は全部デザイナーだ」
「デザインとアートの違いは、実用性にある」
「デザインとは、科学の実用化である」
デザインの価値は、作られた「目的」で測るのではなくて、実際に使いやすいかという「結果」で測られるべきだというのだ。
■ショッピングこそ誰でもができる最大の自己表現である
■モックアップは、大きく2つに大別できる
・デザインモデル:プロダクトの形状や色をチェックするためのもの
・ワーキングモデル:製品が上手く作動するかどうかを確かめるためのもの
■ブランディングの秘訣は「真実を告げること」(ジョン・ジェイ)
出会いの大学(千葉 智之)
「出会いの大学」は、「GREE」内のコミュニティを中心に「パワー・ランチ」「パワー・ディナー」を主催したことで知られている千葉 智之さんが書かれた書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
自分がどうも人脈をうまく広げられないと悩んでいる人には、参考になる点のある本だと思います。
【読書メモ】
■人脈ブランディング
自分の理想とする世界を人脈によって形づくり、より高いステップへと上がっていくこと
■逆ミラーの法則
イケてる人を映そうと思えば、ちょっと無理してでもイケてる人と交流すればいい
■主催者の5つのメリット
・情報が集まってくる
・人が集まってくる
・参加者をコントロールできる
・主催者というバリューが生まれる
・主催しないとわからない人脈ナレッジを学ぶことができる
■だれに対しても同じように振る舞う
■嫌いになるかどうかは、自分の都合次第