「パラダイス鎖国」は、Tech Mom from Silicon Valleyの海部美知さんが書いた新書です。
出版記念イベントの記事は書いたんですが、献本頂いた本のメモを公開していなかったので、遅ればせながら書いておきます。
個人的にも、今のインターネットによる日本社会の変化を、明治維新のアナロジーで考えることが多いので、パラダイス鎖国という表現は非常にしっくりくるところがあります。
もちろん、その発想はこれから明治維新的な変化が来てほしいという期待に影響されているところも大きいので、それが良いかどうかはまだ良くわかりませんが、現在の日本が海部さんの表現するパラダイス鎖国な状況になっているのは、特にIT系の産業を見れば明らかでしょう。
言語の壁で守られているソフトウェアやウェブサービスはもちろん、携帯電話やデジタル家電、PCなんかも最近はどんどん国内向けと、海外の認識のギャップが広がっている印象があります。
そんな中、個人的にこの本を読んで最も印象に残ったのは、「厳しいぬるま湯環境を人のつながりを中心として、バーチャルに作る」というくだり。
東京は距離も近いので、シリコンバレー的な理想郷を作るというのは物理的に難しいと思うのですが、海部さんが提言しているように、バーチャルにプチ変人を支援するコミュニティを構成するというのは、結構地味に効きそうな気がしました。
今年は、AMNとかブログとかで、そういう模索もしていきたいなーと思います。
何故、日本は変化をなかなかしないのか?と悩んでいる人は是非読んで下さい。
お勧めです。
おもてなしの経営学 (中島 聡)
「おもてなしの経営学」は、Life is beautifulの中島 聡さんが書いた新書です。
出版記念イベントの記事しか書いてなかったので、献本頂いた本のメモを公開しておきます。
中島さんは出版記念イベントでも何度も熱く語っておられましたが、やはりエンジニアにビジネスとか顧客のことをもう少し理解してほしいという思いが強い方なんだと感じています。
本の中でも、作るほうの自己満足のためのこだわりと、使う人の満足度をとことん上げるための「こだわり」は違うという話がでてきますが。
実際、ウェブサービスなんかでも、この点を意識しているかどうかで、サービスの人気の出方に大きな違いが出るのは明らかなのですが、特に受託仕事の場合には違いが分かりづらい点なのかもしれないと思ったりします。
そういう意味でも、個人的に最も印象に残ったのが梅田さんとの対談で出てきた「古い職業では「教育」というと大学教授になることだったりするけど、50年後には、ブログを書いたりインターネット上にコミュニティを形成することが、「教育」だと思われているかもしれない。」というくだり。
実際、中島さんや他のエンジニアの人のブログを通じて、若いエンジニアの人たちが、そういった経験を共有することが、教育的な効果を生んでいることは間違いないわけで。
それを一歩進めてブログを、「講座」的に運用してみるというのも面白いかもしれないなーと感じました。
そういう意味でエンジニアの人たちにはもちろんオススメなのですが、中島さんと上司の関係の話なんかも面白いので、今の職場環境に満足してない人には、参考になる話がいくつも見つかる本だと思います。
私がブログチャートというサービスを通じて表現したかったこと
公開からすっかり時間がたってしまいましたが、先日AMNとマイネットジャパンの共同開発で、ブログラボからブログチャートというサービスをリリースさせて頂きました。
今更ではあるのですが、もともとあのサービスで実現したかったことを、自分が忘れないためという意味も含めて書き留めておきたいと思います。
現在のところはブログチャートで、ぱっと見機能として選べるのは、ヒットチャート画面とブログランキング画面なので、サービスの印象としてはどうしてもランキングサービスという印象が強くなっていると思います。
ただ、個人的にこだわっていたのはブログチャートのロゴにある「Every Blog is Special」という点。
どうしてもブログの要素をポイント化をしてしまうと、一種類のランキングになりがちなのですが、実際にはブログと一言で言ってもいろんなブログが存在するので、あまり単純に比較すること自体には意味がないと思っています。
百式とネタフルでもその要素は全く異なりますし、当然芸能人ブログや主婦のブログも全く異なります。
そこで今回こだわったのがレーダーチャートの機能。
実際にランキングに登場しているブログのレーダーチャートを比べてみて頂ければ分かりやすいと思うのですが、レーダーチャートの形状がブログによって大きく異なってくるのが分かると思います。
たとえば技術系のブログの多くはFeed(購読数)の値が突き出ている傾向が高いと思います。
これは、RSSリーダーを使ってブログを巡回するような人は、技術系の人が多いと言うことが影響していると思います。
また、ライフハック系のブログやデザインのノウハウをまとめているようなブログはClip(ソーシャルブックマーク数)の値が高くなっていることが多いと思いますし。
あまり、そういったWeb2.0系ツール群と縁のない人が読者に多いようなテーマのブログは、アクセス数が突き出た形になるはずです。(もちろん、アクセス数計測のためにブログパーツを貼り付ける必要があります)
わたしたち消費 (鈴木謙介)
「わたしたち消費」は、グロコム等で有名な鈴木謙介さんが最近の消費者行動について電通消費者研究センター と一緒にまとめた本です。
献本をいただいていましたので、大変遅ればせながら読書メモを公開しておきます。
わたしたち消費というのは、わたしたち「の」消費とかわたしたち「は」消費とかではなく、”わたしたち消費”一語で読むのが正しいようです。
メガヒットが生まれづらい世の中になっていると言われているのに、気がつかないところで意外なほど大きなブームが起きるのは何故なのか。
社会学者である鈴木さんならではの視点から、現在の消費をめぐる環境及びその世界にリーチするためのマーケティング的な方法について分析がされている本です。
個人的に共感したのは「「お客様は神様です」から「お客様は私たちの仲間です」という姿勢への切り替え」が必要であるというくだり。
最近のネットマーケティングの成功事例なんかを見ていても、この辺の空気は少しずつ見えてきているような気もします。
変にお客さんに対してへりくだるのではなく、お客さんと一緒に楽しんでしまうというイメージでしょうか。
比較的薄めの本なので、さらっと読めるかと思っていたのですが、結構内容に難しい点もあり読み応えのある本になっています。
特にマーケティングに携わる人は、読んでみると新しい発見がある本だと思います。
なぜケータイ小説は売れるのか (本田透)
「なぜケータイ小説は売れるのか」は、ケータイ小説の背景について考察されている本です。
出版社の方に献本頂きました。
個人的には、明らかにPC世代のため、ケータイはなんだかんだ努力して使ってみるものの、メール、mixi、R25、モバツイッターぐらいにしか使えてません。
当然、ケータイ小説の本質も全く理解できていなかったので、この本は非常に助けになりました。
特に印象的だったのは、ケータイ小説が売れているのは地方都市であるというくだり。
東京と、地方とで、PCやケータイの利用傾向に、差が出てきているというのは、地方出身者としてはイメージとしては想像できなくもないのですが、もう東京に住んで10年が経過していることもあり、すっかり抜け落ちていた視点でした。
ケータイ小説は、CGM的なネットのコンテンツが書籍となることで収入をあげているという、ビジネスモデルとしても興味深いのですが、社会環境的な視点からの分析というのも刺激になる本だと思います。
私のようなPC世代だけどケータイ系の勉強をしたいという方にオススメです。
メタルギアソリッド4が、無事終わりました。
先ほど、無事メタルギアソリッド4が終わりました。
もちろん今回はレベルがNORMALだったので、正確には今後、2週目、3週目が待っているわけですが。
とりあえず明日は忙しいし、来週も夜に予定が毎日のようにはいっていてプレイできそうになかったので、今日解くことができて一安心です。
こんなに息もつかずにゲームをし続けたのは久しぶり。
24のシリーズを1話から24話までぶっつづけに見た感じです。
いやーそれにしても、もうメタルギアソリッド4は、ゲームと言うよりは映画ですね。
映画を見ている合間に自分が操作できるパートが混じっているという感じ。
実際に操作をしているプレイ時間より、映像を見ている方が長かったような印象さえあります。
(さすがにそんなことはないと思いますが)
複雑な反戦メッセージのこもった戦争ゲーム、というか、戦争映画という感じでしょうか。
ストーリーが過去のメタルギアソリッドとシンクロする部分が多々ありますし、システム的にも過去のシリーズをやって無い人にはちょっとストーリーが分からない点が多くて敷居が高いかなーという印象ですが。
PS3のおかげで映像も超綺麗だし、前半部分なんてまるで本当に中東の戦場にいるような錯覚を覚える完成度ですし、ところどころにお遊びの要素もあるし、メタルギアソリッドファンとしては大満足の一品でした。
いろいろ感想を書きたいところではありますが、今日は疲れたし、ネタバレもまずいと思うのでこのぐらいで。
来週は、満足して仕事にうちこめそうです。
いやー、でも、もう一度メタルギアソリッドの1から順番にやりたくなったなー。