本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み (佐々木俊尚)

4532195519 「本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み」は、「グーグル – Google 既存のビジネスを破壊する」や「フラット革命」で有名な佐々木俊尚さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 
 この本は、佐々木さんが「日経PC21」に連載されていたコラムをまとめた本になっているのですが、日本のウェブサービスを端から端まで見ている佐々木さんならではの視点で、日本のソーシャルメディアを大量にピックアップされています。
 ソーシャルメディアやウェブサービスというと、GoogleやTwitter、Facebookなどの海外サービスが注目されますが、実は日本にも様々なサービスがあり、様々な可能性があることを再確認できる書籍です。
 新サービスのヒントを貰いたい人にも参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「あるブランドを好きと宣言するのは誰でもできるけれど、持つという行為はまた別ですよね。もしそのブランドに憧れている人だったら、単に好きと宣言している人ではなく、実際に持っている人からそのブランドへの思いや意見を聞いてみたいと思うのではないでしょうか」(プーペガール 森永)
■「エキサイトには写真を撮って投稿するブロガーがたくさんいらっしゃるので、その特性をもっと生かせないかと考えたのが始まりでした」(アトリエ)
■「無印良品の化粧品のクチコミがアットコスメに最初にアップロードされてから、話題になるまでには一年ぐらいの「潜伏期間」がありました。あるときになって、何かの理由でポンとスイッチが入って急激に盛り上がったんです」(アットコスメ 山田メユミ)
■食べログでは、サクラと思われるクチコミは評価点数に加算していません。逆にたくさんの店のクチコミを書いている人の評価は、より多く加点される仕組みになっています。


■サンプル百貨店の中だけで通用する仮想通貨「サンプラー」
 次のサンプルを手に入れるためにはサンプラーが必要だから、一生懸命アンケートに答えてしまうという仕掛けになっている
■アライクは会員が相互に同じ好みの人を見つけ、その人に紹介してもらって好みの店を発見する仕組みになっている
■おとりよせネットの審査
・まず編集部の一次審査で、訪問販売法の記載の有無などオンラインショップとして基本的な条件をクリアしているかどうかをチェック。
・おとりよせネットに登録している約一万人のモニターから、その商品に興味のある人を募集。商品ごとに毎回抽選して五人を決定し、無料で商品を配送して試食してもらう。
・このうち過半数の約三名以上が太鼓判を押すと、掲載決定となり、おとりよせネットのクチコミデータベースに商品が掲載されます。
■しゅふーのリアルトレンド
 店舗側は、チラシのどの部分を顧客がクリックしたかをチェックして集計。つまり、「今日は肉の特売の部分がたくさんくりっくされた」といったことをあとから調べることが出来る。
■クックパッドの紆余曲折
 当初はレシピをアップする人から月額500円の掲載料を支払ってもらっていた。有料モデルは数カ月で頓挫し、その後は無料化
■スマイティでは、物件の掲載代金を従来のように「掲載一件ごと」に料金を不動産会社に求めるのではなく、「問合せ一件ごと」に料金を課す仕組みに改めました。
■インテリア市場とマンション市場はどちらも巨大なマーケットですが、双方をうまくマッチングさせるようなさーびすはこれまでほとんどありませんでした。(リビングスタイル)
■レビュアーの側からも、どれだけの数の人が自分をお気に入り登録しているかがわかる仕組み。これが励みになって、ますますレビューに熱が入る(TSUTAYA DISCAS)
■「人を多く集めて巨大化するのではなくて、先端的な人、本当に本が好きな人、読書の世界で他人に影響を与えるような人に軸になってもらうことが、このプロジェクトでは大事なんです。つまりは集合知の母集団を専門化していくようなことですね」(本が好き 根岸)
■キューライフでは、単にクチコミ情報を文字で書き込むだけでなく、その病院の評価を五つのアイコンで表示
■一般ユーザー向けにはサービスを無料で提供しているかわりに、オールアバウト・プロファイルでは専門家側から料金を取っています。
■リアルの人間関係をネット上にマッピングしたのがSNSだとすると、ネット上の人間関係を年賀状というリアルのサービスにマッピングし直したのがウェブポ
■エキサイト恋愛結婚では、長大なプロフィール項目に恐れをなして、よこしまな気持ちで会員になる男は逃げ出してしまいます。

4532195519 本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み
佐々木 俊尚
日本経済新聞出版社 2010-09-02

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