「売れるデザインのしくみ」は、視覚マーケティングを提唱されているウジトモコさんの書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ウジさんの本は以前に、「視覚マーケティングのススメ」や「視覚マーケティング実践講座」を読ませていただいていますが、デザインをいかに実際のビジネスやマーケティングに生かすべきかというところを具体的にアドバイスしてくれるのが印象的です。
今回の書籍でも、「売れるデザインのしくみ」というタイトルに見られるように、企業が売上を上げていくためにどのようにデザインに取り組むべきかというアドバイスが多数の実例とともに展開されていますので、つい日頃はデザインを「デザイナー」に任せっぱなしにしてしまうという方には参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■デザインを日常的に多くの人に使ってもらうための壁
・「アートディレクション」についての無関心
・「デザインの知識」のコレクション化
■視覚を積極的に使い、高スペック商品にみせる三つのポイント
・他に流通しているものと形状を変える
・異ジャンルの高品質のものと、同じトンマナを付ける
・デザインの品質(クラス)そのものを上げる
■デザインのタイプを決める二つの意味
・私はこんな人ですよ、と宣言する
・あなたに対して、私はジャストフィットしていますよ、と宣言する
■「Penを読むようなやつだけに分かるデザインをすればいいんだ。それ以外は無視だ」
■日本で個性を主張するなら「キーカラー」を白にしないこと
■大切なものの周りには、必ずスペースがある。
周囲に大きく空間を取ってあるものは、「大切に違いない」「一目置かなくては」などと感じる
■ホワイトスペースを上手く使うための3つのポイント
・デザインの主従関係(構成要素)をはっきりとさせる
・視点誘導のシナリオをあらかじめ作っておく
・ホワイトスペースによって作られる構図や形のバランスを再調整して、ベストバランスを見極める
■会社のデザインレギュレーションのチェック項目
1.整合性・マッチング
・現在の企業経営のビジョンとデザインのトンマナは合っているか
・媒体展開の中で、そのデザインは統一性を保たれているか
2.使用方法の規定
・デザインの販促やマーケティング展開のためのレギュレーションフォーマットはあるか
・社員全員がそのデザインの使用規定について、正しい理解を持っているか
3.デザインガイドラインの作成
・新製品、新サービス、新媒体の展開を考える際の、企業マネジメントレベルでのデザインガイドラインがあるか
・それは実際に使われていて、企業イメージとマッチしているか
■Googleのデザインガイドラインを元にしたオリジナル版
・使えるデザインになっている?
・さくさくと動く、機能するデザインになっている?
・シンプルにデザインしている?
・魅力的で分かりやすいデザイン?
・はっとするような新しさはある?
・ユニバーサルなデザイン?
・そのデザインは資産であり、武器にもなっている?
・美しくなるための努力を怠ってはいない?
・信頼感を与え、バランスやクオリティを保っている?
・あならたしさはちゃんと出ている?
売れるデザインのしくみ -トーン・アンド・マナーで魅せるブランドデザイン- ビー・エヌ・エヌ新社 2009-10-09 by G-Tools |