「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」は、タイトル通りスティーブ・ジョブズのプレゼン術について考察されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
すでにこの本はツイッター上を含め各所でも話題になっているようで、Amazonのランキングで総合2位まで上り詰めたそうですが。
スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションが非常に特徴的であることは、これまでも様々なシーンで指摘されていましたが、ここまで体系的に彼のプレゼン術を解剖した本はなかったように思います。
特に、この本では以前紹介した「プレゼンテーション ZEN」への言及も出てくるのですが、個人的には逆にプレゼンテーション zenを読んだ人は、プレゼンのテクニックだけでなく、伝えたい本質が重要ということを再確認する意味で、こっちも読んでおいた方が良い気がしています。
自分のプレゼン術を根本から考え直したいという方には参考になる点が多々ある本です。
ツイッターでも書きましたが、この本は、スティーブ・ジョブズやアップルがあまり好きじゃないから彼のプレゼンをほとんど見ていないという方こそ、読んでおいたほうが良い本かもしれません。
【読書メモ】
■プレゼンテーションの基礎を固める方法
・計画はアナログでまとめる
・一番大事な問いに答える
・救世主的な目的意識を持つ
・ツイッターのようなヘッドラインを作る
・ロードマップを描く
・敵役を導入する
・正義の味方を登場させる
■プレゼンテーションで体験を提供する
・禅の心で伝える
・数字をドレスアップする
・「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う
・ステージを共有する
・小道具を上手に使う
・「うっそー!」な疑問を演出する
■プレゼンテーションを仕上げ、練習する
・存在感の出し方を身につける
・簡単そうに見せる
・目的にあった服装をする
・台本を捨てる
・楽しむ
マーケティングはつまらない?(関橋英作)
「マーケティングはつまらない?」は、日経ネットマーケティングの「マーケティング・ゼロ」の連載もされている関橋英作さんが書かれた書籍です。
出版記念パーティーで本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は、冒頭に書いたマーケティング・ゼロのコラムの記事を再編集、加筆したものですが、関橋さんならではの視点から、日本ならではのマーケティングということについて考察されていますので、普段米国を中心としたマーケティング事例に物足りなさを感じている人には刺激になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■もともと、日本人はアダプテーションが得意はなず。
外来のものを取り入れて、あたかも自分たちの文化のように形を変えてしまう術。文字や宗教がそうですし、能・狂言などの芸能や建築も。日本独自の文化と思い込んでいるものはほとんど大陸から渡ってきたものです。
■欧米型のマーケティングでは、勝ち組負け組に二分割。
日本人には対称性のある二元論が身に付いているのです。
勝ちの中にも負けはあり、負けの中にも勝ちはある。
■カンヌ国際広告祭の変化
・フィルム部門が何と言っても注目の的。
・2007年にユニリーバの「ダブ」がフィルム部門のグランプリを受賞
(ダヴのフィルムはWebサイトで流されましたが、テレビCMとして最低限オンエア)
・2008年は、フィルム部門で2つの作品がグランプリを受賞。テレビCMとWeb、それぞれから選ばれる
・2009年は「フィルムは広告の最高峰ではなくなった。いろいろある手法の1つでしかない」
■ブランディングを一言で言うと「好きになってもらうこと」。それ以上のことはありません。
成熟日本への進路 (波頭亮)
「成熟日本への進路」は、波頭亮さんが日本の将来について考察されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、成熟国家となった日本が、今後どのような方向を向いて進むべきなのかという問題提起がされています。
個人的には「今の日本は金融資産の三分の二以上を五十五歳以上の年配者が寡占しており、お金持ち=高齢者という構図になっている」というあたりや、日本の官僚機構の構造的な問題の指摘のあたりに、なんともやりきれない思いを感じてしまいましたが、選挙の際の表面的な議論だけでなく、日本の構造的な問題を見つめ直してみたい人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「自分は幸せだ」と思う人の比率が世界一のデンマーク(税金が所得の7割以上)
「自分で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と思う人の比率が世界一の日本。
■今の日本は金融資産の三分の二以上を五十五歳以上の年配者が寡占しており、お金持ち=高齢者という構図になっている
■増税によって恒常的な歳入が得られていれば、その収入を原資にして社会保障を手厚くすることもできたのに、歳入欠損を(本来、非定常的な歳入を得るための)国債の発行で賄って来たためにそのお金を恒常的支出である社会保障に使うことができず、景気対策的な項目にばかり当ててきた
Twitterを本気で活用するなら「アクティブサポート」に挑戦を。 を日経NMに投稿しました。
日経ネットマーケティングで連載を行っているコラム「カンバセーショナルマーケティングの近未来」に新しいコラムを書きました。
今回も、前回に引き続き、Twitterの具体的なマーケティング活用について考えてみています。
不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
■Twitterを本気で活用するなら「アクティブサポート」に挑戦を
「前回までのコラムでは、企業のTwitter運営ポリシーを9つの視点に分けて、一つ一つ基本的な考え方をご紹介してきました。
ただ、選択肢が多くて「結局どれがよいのか?」迷われる方も多くいらっしゃると思いますので、今回は個人的に特に推奨したいポリシーを挙げて解説します。」
※このコラムでは、先日公開したカンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめた話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングを実践する際のステップなどを書いていければと思っています。
ツイッターにも、投票に真面目に行く人達がたくさんいるのを、可視化してみませんか?
このたび、AMNで「投票なう」というサイトを作ってみました。
これ自体は、「投票」と書かれているツイッター上の発言を単純に集約しているシンプルな一発芸サイトなのですが。
個人的に今回ツイッターでチャレンジしてみたら面白いんじゃないかなぁと思っているのが、選挙の投票に行ったらツイッターで「投票に行った」と書くという試み。
正直、ネット選挙解禁の周辺における議論を5年前からウォッチしてきて、今回こそネット選挙解禁確実、と思われていたのが直前で時間切れという、またしても5年前の議論の状況に戻ってしまったこと自体も悲しいのですが。
個人的に今回のネット選挙解禁をめぐる議論で一番気になったのが、ブログはOKでツイッターは禁止というルールが決まりそうになった時のこのフレーズ。
電子メールとツイッターについては、誹謗(ひぼう)中傷やなりすましを十分に防げないことなどから慎重な意見が出ており、見送る公算が大きい。
参考:参院選、HPとブログは解禁 メールとツイッターは見送り
結局、政治家の人たちから見ると、日本のツイッターって、誹謗中傷の温床に見えてしまっているわけですよね。
おそらく、このイメージを変えないと、いつまでたっても日本の政治家の人たちが、ツイッターユーザーやネットユーザーの声に耳をかたむけることは無いような気がしてきます。
そこで、是非今回みんなでチャンレジしてみたら面白いんじゃないかと思うのが、今回の参議院議員選挙で投票に行ったらツイッターに「投票なう」とか「投票したよ」とか書き込むこと。
ツイッター上にも、誹謗中傷をする人ばかりでなく、ちゃんと真面目に投票に行く人達がいることが可視化されれば、もうちょっと政治家の人たちからのツイッターユーザーのイメージも変わるんじゃないかと思うわけです。
グロービスが開催しているあすか会議にやってきました。最初の基調講演は旭化成の社長をされていた蛭田さんです。 #aska10
日本の経済成長とある程度シンクロして成長し、低迷してきた旭化成が、蛭田さんが社長になってから、いかにその呪縛を解き放って真のグローバル化に成功したかという話を赤裸々に語られてました。
これだけ聞くと順風満帆な、エリートのサクセスストーリーに聞こえてしまいますが。
実は同期の中でも最初の評価は一番下で、取締役になったのも一番最後だったとか。
日本の大企業では少々上司に嫌われても首にはならないんだから、昇進のために自分の意見を押し殺すのではなく、自分の信念や志を表現するべきだ、というメッセージは、今の日本人には本当に重いメッセージだと思います。
最後に、トップダウン偏重の文化にボトムアップ重視の価値観をつくるにはどうすれば良いか、という質問をしてみたところ、五年後を見据えた教育と、組織の分社化の重要性を強調されてました。
忘れないように、心に刻みたいと思います。