2011年新聞・テレビ消滅 (佐々木俊尚)

4166607081 「2011年新聞・テレビ消滅」は、「グーグル – Google 既存のビジネスを破壊する」や「フラット革命」で有名な佐々木俊尚さんの書籍です。
 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、タイトル通り、2011年に、新聞業界、テレビ業界の崩壊が起きるという予測を様々な視点から開設している本です。
 業界の構造的な課題や、可能性を、実例を挙げながら具体的に指摘するのは、新聞出身者の佐々木さんならではの本と言えると思います。
 新聞やテレビ業界の方だけでなく、メディア事業に携わる業界の方には、参考になる点がある本だと思います。
 「新世紀メディア論」とあわせて読むのもお勧めです。
 
【読書メモ】
■2008年からアメリカで始まった新聞業界の地滑り的な崩壊は、3年遅れの2011年、日本でも起きる
■そしてこの2011年は、テレビ業界にとっては二つの大きなターニングポイントの年である。アナログ波の停波による完全地デジ化と、情報通信法の施行だ。
■ミドルメディアの時代に必要とされる広告の資質は、次の二点である。
・テレビや新聞のマス広告に頼り切るのではなく、ターゲティングされたミドルメディアを活用して最も効果的な広告をクライアントに提案できるコンサルティング能力
・広告テクノロジーを理解し、徹底的に駆使する能力
■コンベヤは重要ではない、コンテンツこそが本質なのである。
・コンテンツ=様々な記事
・コンテナ=プラットフォーム
・コンベヤ=紙や電波などのチャネル


■ニューヨークタイムズがウェブであげている収益は、紙の販売や広告に比べればごくわずかでしかない。一説によると、現在のウェブの売上だけではスタッフの20%の給料しか支えられないという。
■そんなに質の高いおもしろい番組を作っているんだったら、もっと多くの人に見てもらえばいいのに---というのはテレビ業界の外の人の考え方、テレビ局員である彼らにとっては、いちばん重要なのはコンテンツじゃなくて、実はコンテナ部分を握れるかどうかということなのだ。
 だからおもしろい番組を外に出さない、という結論になるのである。
■次世代STBが握るカギ
・番組コンテンツを、パソコンなどを介在させずにまとめてコントロールできる
・番組コンテンツを、複数の端末に振り分け、それらの機器で見られるようにする
・番組に広告を配信する機能を持つ
・有料コンテンツの支払いなどを決済できる機能を持つ

4166607081 2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)
文藝春秋 2009-07

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