マーケターを笑うな (山本直人)

4023308633 「マーケターを笑うな」は、以前紹介した「「買う気」の法則」や「マーケティング演習ノート」の著者でもある山本直人さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
  
 マーケターという言葉は日本ではあまり使われない印象もありますが、マーケティングに携わる人という意味で個人的には重要なキーワードだと思っています。
 この本でも言及されていますが、日本においてはまだまだマーケティングが実行されていないというのが現状。それが、最近のソーシャルメディアに対する混乱の一因のように感じます。
 
 マーケティングとは何か、を改めて基本から見なおしてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
 
【読書メモ】
■「桜の花っていうのは、タダの花じゃない。あれが咲いてるってことは「今なら昼からここで酒飲んでもいいよ」という標識みたいなものなんですよ」
■マーケターの4つの視点
・売るマーケター
・つくるマーケター
・助けるマーケター
・まとめるマーケター
■「セリングの必要性はこれからも続くだろうと考えられる。しかしマーケティングの狙いはセリングを不要にすることだ」(フィリップ・コトラー)


■マーケティング・コンセプト
 製品を「市場に出して売る」から顧客のニーズを「感じ取って売る」ことへの変化
■大切なことは、日本の多くの企業経営においては、まだ「マーケティング・コンセプト」が実行されていないということだ。役員の誰が「マーケティング責任者」なのかというと、あいまいな企業が多い。
■マーケターを笑ってはいけない。何度も笑われたマーケターが、最後に笑うのである。
■マーケティングの仕事の3ステップ
・調べる:いわゆるリサーチ
・設計する:どのような人に向けて、どのようなニーズを満たすのかを考える
・実行する:製品やサービスをつくって、世の中に発表する
■自分のブランドを、他のものとセットにしてしまう 
 米国の自動車メーカーは「ビッグ3」といわれるが、これは第3位メーカーのクライスラーが考え出したという。
■バブル崩壊後の低価格志向には特徴がある
 それは、低価格がカーニバルのようになって、どんどん「伝染」していくことだ。
・大型の組織小売の勢力が拡大した
・価格を再重視する消費者が増加するからこそ、こうした低価格は加速する
■利益が目標になった場合の方法
・売上を伸ばすこと
・原価や経費を減らすこと。そして、広告は経費である。
■マーケターもどき
・囲い込み好きマーケター
・焦らせマーケター
・ソーシャルもどきマーケター

4023308633 マーケターを笑うな! 「買いたく」させる発想法
山本直人
朝日新聞出版 2010-12-07

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